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差別のことを語る

同化の強化というのは書いていませんが、同化の強制についていえば、「単純なその場での同調の要求」や「批判意見の排除」や「文化・価値観を合わせることの強要」ってのは笑いに限らず起きます。「笑い」に関して言えば「みんな笑っているのになんでそんなことで文句をつけるのか」ということが起こりえるわけです。でもって、
「笑いものにする」という言葉がある限り笑いというのは時として差別と表裏一体です、
とかいたのは、差異があるとその差異を笑う≒「みんな△△なのにあいつら◇◇なんだぜ」という前提で笑うことになるのですが、なにも他人を笑わせるために差異があるわけではないのです。差異があるときにそこがネックというか傷つく原点になるんすけど、個人的意見としては無いほうがと思っています。
>笑いに限らず様々な行為が時として差別を生み出してしまいます。
ということに関しては概ね同意見なのですが、
>それらを全て禁止していくのでしょうか。
ということに関してはどうしてそこに着地するのか正直きちんと理解できなかったのですが、一般論としては笑芸など不特定多数を相手にしたものに関しては差別に関してはないほうが良いとは思います。特にメディアなどでのことになりますが、(セクシャルマイノリティに限らず)マイノリティを題材にしたものの場合、それが事実と異なったものであったり、間違った印象を与えるものであったとしても、少数であるがゆえにえてして反論や訂正の機会はほぼありませんし、あったとしても一旦ついてしまったものの印象を拭うことはそう簡単なことではないからです。もちろん表現の幅が減ることは確かで、表現の自由というものを考えると明文でも明文化されてなくてもそんなものはないほうが良いに決まっていますが。ここらへんはもう表現者の良心にゆだねるしかない領域なのですけども。
>差別を完全に無くすというのは無理であり、
ここらへん残念ながら限りなく同意見です。半永久的に差異があるとき、差異を残したまま共存するにはどうすればいいか、というと最適解があるかというと私もありません。
>その期待効用を薄める方向で考えるのが良いと思います。
ここらへんから確実に意見が異なってくるのですが、差別的な笑いが繰り返しなされることであいつらは笑っていい存在である≒同じ人間ではないという意識が生まれかねず、そこに差別が増幅してしまうのではないか、と愚考します。
>皆が、その人の属性特有のネタでも一般的なネタでも笑われる。
>いろんな人がいろんな理由で笑いとなる、そういった多数の中に紛れることで
>そのマイノリティは特別でなくなることができるのではないでしょうか。
ここらへんもいまいち理解できているか不安です。ひっかかった点として、マイノリティは特別というのは、マジョリティに対比してマイノリティは特別というのことになろうかとおもうのですが、なにも好きこのんで特別なわけではないのです。二点目としてマイノリティの集団が、マジョリティの支持する笑いによって抑圧を受けていると感じられるときにその抑圧は「皆が、その人の属性特有のネタでも一般的なネタでも笑われる」「いろんな人がいろんな理由で笑いとなる」ということで解消される・解消すべきなのでしょうか。
根多についてなのですが「笑い」というものはその本人が必死でもそれを第三者が滑稽にとらえて笑うことから生まれてくることがないわけではない分野のものです。そういう性質上、笑われることに関してはおのれのことではないとして安心してみてられる傍観者のほうが笑えますから、必然的に多数派が傍観者でいられる少数のほうに矛先が向きやすく
>皆が、その人の属性特有のネタでも一般的なネタでも笑われる。
ということは実際には机上の空論に過ぎないのでは、ということを考えちまうのです。なにも笑いに限らずエロも同じで、美少女を凌辱する作品を美少女になれない男性が、美少年を凌辱する作品を美少年になれない女性が、好む傾向がないわけではないのと同じかもしれないのですが。って笑いからそれましたね。
>むしろ規制を行い他と同じように扱えないとすることが逆に注意を引きつけ偏見を助長し、
>他と同じ位置に立てるように改善していくことを妨げてしまうのではないでしょうか。
>規制がマイノリティをその位置に永久に閉じ込めてしまうわけです。
おっしゃるところはよくわかるのです。規制は無いほうが私も良いとは思っております。が、繰り返しになるのですが、差別的な笑いが繰り返しなされることであいつらは笑っていい存在である≒同じ人間ではないという意識が生まれかねず、そこに差別が増幅してしまうのではないか、という危惧があります。どこかで止めて欲しいというのがあります。

なお二点ほど補足です。マイノリティは多種多岐に渡ります。たとえばセクシャルマイノリティ関連の言葉でいわゆるLGBTという言葉がありますがセクシャルマイノリティ=LGBTではないのですが、メディアに載ってしまうとその誤解は解くのは難しいです。さらに濃淡があります。そこらへん踏まえてらっしゃると思いたいのですが、念のため複雑多岐である、ということを書かせてください。もう一点、私はバイセクシュアルですが、他のマイノリティに詳しいかというとそうではありません。返信いただいたので当座私には返答の義務があるかと思って書いたのですが、私がここに書いた意見は必ずしもマイノリティ・セクシャルマイノリティの意見を代表するものではないので、そういう意見がある程度に聞き流しておいてください。