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読了のことを語る

「母がしんどい」 田房永子

「ちょっと天然で空気読めないけど子煩悩でいいお母さん」
と、よく知らない人からは思われている母に育てられた著者の苦悩を描いた漫画。
悪霊が出てこない「シャイニング」みたいな漫画だった。
「いますごい怖い漫画読んでる」と言って夫に見せたらなになに~?と覗いた顔が凍りついてた。こわ!
花輪和一の「刑務所の前」を読み、頭の上から「100%自分の味方」な自分がぴょこっと出てきて自由になるところがよかった。
変に分析したり説教したり憐れみを乞うような押し付けがましさのないいい話だった。

Amazonのレビューはおおむね共感の嵐なんだけど、一部意図的に著者を傷つけてやれという強烈なものもあり、また怖い。
娘がブラジャーを欲しがることを無視し続け、買ったら激怒する母のことを
「かわいい娘でなくなるのが嫌だったんじゃないかな~」
と書いてる人がいたけど、子供は小型犬じゃないんだからさ。
嫌だから認めない、激怒するのは自然というより野生っていうか獣性だと思う。

たまたま続けて「杜子春」を読み、母の姿のギャップに胸を打たれた。