「洋酒天国とその時代」をまだすべて読み切れていない。のだけど、(死霊という小説を書いた)埴谷雄高という人が書いた文人たちの酔態についての連載が、洋酒天国にはあったらしい。そのなかで
「酒をのむことはなにかを傍らに寄り添わせてのむことである」
とも書いていて、もちろんなにかを寄り添わせることを必要としない人もいるのだけど(伏し目がちになる)、興味深かったのが太宰で、酒をのんでいる太宰の隣でコップを打ちあわせているのはデーモンである、と。
太宰の書いた「誰」は悪魔に関する短編で、それに絡めたものなのかもしれないものの、でも太宰がデーモンを寄り添わせていた、というのは太宰の写真を教科書でみちまってるせいか絵面が妙に想像できた。
どうでもいいけど、読んでしまってから、おれ、酒のむときになにかを寄り添わせてるのだろうか、それとも伏し目がちに呑んでるのだろうか、とか妙なことが気になった。