「洋酒天国とその時代」をまだすべて読み切れていない。のだけど、(死霊という小説を書いた)埴谷雄高という人が書いた文人たちの酔態についての連載が、洋酒天国にはあったらしい。そのなかで
「酒をのむことはなにかを傍らに寄り添わせてのむことである」
とも書いていて、もちろんなにかを寄り添わせることを必要としない人もいるのだけど(伏し目がちになる)、興味深かったのが太宰で、酒をのんでいる太宰の隣でコップを打ちあわせているのはデーモンである、と。
太宰の書いた「誰」は悪魔に関する短編で、それに絡めたものなのかもしれないものの、でも太宰がデーモンを寄り添わせていた、というのは太宰の写真を教科書でみちまってるせいか絵面が妙に想像できた。
どうでもいいけど、読んでしまってから、おれ、酒のむときになにかを寄り添わせてるのだろうか、それとも伏し目がちに呑んでるのだろうか、とか妙なことが気になった。
(承前)
茅ヶ崎に開高健記念館というのがあって、そこにあるとき尿瓶型のデキャンタがおいてあった。栓を開けたワインは空気に触れる・なじませることで飲み口が変化して柔らかくなるとは云われてて、普通のデキャンタより尿瓶のほうが良いのは理解できたのだけど、開高さんが作らせたのかな、などと想像していた。でもって「洋酒天国とその時代」を読んでいて、淀川長治と開高健が出席したシンポジウムにおいて尿瓶のカタチをしたデキャンタを記念として出席した参加者に配布したそうで。謎が解けた。てか、そういう企画がするっとなんとかなってしまう(あなたのまちのじゃ…[全文を見る]
「洋酒天国とその時代」という本を読んでいるのだけど任意に開いたページに淀川長治さんにまつわる話がのっていて。
翌日に講演会があり、疲労があったので眠ろうとするのだけど、これだけの勉強で寝て良いのだろうか、という「こわさ」に苛まれ、翌朝4時まで眠らずに本を読んでいたのだそうで。この「こわい」という感覚をずっと持っていて、一種の強迫観念のような「あれをやっておかなければ」、っていうのも持っていたらしい。
朝四時まで本は読まないけど「こわい」という感覚がなんだかうっすらわかるのと「あれをやっておかなければ」ってのも皮膚感覚として理解できてて、読んでておれ、強迫観念のようなものを持ってるのだ、と自覚した。
あと関係ないけど、カクテルコンテストの名前がノーメル賞ってのがシャレが利いてていいなあ、と。
本はたいてい寝しなに読んでいますが
いま読んでるこちらの本は寝しなに読もうとすると3ページくらいで
眠くなる (-。-)。oO
難しいのかな・・・
ちゃんと座って読んでいる時はそれなりのペースで読めるのになぁ (^-^;
未成年 イアン・マキューアン 新潮クレストブックス
こんな手触りの本を手に取るのはどれくらいぶりか
内容もエホバの証人輸血問題、が題材だけど
主人公が高等法院裁判官でほかにも生々しいエピソード満載
一回途中で読む時間が取れなくなったので、ぜひ今度こそ
カーミラ kindle 版
森の古城に住む孤独な絶世の美少女のもとに現れた、謎の絶世の美少女がヤバいというサスペンスホラー。
かの乙部のりえを叩きのめすため、姫川亜弓が出演したあの舞台の原作。
めっちゃ百合百合しい。なにこれ。こんな内容なら亜弓さんとマヤちゅんでやって欲しかった。
「わかったわ、あなた今も誰かに恋をしているのね」
「私は誰にも恋なんてしないわ。これまでもこれからも。あなた以外には」
こんなの花とゆめに掲載されていたらその後の展開は何もかも変わった。乙部のりえへの怨みが深まる。
「タイニー・ストーリーズ」山田詠美
なんか久しぶりに、ドキドキする。詠美姐さんの文章は、自分としてはセンテンスが短くて「?」なところもあるけど
やっぱり作り出す世界が素敵なんだよねぇ。
押入からをごそごそやってて発見。
うっかり読み始めて、また涙するのだった。
『ファスト&スロー』まだ上巻
ひさしぶりの、面白いのに、いちいち立ち止まって考えてしまってちっとも前に進めない本。脳が疲れる。通勤の道すがら読むのはややしんどいほど。
とりあえずいままで読んだところでは統計学の数字がなにゆえああも納得いかない気持ちにさせるのかが見えてきたことと、情報の健全な疑い方についてたくさんの示唆を受けました。
光文社古典新訳文庫版『カラマーゾフの兄弟』。後の巻になるほど分厚くなっていく(5巻は例外)。
ところが4巻の読書ガイドに書いてあるのが、
〉〉この第4部では、ついに書かれずに終わった、いわゆる続編、すなわち「第二の小説」が少しずつその輪郭を明らかにしていく。
マジか。作者序文で、「第二の小説の方が重要でこれだけでもいいんだけど、第一の小説を読んでもらうほうが効果その他云々」みたいなこと書いてあって、どう考えても「第二の小説」の方が長そうなんだが。
あんたどんだけ喋り倒しかったねん、フョードル……
吉田修一『悪人』
郊外の閉塞感みたいなものがリアル。
『増尾』って、芸能人のアイツがモデルぢゃね?ってくらい激似。
この人の小説はいつも何かしらの問題意識を掘り起こしてくれる。
複雑な彼女と単純な場所 矢作俊彦
超~久しぶりの登板。大友克洋とのカニシリーズ(笑)が読みたい。
『細雪』
読む前はもうちょっと気取ったものを想像していたんですが、意外と楽しいです。
何に似てるって、大阪豆ゴハン?もちろんもちょっと深刻で豪華で昔の話ですけども。
それにしても戦前の女に生まれなくて本当に良かったよ…下働き女子の大変そうさはもちろん、
いいとこに生まれてしかも美人で家族仲良しでもこのめんどくささよ…
あまりのめんどくささに笑ってしまうこともしばしばですがそのめんどくささを描ききる心理描写とミクロな人間関係のダイナミズム(っていうんですか)が面白くてやめられない。
恩田陸 ブラザー・サン シスター・ムーン
あたかも自分がそこにいるかのような錯覚。甘酸っぱさ。
こんな青春送りたかったぜ。
『シェリ』コレット
ぅおもしろい。心理描写はこうでなくては。
古い訳文を、それはそれとして、内容だけに集中して読む能力のある方にお薦め(原書で読めるムキはもちろん原書で読んどくれ)。
テルマエ・ロマエⅡ
ヤマザキエリ
うーん、好き!!
『ごくらくちんみ』杉浦 日向子
珍味にまつわるお洒落な超短編集。
わたしなどは食べたことのないものばかりが出てきます。
お酒が飲める人がうらやましくなりますが
この素晴しい描写でがまんするとしましょう。