「破局」遠野遥
今回の芥川賞受賞作
タイトルがすべて
主人公がものすごく嫌な奴と、選評でも言われているし、作者の耳にも入って傷ついているそうだけど、
そうかなあ?
確かに身近にいたらアレだけど(をい)こういう人いるよ
又吉直樹「劇場」の主役の方が怖いよ
(※どちらも一人称で書かれているから、本人の中の「正常」が読者には「異常」と映る、そこが顕著で、疎まれる理由らしい)
ただ、この話の登場人物は、ヒロイン含め、全員どこか狂っている
なにかがおかしい
それが、主人公にかかわったからかどうかはわからないというか、受け取りかた次第だけど
そういうひとたちや、その関係が、ささいな、ありがちなつまずきをきっかけに、取り返しのつかない事態にまきこまれてゆく
「あーこういうことってあるよね~」
と思いながら読んでいました
(異論は認める)
強いていえば、作者のバックボーン(慶応大卒)を知らないと、日吉キャンパスとか、彼女とは幼稚舎からのつきあいとか、わかりづらい
余談ですが、芥川賞直木賞発表時の翌日にクライアント訪問したら、
図書館ではないが本の貸し出しも行っているところで
「候補作が決まってから、あちこち探したんだけど、『破局』だけ、どうしても手に入らなくて困りはてていたの。でも発表の直前に、地元の本屋さんに電話をしたら、一冊だけ入荷したというから、取り置きして。その直後よ、授賞決まったの。授賞するかなんてわからなかったけど、受賞したらまず入手できないから、運が良かった」
それがこの本ですか、、、という感じ(個人の感想です)
次回作は既に執筆中とのことで内容もがらりと違うそうですので(作者談)、乞うご期待