「人生の師」と仰いでいる作家の先生に会いに伊豆半島へ。犬が死んだ翌日に新幹線に乗り、鈍行列車に乗り、タクシーに乗って、山道を登り、相模灘が一望できる先生の家へたどり着いた。そこから今日まで、ひたすら「生きること」について話を聞いて、下界に戻ってきた。到着した翌日に伊豆を直撃した台風は去り、相模灘は穏やかで、熱海駅にはどこから湧いてきたのか分からないくらい人がいた。ぼくは疲れていたけれど元気で、先生の話を思い出して、この世界を信じてもう一度生き直してみようと、駅前で一夜干しのイカを買い、包んでもらうと、新幹線で帰ってきたのであった。
日常のことを語る