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読了のことを語る

『明日の食卓』椰月美智子
・のっけから恐怖でぞわっとして、なんで私これリクエストしたんだっけ?と一度本を閉じました。『12歳』の著者だとしか認識がなかった、この方の著作を読むのはこれが初めて。
・なんていうか…こういうのを、小説で読むんだ…留美子の家庭の荒れる描写がいたたまれず。こりゃ留美子だろと踏んだらまさかの第三者登場で、こういうオチ!?と釈然としないのでした。そんなにこの日本にはイシバシユウくんが存在するんでしょうか。
・菜々、怪しいと思ってたんだよね。あすみも何でもかんでも話すんじゃないよと思ってたら案の定。そんなの菜々がセンセイに話したに決まってるじゃないか。この家は先行きが不安なまま終わってしまったけど、センセイが言うにはおなかの子は救世主になるらしいから、そういうことにする。しないとやっとられんわ。
・加奈が出てきてくれたから、嫌な気持ち一色にならなかった。正直、救急外来を知らなかったのには無理があると思ったけど、相良さん登場のためには必要だったんだな。加奈はどこまでも純粋だった。「勇のことを気にかけてくれる人がこの世にいるのだと思ったら、もうそれだけでありがたくて、胸がいっぱいになって泣けてくるのであった」本来はそうなんだと気づかされる。
・今回は全員男の子のお母さんだったけど、女の子のユウがいたらどんな話になったのかなとふと思いました。