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読了のことを語る

『貘の耳たぶ』芦沢央
この作者の本は初めて。すごいものを読んでしまった。
・初めての出産を終えた、母になったばかりなのにこんなにもフォローがない産院って…と脚色感は否めなかったけど、それだけ繭子が尋常じゃない精神だったということ(そもそも助産師が出てこない。看護師ばかり。繭子にそう見えてるだけかもだけど、それくらいケアが足りない)
そしてどんなときも、言われた方しか覚えてない。言った方は覚えてない。だから最後まで被害者面なんだよ郁恵は。被害者だけどさ…「残念だったね」
・航太の父とその両親は悪い人ではないのでまたつらかった。父の旭がパイロットだから浮気とか出てくるかと思ったらそっちかい。ここでその話を絡めるのか!と展開に唸りました。
・璃空(りく、でもう変換候補に出てくるんだこの字!)が郁恵に駆け寄ったときのカシャ、という硬質な音。そのとき違和感があったけど読み進めてしまった。こういうことだったのか…軽く引いた。でもわからなくはない。写真があれば忘れない。「写真に残っているものしか、うまく思い出せないから」
・私の産院はタグじゃなくてもっとゴツい機械で、外れようものならビービー鳴りましたが…とかほんと産院へのツッコミが止まなかったです(´・ω・`)