id:spectre_55
読了のことを語る

「生かされて。」(イマキュレー・イリバギザ&スティーヴ・アーウィン共著/堤江実訳)

1994年のルワンダ大虐殺で父母と兄、弟を失いながら生きのびた女性、イマキュレーの手記。
彼女は高い知性の持ち主であると同時に敬虔なカソリックで、読み始め、信仰心にあんま縁のない俺としてはそこら辺に馴染めない感じがかなりあったのは事実なのだけど、
読み進めていって大虐殺の凄惨さを知ると、これは信仰心でもなけりゃ耐えられない、というか信仰心があったとしても耐え難い状況だなあ、と思わざるを得なかった。

昨日まで善き隣人、善き市民同士だった人たちが、あっけないほど簡単に殺し合い憎しみ合うようになる怖さ、人間の良心の脆さみたいなものも身につまされる。