過去形になってしまう話を過去形で書きたくなくて書けないでいる。
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一行超短編のことを語る
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熊に相撲で買った少年は山を降り、海へ行ったところ、亀を助け、その褒美で訪れた先からの帰りに持ってきた箱を開けるとなんとたいそう老けてしまったが、その後、おばあさんに巡り会い、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯しに行きました。
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赤頭巾役の娘と過ごし始めてから行うこと四桁の大台に乗らんとする密室劇、ずっと赤頭巾を誘う狼と狼を殺す猟師の一人二役を担っている。
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その眼差しが蟻のようで、愛らしいと思う、愛らしいが自分にこの人の感情は受け取れないのだと。
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妹として兄の彼女から人差し指添えウインク笑顔を頂くとは、頭を悩ませてはみるが、はたしてこの畏怖はどうにも。
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涙がこぼれないように上を向いたら前が見えなくて危ないので、こぼれてでも前を向いて今日も歩く。
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卒業式が終わった教室を片付けに戻ると、黒板に『底辺×格差÷2=社会』との式だけが雑に、だが力強く書かれていた。
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私が居ても居なくても社会は変わるけど、その変わった姿を見ないで「変わった」なんてわからないから、やっぱり私はここに居たい。
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ゆりかごから墓場まで、お布団だけがいつも側に寄り添っていた人生だった。
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神様はサイコロを振らないが、人間は手のひらに世界の果てまで見渡す希望と絶望のサイコロを携えている。
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東へ「おやすみなさい」と挨拶したら、西から「おはようございます」と挨拶される地球へようこそ。
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「奇麗事は嫌いだとお前はいつも言ってたけれど、私に対しては奇麗事ばかり並べてくれたじゃないか」という捨て台詞を残して、彼女は去っていった。
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中央分離帯に立ってこちらを向いて困った様に微笑んでたロングコートの女が、帰り道でも中央分離帯に向こうを見て立っていた。多分困った様に微笑んでたのだろう。
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サンタクロース「良い子力…たったの5か…悪い子め…」
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僕の妹にはたった一人、兄がいた。
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せんせいぼくはこのなかからなかまはずれをさがすのはいやです
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そのうち「あのときは辛かったなあ」と思える日が来るだろうという消極的な希望を胸に生きる程度の年の功
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あなたにいただいた写真機は、どうしたことか食べ物ばかりとても上手に映します
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材料はデジタルはかりできちんと計量するように……4とか9とか79gになったら慌てて足したり減らしたりしましょう。
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軽くショックだったので「死んでやる!」と口走ったら、「冗談は顏とミニスカートくらいにしておけよ」と言われて、「ああ、コイツのことは嫌いになれないな」と悟り、結婚することにした。