月を垂直に見あげる虎。
無限の宇宙を見あげ、人間が 小さな存在であると自覚しつつも、
生命、人生を慈しむような気持ちだったのではないか…とは、研究者談。
1960年に発見された小惑星には、「北斎」と名づけられたものがあるという。
最晩年の90歳になってからも、2枚の虎を描いている北斎。
その虎の表情に表れるのは、北斎の心境か。
「 人魂で 行く気 散じや 夏の原 」
これが、 北斎 辞世の句である。
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美の巨人たちのことを語る
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「画狂老人卍 墓」 と刻まれた、北斎の墓(晩年そう名乗った)。
90歳まで生きた北斎は、死ぬ間際、
「あと10年生きたい、いや、あと5年でもいい、
あと5年でもいいから、生きて 絵を描きたい」
と 言ったという(墓のあるお寺の住職談)。
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今週は葛飾北斎です。
今日の一枚は、『月見る虎図』。
版画ではなく、肉筆画。 何を思うか、月を見上げる 虎の姿。
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この絵の不思議な動作は、ガブリエルが 多くの子を産める女性であること、
指輪は、アンリ4世に対する ガブリエルの結婚願望を表わし、
そして 背後で召使がおしめを縫っている、という説。
しかし、問題は この絵が描かれた時期。
アンリ4世が、ガブリエルの死後にこの絵を見たとすると、解釈は変わる。
(1599年4月、ガブリエルは アンリ4世のもとを離れパリへ。一説では、
友人宅で食事を摂ったあと苦しんで死んだ(=毒を盛られた)と言われ、
また、妊娠中毒症だった とも言われる )
ガブリエルの死後、この絵を見ると―
指輪は、ついにはめてもらうことができなかった(=王妃になれなかった)ことの暗示、
召使が縫っているのは死装束、燃え盛る暖炉の炎は 無念の火・・・
そのようにも解釈できるというのである。そしてこの絵は、描かれた当時は、
人目に触れるものではなく、アンリ4世 ただひとりのために描かれたものだった。
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ブルボン王朝の最初の王 アンリ4世を 虜にした愛人だったという、
ガブリエル・デストレ。 王妃の座も見えていたが、それが
実現することはなかった。 毒殺されたのではないか、というのである。
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かつて フォンテーヌブロー宮殿で活躍した画家たちは、
フォンテーヌブロー派とだけ呼ばれ、後世に名を残すことはなかった。
今週は、そのフォンテーヌブロー派。
今日の一枚は、『ガブリエル・デストレとその妹』(16世紀末頃)。
向かって右が ガブリエル・デストレとの説。
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平山郁夫 『仏教伝来』
玄奘三蔵と お付きの僧が 馬に乗り、森の中をゆく姿。藍色の背景の森。
広島での被爆体験ののち、”生きた証を残したい” と考えた画伯の、渾身の一枚。
妻の実家にいた犬のイングリッシュポインター、大学にあった剥製のキジ、鳩・・・
玄奘三蔵の背景として描くにはそぐわない、身近な生き物を
描いているのは、それこそ、死を意識した画伯が、描かずにはいられなかったものだった。
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今週の美の巨人たちは、昨年末にお亡くなりになった平山郁夫画伯です。
今日の一枚は、29歳の時の作品、『仏教伝来』(1959)。
のちに、シルクロードを描くことを ライフワークにすることとなる画伯にとって、
画家人生を左右するほどの 重要な位置づけにある作品。
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次回は、今回のスペシャルで取り上げられた ”ヨーロッパの美” とは
また 違った味わいである日本画。 平山郁夫 『仏教伝来』 です。
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今回のスペシャルは、前後編合わせて放送時間もかなりあって 楽しめました。
テーマである宮殿で 様々なものを見た時の 小林薫さんの、
素朴な感想のようでありながら、実は細かいところまで見ている、という感じのコメントも よかった。
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エルミタージュ修復保管センター
ここにも日本のテレビカメラが入るのは初(やるな、テレ東!)。
一日四組という制限はあるものの、これだけ貴重なものがある所に、
一般の人が見学に入れるのだという。
ロマノフ王朝が代々使ってきた豪華な馬車も、一ヶ所に集められているという。
エカテリーナ2世が戴冠式の時 実際に乗ったという、王冠を屋根に載せた馬車も。
王冠を載せた馬車に乗ることができたのは、皇帝だけだった。
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エカテリーナ2世の愛人ポチョムキンが贈った、精巧な、孔雀の仕掛け時計。
部品保護のために最近は動かしていないというが、まだ実際に動かせるという(撮影中に実演)。
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エルミタージュ、レオナルド・ダ・ヴィンチの間は、ただ2枚の作品のためだけの部屋。
『ブノワの聖母』 と、『リッタの聖母』。
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エルミタージュの レンブラント コレクションは、22枚にも及ぶ。
(晩年の、聖書に題材をとった ”放蕩息子” シリーズも含まれる。)
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冬宮にある黄金の客間、そこにある、ウラル山脈で採れた孔雀石を加工した柱。
孔雀石の碧緑の美しさ。
そのほかの、エカテリーナ2世が作らせた黄金の装飾の品々を見て、
小林薫さんのひとこと : 「 ”女の子の趣味” だなぁ、女帝とは言っても・・・」
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エカテリーナ2世のエルミタージュ。
冬宮、小エルミタージュ、新・旧エルミタージュ、エルミタージュ劇場の
五つからなるのが この宮殿である(現在は美術館)。
エルミタージュ美術館、300万点に及ぶコレクションの基礎は、
エカテリーナ2世が 生涯かけて収集した美術品である。
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ヴェルサイユ市内にある、18世紀のヴェルサイユの記録を残すランビネ美術館。
日本のテレビカメラは初めて入る。
牢獄で描かれた、喪服姿のマリー・アントワネット、最後の肖像画。
そして、断頭台に消えた。
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ふだんは非公開の、プチトリアノンの庭に建つ、王妃の劇場
こじんまりとした広さながら、青、白、金で装飾された、美しい室内。
しかし、大理石も金箔も偽物だという。つまり、贅沢ばかりを追求していた
訳ではなかった。自ら舞台に立つことが楽しみだったのだという。
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マリー・アントワネットはシャンパンが好きだった、と。
そういえば、映画 『マリー・アントワネット』 でも、
シャンパンを飲んでいた気がする。
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マリー・アントワネットが好きだったお菓子、クグロフとメレンゲ。
そして 苺のシャルロットも、その当時 既にあった。