二日酔いさまとして何くれとなく世話を焼いて欲しがり、
夕飯を作っているあいだごろ寝してFlashゲームに興じていた。
常日頃逆の立場にいることが多いので、自分がいかに人さまの好意に甘えているか、静かに考えて反省した。
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二日酔いさまとして何くれとなく世話を焼いて欲しがり、
夕飯を作っているあいだごろ寝してFlashゲームに興じていた。
常日頃逆の立場にいることが多いので、自分がいかに人さまの好意に甘えているか、静かに考えて反省した。
「卵焼きの絵、よく描けてたね」
それはアナゴだ。
「筋肉痛は筋肉の怪我だけど、山には酸素が多いから、筋肉が傷ついても修復が早いんだって」
「そうか。やっぱり山籠もりは効果的なんだな。大山倍達は正しかったのか」
「え、高野山行くの?」
蛭が大量に降ってくる森なんか行かないよ、高尾山だよ。
スマホになってから、よく無言電話がかかってくる。
漫画「弱虫ペダル」の影響で、坂道をダンシングしながら笑顔で登っているらしい。
そのこころは。
http://twitpic.com/5wf6y1 ←これを見て。
「どういうつもりなんだ、このパン屋は」
昨日からスマートフォンになった。
「今日スマホでなにか見た?」
「ドグラ・マグラをずっと読んでた」
「え、なんで?」
「むかし途中で挫折したんだけど、読んだら気が狂うっていうからもう一回読んでみようと思って」
何のために?!
ずーっと動画観てる。
auショップでレンタルしてきたスマホでガガさんに夢中。
という話を、たったいま甥に披露して、甥から
「今晩出たら起こしてね!」
と頼まれている。
「うわっ気持ち悪!」と思ってもちおは手を引っ込めた。
蠢く黒い点の集まりはナイトメアクリスマスのブギーの中身のように虫の塊にも見えた。
「最近Gを見るからこういう幻覚を見るんかな・・・と思いながら見とった」
すると靄は形を変えながら、横ですやすや眠っている妻のほうへ動いていく。
もちおはびっくりして反射的に靄に手を出し、手のひらで靄を反対に寄せてみた。
「ほいでこう、『困るよ、やめて』ってちょいちょいとやったら、そっちへ動いてな」
「そしたらそれが寄せたほうへくいっと動いたんじゃあ」
これは面白い、ともちおは思った。
「それでこりゃあ掴めるんかいのう、と思ってぐっと掴んでみたんじゃ」
ぎゅっと手のひらに靄を掴んだ瞬間、靄は消えた。
翌週寝室に出たでっかいGは使い魔だったのか。
あれももちおが叩き潰したけど。
「ほいで、例のごとく触ってみようと思ってなあ」※前回参照
もちおは手を伸ばし、ベッドの上の黒い靄に手を突っ込んだ。
軽い抵抗感とぶよっとした感触があった。
前回は鳥肌が立ったが、今回はなんとも気持ちが悪く、怖気が走った。でも鳥肌が立つほどではなかった。
「暑かったからかもしれんな」
気温の問題か。
先日珍しく妻がでこちん冷凍法で熟睡していた夜のこと。
もちおが真夜中にふと目を覚ますと、とベッドの上に真っ黒の靄が浮かんで蠢いていた。
風を入れるために開けた窓から入る薄明かりの中、靄だけが真っ黒だった。
靄の大きさはホテルの枕三つ分ほどで、ときどき一部が赤く点滅する。
「黒い光の点みたいなもんでな、それが集まって動いとった」
「前回のようにはっきりとしたもんじゃなかったが、顔みたいなもんがあった」
「顔?」
「人というか、今度はあれじゃ、虫みたいじゃった」
やはりG=幽霊説は確定なのか。
「ねえ、”ピュアガラスアート”だって」
「嫌がらせアート?」
「あのアパート、”ペット可”だって」
「結構可?」
それは ただの空耳 ※谷山浩子
足掛け7年嫌がらせをされている同僚に、今日も陰湿で幼稚な嫌がらせをされたらしい。
どうしよう、はてこが飛び蹴りくらわしたりするとまずいよね。藁人形とか作ればいいのかな。
上機嫌でLa Vie en roseをハミングしながら同僚が吐いた話を詳細に報告。
飲んできたのに自転車で帰ってきた。いけないんだ。