○心理学を系統だててやってないのでヘタなことは云えないのですが、人が不安を感じるときになぜ不安に思うのかというのは必ずしも明確ではないはずで、不安に感じるときになにかしら敵となる存在を作って「彼らが悪いから」といったん理由付けしてしまえば、それがまったく根拠のないものであっても、不安の原因がわかるような錯覚に陥るのではないかと思っています。
○ナチスの場合、ヒトラーがわが闘争の中で述べてるのですけど「あれこれ迷わせてはならぬ」という態度で、妥当かどうかの検討もなされずユダヤ人が標的になって、正しくなくてもその道に突き進んだものと理…[全文を見る]

土曜日の毎日新聞朝刊に、昨今の差別思想を支えてるのは旧来的右派ではなく、格差の拡大や社会保障の不安が関係して「こんなはずじゃなかった」といらだつ人たちが社会的弱者を敵にして憂さ晴らししてるようにみえる、という趣旨の森健さんというひとの発言があって、特段統計的な裏付けとかはなさそうなんだけど、なんだか妙に説得力がありそうな気がしてならない。
でもよくよく考えるとなんで社会的弱者が敵になるんだろう。
社会的弱者に対するなんらかの措置が不公平にみえるのだろうか。

補足というかなんというか。
オバマさんの時代に同性婚制度のない国でも外交官が同性パートナと一緒に米国に来たらその人の分も査証をだしていたのですが、今月、同性パートナと米国に駐在するなら婚姻の証明書を出せ、出せないならそのパートナは出てけ、というふうに変更してます。オランダであるとか同性婚を認めている国で婚姻の証明書を提出できれば外交官の配偶者として米国の査証はでます。しかしその制度がないなら出せない。get outっていってるのと同じ。同性パートナのいる外交官をペルソナノングラータにしてるわけではないので外交問題にはなってない。より陰湿な排他的方向へ舵を切っちまってる印象が。

以前、名前を忘れてしまったのだけどノースカロライナ州にある市で、トランスジェンダの人が自認するトイレをつかうことが出来るという条例を作って、それに呼応して州政府がこんどは身体的な性別でトイレをつかわねばならぬ、というのを作った。のちに州政府の施策は撤回されるんだけど、じわじわっと反LGBTの動き、というのはあって、だもんで、ここで連邦法で性別を出産時のせいに限ることを検討、というのはその流れなのだと思う。でもカリフォルニアほかいくつかの州で、第三の性別を認める州法があるので、連邦法でやってもそれらの州が従うとは限らないので、効果は怪しい。
ただ在米の外交官で同性パートナーにも査証をだしていたのだけど出さなくなってて、ちょっとクレイジーな方向へ行ってるのは確か。