パステルナークの自伝の幼年時代を描いた一節に窓枠に降り積もる雪が毛糸を編み進めるようすを思わせたというのがあって
雪が降るたびにちゃんと思い出したいのだけれど高校生のころにそれを書き写した引用ノートがもうずっと見つからなくて迷子のような気持ちになる。
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うろ覚えで引用のことを語る
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「詩集ときたらバケツに何杯も読みました」
『あしながおじさん』で大学に入ったジュディ・アボットが新しい環境で浴びるように読書してそのうれしさを手紙に綴るところにこの一節があって
なんてすばらしいんだろうわたしももっともっともっと本が読みたいって小学生の4年も5年も6年もだいたいそう思って過ごしていた。
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シャーロック・ホームズの作品が魅力的なのはあらゆる推理小説の中でこれだけが青春小説だからだ。
たぶんなにかのパスティーシュ小説の後書きで見た。
新しいテレビシリーズはこの辺を抑えてるよな、と。
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黒人の少年がいて、運動神経抜群で体格も良くてスポーツはトップクラス。引く手あまたで選手を目指せばいくらでもいい学校への推薦が手に入る。
誰もがみな彼に推薦を受けて選手を目指せという。
でも彼は役者志望で、黒人で役者なんてオセロ役しかできないだろ、といわれてもひるまない。
友人がなぜスポーツ選手を目指さないのかと尋ねる。能力があってそれを認められて機会もあるのに、なぜわざわざ見通しのない道を目指すの?
彼は答える。
「そのほうが困難だから。」
英国の寄宿学校を舞台にした翻訳物のミステリ。タイトルも作者も失念した。
この少年のことをよく思い出す。
そして自分も同じことを自分に言うの。
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「ねえねえなんで特急は高いのに少しの間しか乗せてくれないの?」
はみだしっ子『奴らが消えた夜』のマックス
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「文句があるやつは外へ出ろ。僕は中から出て行かない。」
景山民夫の(これは確か)『普通の生活』の一節(たぶん)。
こんなこと言ってもそれがスマートに見えちゃう人だったんだ。その頃は。
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「忙しい時に書けない人は時間ができても書けない」的なことを誰か小説家の人が。
誰が言ったのかどこで読んだかも憶えてないけど壮絶に耳が痛い言葉だ