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電車内にてのことを語る

良く言えば荒俣宏風味の外見のおっさんは目の前の席に座って膝の上に週刊少年マガジンを広げているが、230ページで10分ほど停止していた。目を覚まして数ページ進んだのち、しおり代わりであろう、そのとき開いていたページの左上角を三角に折り返して綴じ、ビズネスバッグに収納した。ほどなく停止した駅で降りていった。

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始発駅で発車待ちの車両に乗ったら、テーシャツにタンパンのだらしなく眠った兄ちゃんの隣の席が空いていたので着席。傾いてくるかもしれないが、そのときは避けて倒れさせてあげると目が覚めて良いだろう。膝が傾いてきたので押し戻すが起きる気配はない。ただでさえ通路に足を投げ出しているのに(通路に立つ人はほとんどいないが)、ケツの位置がだんだん前方に移動し始め、ついに滑り落ちて私の膝に頭をぶつけた。さすがにいちど目を覚ましてやや申し訳なさそうな素振りをしつつ元の位置に戻るとまたすぐに寝る。少し経つと、手に持った分厚い財布を床に落としたが眠った…[全文を見る]

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母親と女児2名。母親と姉が左手にスタンディング。マルカワフーセンガム風の濃厚香料が香る。小学生であろう妹が隣の席に着座。酢飯を用いたファストフードを食い始めて香る。

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[車窓キーワード]

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ビヅネスマン風のおっちゃんと呼ぶには若く見える人物が吊革スタンディングで「性欲の研究 東京のエロ地理編」という本を読んでいる

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白髪混じりの坊主頭のおっさんが、明瞭な音漏れで、SMOOTH CRIMINALを繰り返し再生していた。

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中学生風のきみは肘張ってトゥウィートする前に背負った鞄を抱えるべきだろうなあ

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隣のおっさんのイヤーフォーンのコードが耳元で一回結ばれているのは音質向上に効果があるのかな

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押し合うがへしあうほどではない車内。
左隣のスタンディング電話機に夢中おっさんのかばんは肩掛け。かばんの上辺はマチ幅が10センチほど、側面はマチより1センチほど高いが、左右の角はマチがゆるやかな角を形作ってそのまま落ち込んでいる。
その上辺にボトル缶コーヒーが横倒しで置いてある。
あれは落ちないものなのか、あるいは落ちても気にしないのか。

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近隣駅始発電車の比較的空いた車内。右手に立っていたイヤフォーン装着で電話機に夢中のおっさんが、駅で停車してひと呼吸置いてから、慌てて網棚の荷物を掴んで飛び降りた。おっさんの荷物が網棚から降りるときに、わたくしの荷物を勢いよくかすめた。もう少し厚く当たっていたら訴訟ものだぜフフフと思っておっさんの行方を眺めていたら、ホームに降りたあと、左右を見渡して車内に戻ってきた。おっさんはいまわたくしの左手前方にいる。

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電話機に夢中のあまり駆け込み下車未遂のような姐さんの方をチラチラ見てクスクス笑い合っていた小娘2名だったが、次の駅でも降りない姐さんの様子に困惑している

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満員電車、ぎりぎり密着しない程度の混雑。
走行中の車両でスタンディングおっさんが厳かに缶ビールを開栓。これぞ南武線だ。

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着席できたのは良いが深く腰掛けると腰に貼ったカイロが熱い

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駅で停車すると同時に周囲に聞こえる大きさで「よし」と発するとともにシートから立ちがったおっさんは扉のほうを見てさきほどより小さく「くそっ」と言いながら扉に向かい、扉を素通りした。
そして隣のブロックのシートに座った。
おっさんは次の駅で降りた。

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隣の兄ちゃんはヤフー検索で「バキ ネタバレ」を検索している

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U296の袋を抱えて飛び乗ってきた隣の兄ちゃんはその袋をまわりにぶつけることにまったく躊躇がないらしい。それから画面ひびいりアイフォーンに夢中。

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最寄り駅から電車に乗るとき、マゼンタと白、ベタと細かい曲線をあしらった鮮やかなソフトカバー、B5以上の判型、たしかタイトルに「空」という漢字が入った書籍を抱えた男が降りてきた。
2駅乗って降りたとき、ホームのベンチにおそらく同じ本を持った男が座っていた。同一人物なら相当に素早い。別人ならよく売れた本だ。

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A4判くらいのボール紙を三つ折りにして、結果できた6つの面の少なくとも4面に、2×7センチくらいに切り抜いた短冊型の写真を3×3、9枚で配置したものを手に持った人物が、車内でニュース等を表示するモニターと手元の紙を交互に見ている。
写真の絵柄は2種類あって、いずれも女性(おそらく別人)が椅子に座っているのを正面斜め上から撮って全身を写したもの。カメラ目線。AさんとBさんの割合は3:1程度か。
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酔っぱらいが「肘張るな」と抗議に始まって因縁つけている。肘張った方は謝ったが酔っぱらいは因縁を止めない。第三者の兄ちゃんが仲裁に入る。因縁つけられた方はこれ幸いと無視を決め込む。酔っぱらいは相手が欲しくて兄ちゃんに話しかける。兄ちゃんは実に如才ない。酔っぱらい喜ぶ。因縁つけられた相手は途中下車。酔っぱらいが冷やかす。兄ちゃんがたしなめる。南武線は地獄だ。

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やや若い女「綺麗なスニーカーの履き方をしていますね」
初老の男「??」
女「何の仕事されているんですか、お名刺ください」
男「??ふつうの靴ですが??名刺持っていませんが??」
女「仕事何しているんですか?ふつうはそんなに綺麗に履けませんよ、お名刺ください」
男「そういうときは自分から名刺出すものでしょう」
女「今日休みなんですよねー、あったかなー、あ、こんなのがありました」
(勤務先の紹介や互いの利用駅の探り合いが続くが中略、3この間3駅8分)
女「じゃあここで降ります」
男「じゃあ私も降りるのでもう少し話しましょう」
女「じゃあそうしましょう」
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