「火花」につづき作家・又吉直樹は本物だ、と思わせた「劇場」
しかし、この人が描く主人公なり準主役たちはいつもどこか内なる狂気を秘めている
そういう人間をあたかも普通の人のように見せる、この小説家の力は何なのだろう
お笑い芸人とか脚本家とか、どこか作者とリンクする主役は、どうしても彼を連想させる
まぁ実際、こんな人がいたら怖くてしょうがないけれども
「劇場」の登場人物で一番の危険人物は語り手である「僕」だと思われる
読んでいると、こんな人間からはよ逃れな、と「僕」の恋人であるヒロインに言葉をかけたくて仕方なくなるけれど
それでもハッピーエンドを望まずにいられない
そんな結末はあり得ない、と最初からわかっているのに
これは悲恋かもしれないけれども、「僕」もその彼女も、恋とか結婚とかの前にまず、才能というものを求めつづけて、それに振り回されて、という点でも悲劇である
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2017年の読書を振り返るのことを語る
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「火花」
買って損はしなかった。
再読ばかりで新しく読んだ本はほとんどない1年だった…
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遅ればせながら乾石智子に出会ってしまった一年であった。
オーリエラントのシリーズ、魔道師の数だけ魔術があるというのがとてもよい。何かしらキュンとくる魔法があります。
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ああ!モモちゃんシリーズ6冊!
ムーミン谷の彗星も読んだよ!
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なんとか読みかけの「男子の本懐」(城山三郎)を読み終えて、読了0冊という悲劇は避けねば…
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今年読んだ本から約十選
春日武彦『臨床の詩学』
臼井隆一郎『アウシュビッツのコーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』
石原 千秋、小森 陽一『漱石激読』
高野秀行『イスラム飲酒紀行』
いとうせいこう『存在しない小説』
久生十蘭『魔都』
岩下 明裕 『入門 国境学 - 領土、主権、イデオロギー 』
今村夏子『こちらあみ子』『星の子』『あひる』
東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』
吉川凪『京城のダダ、東京のダダ』
大岡昇平『事件』
こんな感じかしらん。今村夏子はあまりのおもしろさにびっくり。今年一番のびっくりでした。吉川凪『京城のダダ、東京のダダ』は映画化されてほしい。
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<人物叢書・大正天皇>
○日光の大正天皇のために建てられた旧田母沢御用邸へ9月に行って、なぜ日光におおきな御用邸があるのかが気になって読んだ
○明治天皇の子は夭折することが多く、男子で生き残ったのは大正天皇だけ。幼少時に髄膜炎等にかかり健康優良児ではなく、中退した学習院でも問題児であった(身分が身分なので叱って良いのか迷った末に叱り飛ばすなど試行錯誤があった模様)。しかし熱海をはじめとして各地を転地療養するうちに健康は回復しつつあった。田母沢御用邸が建てられたのもその延長線上。漢詩については才能をみせたものの、学習院を出ていないこと…[全文を見る]
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ざっくり言うと突然ポアロさんのシリーズを立て続けに読み始めた。何故かは自分でもよくわからない。
昼休みにお弁当を食べ終わった残り時間とか、どっかしらのカフェ(概ねドトール)等、ちょっとした喧噪のなかで読むのに個人的にとてもいい塩梅。
そこで【今直問】なのだけど、今日から3が日まで図書館お休みだというのに借りていた『メソポタミヤの殺人』を読み終えてしまった。仕事はじめからの二日間深刻なポアロ切れが予測される。
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<頑張って読んだ>
「他流試合 兜太・せいこうの新俳句鑑賞」金子兜太/いとうせいこう
一冊読み切って、ようやく一つだけ「あぁ!!」って思うところを見つけられた
がんばった
「夏目漱石を読みなおす」小森陽一
難しかったけど、面白かった
取り上げられている作品や論文を読みたいと思ったけれど、まぁ、無理と思う
あと歳時記
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<小説部門>
=大賞「流」東山彰良=
流れは、時間とか歴史とか家族とか自分とか、いろいろあるんだと思うけれど、作者のほとばしる思いというか、奔流みたいなものを感じました
=次点「パーマネント神喜劇」万城目学=
作品ごとに何かを変えてくる作家さんですが、今作も面白かったです
いろいろな思いがあるんだろうなぁという、人間というか個人としての気持ちに触れる部分もあった気がします
数年遅れくらいで読んだ「スクラップアンドビルド」羽田圭介がよかった
「成功者K」買ったのに読んでいなくて、ごめんなさい
「室町無頼」は、活劇っていうかんじで、室町ブームにタイムリーな印象
「夜行」は、いろいろいろいろ思うところはあって、個人的には「あぁ…!」って、もうその一点でいいと思うところもあるんだけど、総合的には60点と言ってもいいと思う