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読了のことを語る

若竹七海『殺人鬼がもう一人』

ISBN:4334912613
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改竄やねつ造が常態化した警察で、もはや正義だとか公正だとかそのようなものとは無関係な日々を送る主人公がせっせと小金を貯め込む。ただ、主人公の働きにより、事実は明らかになっていくから、そこだけは救い。主人公が「あなたが何をしているか、知っている」と言う度に犯人達は顔色を変えたり、その事実と引き換えの何かを明け渡したり、それぞれに反応を見せる。事実に重みがあるという点だけが救いといえば救い。でも本を閉じたとき「あれ?」となって、もう一回最初から読み直してしまった。二回読んで、やっぱり「あれ?」というのは解消されなかった。現実なみの気持ち悪さ。