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読了のことを語る

『新しい名字 ナポリの物語2』エレナ・フェッランテ(著) 飯田亮介(訳) 早川書房

isbn:4152097639
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読みながら非常にいらいらと嫌な気分にされ、しばしば中断したのは、延々と続く、十代特有の狭苦しい視界での恋愛話、と、ろくでもない厚顔無恥な男どものせいだと思ってたのだけど、むろんそれだけではなかった。
後半にいくにしたがってはっきりしていくのだけど、彼女(たち)の言動や考え方の底に潜んでいる、文化資本と教養に対する抜きようのないコンプレックス、それはわたしも同様に抱えてしばしば足をとられているものだ。まるで自分の、ものによってはいまだ笑うこともできず黒歴史にすらし損ねている部分を直撃するような青春記だった。
そしてまたもや、本当に最後の一文でものすごい引きを見せて終わっとる! 前巻もそうだったけど、たぶんこれ原文では、最後の一文どころか、最後の一単語で強烈に引いて終わらせてるんじゃなかろうか。ほんと、最後の最後に頭ひっぱたかれるような衝撃的展開にして終わるのよ。
悪魔め。