(承前)
結局、かつて人々は「バカなこと」を言うときと言うのはそれが何者にも権威づけされえず、せいぜい身の回り数メートル以内で承認され得るに過ぎないことを知っていて、それが何者かに権威づけられることでメディアで流通する言説と相対化されることで、「ああ、オレはバカなことを考えるのでせいいっぱいなんだなぁ」って思っていたことが、どんなに愚かな言説であっても、場合によっては愚かであればあるほど顔を把握できる人数の何十倍もの承認され得ることを知ってしまった。
あるいは多くの人々にとっては承認され得ることと真実性のあることの間に差がないのかもしれず、その峻別の普及と言うのはひとつ重要な戦線なんかもしれん。