id:dadako
読了のことを語る

『ナチス・ドイツの有機農業 「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』 藤原辰史 (柏書房)
・ナチスが侵略した地に移植しようとしたのは、「民」だけでなく「景観」、なぜなら、ドイツ的景観は彼らにとっての「人間」育成に欠かせないものだから。彼らが「本来の」景観とするものに含まれない存在は、虫でも人間でも平等に駆逐する、それが彼らにとっての生命空間での平等。
・エリート=都市の人間の考える農業政策と、農民の現実とのずれ。土地を譲渡することができない(故に土地担保に借金ができない)・長男以外への分割相続が許されない法律(帝国世襲農場法)制定とか。農民の効率や経済よりも人格や自然との調和などの精神性に傾いた、あえて言うなら都市生活者の頭の中の農業に発する農法の重視。
・農民とか国民である資格に、社会的に好ましい人格かどうかなんて恣意的な文章が入ってる法律がいっぱいあるんだぜ。わかってたことでもやっぱりショッキング。