フェルメール 『絵画芸術』
月桂樹の冠を被り、ラッパを持つ女性は、歴史の女神を
あらわしているという。 そこから、この 後ろ姿で描かれた画家も、
歴史画家であると解釈できる、と。
月桂樹は勝利の栄光のしるし、そしてその勝利を讃えるラッパ。
画家が 絵の中のキャンバスに描いているのも 月桂樹。
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美の巨人たちのことを語る
美の巨人たちのことを語る
フェルメール 『絵画芸術』
壁にかけられた古い地図は、オランダ独立以前の
ネーデルラントの地図を 忠実に描いている。
ハプスブルク家(カトリック)の支配から独立したオランダと、
ネーデルラントとの境界を、地図のしわで
表したのではないか、という。
シャンデリアには、ハプスブルク家の紋章、双頭の鷲。
そのシャンデリアに あかりをともさないことで、
ハプスブルク家の没落を表したのではないか、ということだ。
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フェルメール 『絵画芸術』
注文を受けて描いたものではなかった この作品。
フェルメール本人だと言われる 絵の中の画家が着ている服は、
15世紀ブルゴーニュ地方の民族衣装なのだという。
つまり、フェルメールの生きた時代より前のものだ。
しかし、床のタイルは、フェルメールが生きた当時のオランダで
流行した デルフト・タイル(フェルメールはデルフト出身)。
自らのアトリエを ”ただ” 描いた訳ではなかった。
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今週は ヨハネス・フェルメール(1632-75)です。
今日の一枚は、『絵画芸術』(1666-67 頃)。
『画家のアトリエ』 と 呼ばれることもある。
ウィーン美術史美術館 所蔵で、フェルメール作品としては
比較的大きな作品。
様々な寓意を込めたこの作品を、画家は 生涯手放さなかった。
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20年間に渡って、直線と、
決められた6色のみの絵画を 描き続けたという。
アトリエも、自らの作品を写し取ったかのような部屋にし、
作品に使わない緑色は許せない、と、
造花の葉を 白に塗りつぶした。
芸術は宗教でもある、と語ったモンドリアン。
彼は、「絵画の修道僧」 と呼ばれた。
ヨーロッパよりもアメリカで彼の絵は売れ、
72歳で亡くなった彼が初めて個展をひらいたのは、
70歳の時だったという。
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「普遍」 を求めたモンドリアン。
線と色とに すべてを集約し、
”目の前にあるものを描く” という絵画の方法から脱却した。
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今週はピエト・モンドリアンです。
今日の一枚は、『赤、黄、青と 黒のコンポジション』(1921)です。
オランダ、ハーグ市立美術館所蔵。
イブ・サンローランは かつて ”モンドリアン・ルック” を発表し、
同じオランダ出身の絵本作家ディック・ブルーナの作品には、
明らかにモンドリアン作品の影響が。
抽象をつきつめた画家。
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当時 絵画の世界で革命的な作品を発表していたカラバッジョの
影響を、ベルニーニは受けていたのではないか、という。
劇的な瞬間をつくりあげたいという志向も共通している。
今日の作品、『福者ルドヴィカ・アルベルトーニ』(1671-74)を
彫った時、ベルニーニは すでに70歳を超えていた。
それでも、その想像力が衰えることはなかった。
そしてつくりあげた、まるで生身の人間の、波打つ衣の、
その柔らかさまでをも 持つかのような、大理石の彫刻を。
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17世紀に登場した バイオリンという道具(小さく深い穴を
あけることのできる彫刻用具)を使いこなすことに、
ベルニーニは 非常に優れていたという。
それによって、より複雑な造形をつくりだすことができた。
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1598年、ナポリに生まれたベルニーニ。父も彫刻家だった。
ローマ教皇からの仕事を受けた父について、ローマにやってくる。
十代半ばで作ったと言われる作品で、すでにその才能の片鱗を
見せていた(誰もが 古代の作品だと思ったという)。
ベルニーニの作品は、奇跡的なまでに 「石の硬さ」 を感じさせない。
腕をつかむ指が、その皮膚をおさえつけ、腕にくいこむさま、
皮膚が 指におさえつけられた、その状態までをも 表現する。
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今週は、彫刻家ジャン・ロレンツォ・ベルニーニです。
今日の作品は 『福者ルドヴィカ・アルベルトーニ』(1671-74)。
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会におさめられている彫刻。
大理石であることが信じられないような、波打つ布の流れ。
今にも命尽きようとしている、まさにその一瞬の、ルドヴィカ・アルベルトーニを捉える。
「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにある」
とまで言われた、奇跡の彫刻家。
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絵画警察 女性上司 : 「ティツィアーノのポジションはFWにして!」
理由 : ちゃんと決める男だから!
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絵の中のふたりの女性と 観る者との間に、”視線の循環” が起こる。
互いに 見て、見られている。
その中心に、水の中から 赤いバラを掬い取るキューピッドがいる。
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この絵の ふたりの女性が座る石の棺のレリーフには、
ヴィーナスの最愛の男アドニスが、嫉妬に燃えた軍神マルスに
笞打たれる姿が 描きこまれている。
結婚の祝いとして描かれたこの絵が、新婦の複雑な事情、つまり
父(絞首刑)と夫を殺された、そのかたきと再婚する という事情を、
画家が示したのではないか、というのである。
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16世紀の価値観では、裸体のほう(この絵では右側)が、
すべてを明らかにする姿での ”聖なる愛”=神への愛 を表し、
着衣のほう(この絵では左側)が、現実世界での ”俗なる愛” を
表す、という考えだったという。
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今日は、おなじみの ”絵画警察” が案内する回。
画家たちで サッカーのポジションを考えていたのが 面白かった。
カラバッジョは レッドカードもらいそう、とか。
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今週は ティツィアーノ・ヴェチェリオです。
今日の一枚は 『聖なる愛と俗なる愛』(1514)。
ローマ市内のボルゲーゼ美術館所蔵。
19世紀、ロスチャイルド家が この作品を買いたいと提示した金額は、
この美術館の建物と所蔵品のすべてを 合わせた額を 上回っていたという。
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来週は 久しぶりの絵画作品。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作 『聖なる愛と俗なる愛』 です。
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マト龍馬! かわいいいい!!!!
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治外法権って何かと日本に不利ばっかりのイメージだけど、
おかげでグラバー家にいれば志士たちが守られた面もあるんだね