「おや?なんだか体がすっきりしたぞ?それになんだかいい匂い。ここはどこかな?」
「気がついたかい。いまアイロンをかけおえるからね。もう少しお待ち」
「あれ!汚れがないぞ!」
「そうとも。ごらん、もうすっかり皺もないよ。さあできあがり」
「ばんざーい!ぼくはきれいになったんだ!ありがとう、ありがとうおばさん!」
と、脳内で上着にアテレコをいれながらアイロンかけをすることで、自分を慰めた午後だった。
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「おや?なんだか体がすっきりしたぞ?それになんだかいい匂い。ここはどこかな?」
「気がついたかい。いまアイロンをかけおえるからね。もう少しお待ち」
「あれ!汚れがないぞ!」
「そうとも。ごらん、もうすっかり皺もないよ。さあできあがり」
「ばんざーい!ぼくはきれいになったんだ!ありがとう、ありがとうおばさん!」
と、脳内で上着にアテレコをいれながらアイロンかけをすることで、自分を慰めた午後だった。
ワイシャツがぎりぎりの枚数しかない。買いに行こうといいながらそのままになっている。
「部分洗いとか手洗いとかしなくていいんだよ。洗濯機で洗ってほしておいてくれれば」
と、もちおがいうので、
「じゃあもう何も考えずに洗濯機へゴーだ!」
ともちおの仕事用の上着を洗ったが、干そうと思ってみてみたら
「洗濯機?いや、僕はたったいま帰ってきたばかりさ」
というどうしようもない汚れ具合だった。
みかねて重曹と漂白剤を熱湯でまぜて歯ブラシでこすった。
さらに固形石鹸をなすったスイス土産の科学たわしでガシガシこすった。
みちがえるようにきれいになった。
しかしもちおは100%この功績に気づかないだろう。
孤独な勝利であった。
そう、それです!
この話がなぜかお高くとまったキツツキと地味な鳥の話がセットで思い出されたのですが、
謎が解けてすっきりしました。ありがとうございます。
何を言っても言ったことと反対のことをする息子を持った父親が、
「死んだら山に墓を建ててもらいたいが、それを話せば息子は川に墓を建てるだろう」
と思い、息子を枕元に呼び寄せて
「死んだら川に墓を建てろ。けして山には建てちゃならんぞ」
と話したんだけど、父を亡くした息子は涙ながらに心を改め、川に墓を建てちゃって、
雨が降るたび父の墓が流されるんじゃないかと気が気じゃなくて
「おっとう! おっとう!」と叫びながら畑から飛んでいく羽目になって、
それが何とか言う鳥になったんだよ。
っていう昔話があったな。なんていう話だったかな。
と思いながら、にわか雨が降るたびダッシュで洗濯ものを取り込み、止んだら干している。