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「首里の馬」高山羽根子

第135回芥川賞受賞作

※ネタバレ注意

いやあ、なんていうか、読後感が良いです。生きる希望が、ふつふつと、からだの奥から沸いてくるような、そんな感じがします。
とちゅうで、
主人公の女性は、これからどうやって生きていくの?
と心配になったりするのですが、
そんな不安も何のその
吹き飛ばしてしまうような、
そういう力強さを、この物語は秘めています。

そしてなにより、とてもていねいにつくられています。
作者は、以前授賞した、若竹千佐子さんや石井遊佳さんと同じ根本昌夫さんの小説講座に通っていたというだけあって、構成が見…[全文を見る]

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村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
前から読みたかったんだが昨日夕方買ってきて半日で一気に読んでしまった
文庫にしては厚い方だったが引き込まれて
え?そこで終わるの?どうなるか気になる
しかし、これは恋愛小説じゃないから、そこが重要なんじゃなくて主人公が過去、自分に起きたことの謎を解明する、その過程が大切なんだな
「自分が見たいものを見るのではなく、見なくてはならないものを見るのよ。」
と主人公の恋人は言うが、それがキーワード
結局すべてが解明されるわけではないが彼を変えてしまったトラウマの理由を探る自分再生の旅
い…[全文を見る]

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羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」
言わずと知れた芥川賞受賞作、今更ながら漸く読み終えた
私事ですが読み始めた当初は介護に携わる身だったので辛くて読み進められなかったのですが今はすんなり入ってきました
はらはらしたけれど「こんなに痛くてつらい思いをするならしんだほうが良か」が口癖の祖父に過剰な介護をすることでその手伝いをする主人公、実際、祖父が危ないとあわてて病院に連れてゆく
「祖父が苦しみながらしぬのは本望ではない」と言って
ままならぬ就職、打算的な恋愛(というか性欲処理)しかし主人公は結婚したくないわけではない、その葛藤
ラストがハッピーエンドなのかアンハッピーなのかは受け手によるだろう

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「火花」又吉直樹
冒頭の一文からひきこまれた
彼の言葉はわたしにひびく。なんというか言葉の選び方が心地好いのだ。合っているのだと思う。わたしは村上春樹の小説も筋がどうとかよりまず箴言として好きなのだが、それに近い
選評にあったとおり確かに冗長かも知れないが、なにこれちゃんと純文学の匂いするじゃん。おもいっきりハードル上げて読んだのに面白かったからびっくりだよ
中盤の「東京には、全員他人の夜がある。」という一文。「かっけー」って思わず声に出して叫んじゃったよ。いや東京じゃなくてもあるかも知れないけれどね。又吉(または主人公)は大阪出身…[全文を見る]