自己との対話なくして吐き出された言葉は、他人だけでなく、自身をも傷つける“凶器”となる。人間には面倒くさいことはコロリと忘れ、楽なほうへと流れていく性がある。手間のかかる自己内対話が完全に忘れ去られ、“凶器”だけが氾濫する世の中になりはしないかと、心配なのだ。
不毛なつぶやきは自分への“凶器”に変わる(4/4ページ)
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「言いたいことを言うこと、言うべきことを言うことこそが、『書くこと』の第一義だったはずだ。完成度? 作品世界? イメージ? アイデア? ――たかがショーセツじゃねーか」
ラファティ『イースターワインに到着』の解説より抜粋
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「リアリズムの小説にはリアリズムの文法が、ファンタジーにはファンタジーの文法があり、どんなに不可解に見える小説でも読み進むにしたがってその文法に慣れてしまえば理解することはむずかしくない。(中略)ところが、ラファティの作品の文法ときたらメモ用紙になぐり書きしただけの粗末なものに見える。(中略)それにもかかわらずというべきなのか、それゆえにというべきなのか、読者であるぼくたちは最初から最後まで新鮮な気持ちで、そこがまるで見知らぬ場所であるように感じつづけてしまうのだ」
高橋源一郎『文学王』 (角川文庫)より中略して抜粋
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あわわわわっ。
「実はそうなんです~☆」ってニッコリ微笑んで言ってみても遅いでしゅね。
C'est grand dommage! (残念至極!)
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florentineさんがノルマンディーの小さな村の教員だった祖父に読み書きを教わったのかと思ったYO!
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「わたしは、ノルマンディーの小さな村の教員だった祖父に読み書きを教わった。……口数の少ない人で、軽はずみなことはけっして言わない人だったと記憶している。その人が夏休みのある日、とてもまじめな顔でわたしにこう言った。「人に笑われること(リディキュール)を恐れていたら、人生でおもしろいことは何もできないぞ』……そもそも恥をかくこと(リディキュール)が怖くて、映画など撮れるだろうか。恥を恐れることは、そのつど一歩後退することである」
レミ・ウォーターハウス『リディキュール』訳者あとがきから。
フランス語版の映画宣伝用小冊子にパトリス・ルコントが寄せた言葉だそうです。
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「昔ですと、まえがきというものはふつう、男性の学究が自分の妻に、タイプを打ってくれた、子どもがじゃましないよう遠ざけておいてくれた、などと感謝して終わったものでした。でも今はそんな男女役割分担の時代ではないので、私は夫のゲリーに、面倒なワード・プロセッシングを手伝ってくれたこと、締切時間が迫ったときには臨時のベビー・シッターをつとめてくれたことに、感謝したいと思います。とは申しましても、そういう謝辞の裏側にあるものは、いつの時代でも同じです。つまり著者が本当に感謝しているのは、自分に寄せられた信頼(それが著者に自信をよびおこします)と、具体的な手助けを引き受けてくれる愛情なのです」
ロザリンド・ウィリアムズ『地下世界 イメージの変容・表象・寓意』(平凡社)より
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「空さむみ花にまがへてちる雪に(清少納言)」
「すこし春ある心地こそすれ(藤原公任)」
「枕草子」より。
無粋ですが。
下の句が先によまれてるってことで。
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「この国では、悪徳は取るに足らないことだが、物笑い(リディキュール)の種になれば殺されるということを肝に銘じておくように」
__ギーヌ公
レミ・ウォーターハウス『リディキュール』より
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「気の利いた言葉が思いつけば、死ぬのさえ途中で止めることができるだろう」
――ヴォルテール
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「笑いもの(リディキュール)になるくらいなら剣で刺されたほうがましだ」
--某プロヴァンス伯
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鵜飼 哲 『応答する力 来るべき言葉たちへ』
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B1%FE%C5%FA%A4%B9%A4%EB%CE%CF
「そしてもうひとつ、ジュネとドゥルーズの傷をめぐる思考には、キリスト教文化を背景にしてはじめて理解される部分がある。キリスト教はすぐれて傷の宗教である。政治的か否かを問わず、傷、受難、告白、謝罪、改悛、和解、赦しをめぐる言説には否応なくキリスト教の影が射す。それはもはや影響というレベルのことではない。受難と贖い、あるいはむしろ受難による贖いというキリスト教思想の世界化を前提に、別文化、別の時代のなかで、別の戦争に…[全文を見る]
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「美には傷以外の起源はない。どんな人もおのれのうちに保持し保存している傷、独異な、人によって異なる、隠れた、あるいは眼に見える傷、その人が世界を離れたくなったとき、短い、だが深い孤独にふけるためにそこへと退却する傷以外には」
ジャン・ジュネ『アルベルト・ジャコメッティのアトリエ』
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『同じ時のなかで』 スーザン・ソンタグ 著
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001997#
言葉たちの良心――エルサレム賞受賞スピーチ
「私たち作家は、言葉に心を砕く。言葉は意味をもち、言葉は指し示す。言葉は矢である。現実を覆う肌理の粗い皮膜に突き刺さった矢だ」
「作家の第一の責務は、意見をもつことではなく、真実を語ること……、そして嘘や誤った情報の共犯者になるのを拒絶することだ。文学は、単純化された声に対抗するニュアンスと矛盾の住処である。作家の職務は、精神を荒廃させる人やものごとを人々が容易に信じてしまう、その傾向を阻止…[全文を見る]
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『同じ時のなかで』 スーザン・ソンタグ 著
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001997#
「まえがき」から勝手に引用。
「ぎりぎり可能な線まで踏みとどまって、道義について猛り狂う自分をなだめて生きてきた作家たちを、私は数多く知っている。彼らには少なくともこういう幻想があった。作品は自分より長く生きるだろう。また、遺族も長生きして、彼らの残り時間は思い出に忠実でいてくれるだろうという幻想。母はそういう作家の一人で、自分の想像のなかで、片目だけは後世の世代に照準を合わせて書いていた。加えて言えば、彼女は消滅に対する純正な…[全文を見る]
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「自分自身を憎むことはそう思われているよりもたやすい。自分を忘れることは、聖寵である。しかし、もしわたしたちのうちで傲慢そのものが死に絶えるとすれば、そのばあい、このうえもない聖寵とは、自分自身をイエズス・キリストの悩める肢体のどれでもいいひとつとして、つつましく愛することではあるまいか?」
ベルナノス『田舎司祭の日記』
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「確かに、日本では、様々な年中行事が混在しているが、伝統的なイベントは家族向けであるのに対し、クリスマスやバレンタインなど、恋人向けのイベントは、キリスト教絡み、あるいはヨーロッパ的なものだ。」
五十嵐太郎『結婚式教会の誕生』春秋社、2007、p28。
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「ルール4 ― いずれの引用にあっても、著者と典拠(印刷されたものであれ、肉筆のものであれ)がはっきりそれと分かるようでなければならない。
ウンベルト・エーコ『論文作法』
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「たとえばある人々は贅沢を楽しみ、残りの人々は飢えかけているという場合ですら、それはパレート最適でありうる。その際飢える人々が状態を改善するには、富める人々の快楽をいささかも損なうことのない限りにおいて行なわれなければならない。ローマが燃え落ちるのを防げば、皇帝ネロの機嫌を悪化したろう。ならばネロがローマを燃やすままに委せることがパレート最適であったといえよう。つまり、社会や経済はパレート最適であり、かつ、まったく唾棄すべきものであるということも起こり得るのだ」
「精度の観点からも思考の枠組みという観点からも、不純な方法が重用であるといえそうである。純粋さはオリーブ油や海の空気や民話のヒロインにとっては明らかに美徳であるが、集合的選択の方法にとってはそうではない、という信念を、この本で割いたかなりの紙幅が表している」
アマルティア・セン『集合的選択と社会的厚生』
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興味を持たれたのなら原著をぜひ
「疲れすぎて眠れぬ夜のために」もおすすめです
/勝手に引用