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Tips:横着して自分に楽な書き方をすると、第三者には「何について」言っているのか分かりにくい文章になるよ。
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いかなる政治的主張も含まないこの小説は、それにもかかわらず、陸軍省報道部の忌諱に触れて発禁処分を受け、私家版の頒布さえ禁じられた。おそらく検閲官は『細雪』の全篇の行間から流れ出る「日本における『よきもの』はことごとく不可逆的な滅びのプロセスのうちにある。だから私たちの最優先の仕事はそれを哀惜することである」という谷崎の揺るぎない作家的確信に、一種の恐怖を感じたのだろうと思う。この耽美的な書物のうちに黒々とした「日本の未来に対する絶望」を感知した検閲官の「文学的感受性」に対して私は一抹の敬意を示してもよい。

内田樹 新装版『細雪』解説(角川文庫)
http://blog.tatsuru.com/2016/12/16_1143.php

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「悩んだ時は筋トレってアホか? 一時的に気分はスッキリするかもしれないけど悩みの根源は断てない」って思うじゃないですか? 違うんですよ。ほとんどの悩みは根源なんてない気分的な問題なんですよ。

「筋トレが最強のソリューションである」Testosterone (著)

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"「マウスから作った『AIM』(腎機能を改善するタンパク質)を投与するための動物薬の実用化に向けて、臨床研究を始めています。我々は三年後の実用化を目指しています。予防的にも腎臓が悪くなる五歳くらいからワクチンのように年に一回くらい定期で『AIM』を打つようになれば健康でいられると思います。今までの平均寿命が十五歳だから、これからは二十五年くらい生きる猫が増えるでしょう」
ニャンとも希望に満ちた話ではないか。"

猫の寿命が10年延びる東大研究チームの画期的論文~週刊文春11月24号

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室井滋&西加奈子(関西弁)の朗読を聴いたのがきっかけで読んでみたよ\(^o^)/

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筋子なぞを、平気でたべる人の気が知れない。牡蠣の貝殻。かぼちゃの皮。砂利道。虫食った葉。とさか。胡麻。絞り染。蛸の脚。茶殻。蝦。蜂の巣。苺。蟻。蓮の実。蠅。うろこ。みんな、きらい。ふり仮名も、きらい。小さい仮名は、虱みたい。グミの実、桑の実、どっちもきらい。お月さまの拡大写真を見て、吐きそうになったことがあります。

皮膚と心 Kindle版
太宰 治

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サンドイッチの一番よく見える側面に具を見栄え良く挟んだだけで、反対側から開いてみると中身が見当たらない作り方を開発した企業は、その発想がいかに民の期待に応えていないか一回でいいので実際に食している姿を見にきてほしい。

壇蜜日記 (文春文庫)

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本来、自分の時間は自分のためにある。何をするかは自由なはずだ。しかし、ブログを書くことが日常になると、ついブログに書けることを生活の中に探してしまう。人が驚くようなものを探している。写真に撮って人に見せられるものを見つけようとしている。たとえば、1年かけてじっくりと考えるようなもの、10年かけなければ作れないようなもの、そういった大問題や大作ではなく、今日1日で成果が現れるような手近な行為を選択するようになるのだ。知らず知らず、ブログに書きやすい毎日を過ごすことになる。これは、「支配」以外のなにものでもない。人の目を気にし、日々のレポートに追われるあまり、自分の可能性を小さくする危険がある。

自由をつくる 自在に生きる (集英社新書) by 森博嗣

これはハイクにおいての自分にも若干当てはまるような。

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隠居「隣の空き地にある塀が囲いに変わったことは知っているかい」
熊「それは何かこう、平均的じゃない話題であるような気がしますね」

「柄谷行人」村上春樹

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質問者「◯◯と◯◯(※ブランド名)どっちの服がオススメですか?」
蛭子能収「舟券が入れやすいポケットがついている〇〇がオススメです。」

散髪屋さんにあった雑誌「ポパイ」より

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博覧会は当世である。イルミネーションはもっとも当世である。驚ろかんとしてここにあつまる者は皆当世的の男と女である。ただあっと云って、当世的に生存の自覚を強くするためである。御互に御互の顔を見て、御互の世は当世だと黙契して、自己の勢力を多数と認識したる後家に帰って安眠するためである。
「虞美人草」夏目漱石

森永西洋菓子製造所(後の森永製菓)の名前の入った博覧会案内図
東京府勧業博覧会(明治40年 3月20日~7月31日)

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家の若人らが用もない時刻に、退いて本を読んでいたのもまたその同じ片隅であった。 彼らは追い追いに家長も知らぬことを、知りまたは考えるようになってきて、心の小座敷もまた小さく別れたのである。

「明治大正史世相篇」柳田國男

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装幀の事は今迄専門家にばかり依頼してゐたのだが、今度はふとした動機から自分で遣つて見る気になつて、箱、表紙、見返し、扉及び奥附の模様及び題字、朱印、検印ともに、悉く自分で考案して自分で描いた。
夏目漱石 『心』自序

岩波書店の出版活動として処女出版となった、夏目漱石の『こころ』(1914年)

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手摺の所へ来て、隣に見える東洋第一エレヴェーターと云う看板を眺めていた。この昇降器は普通のように、家の下層から上層に通じているのとは違って、地面から岩山の頂まで物数奇(ものずき)な人間を引き上げる仕掛であった。所にも似ず無風流な装置には違ないが、浅草にもまだない新しさが、昨日から自分の注意を惹いていた。
「行人」夏目漱石

漱石も昇った日本初の鉄骨エレベーター(和歌浦)

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夫婦が高柳君と顔を見合せた時、夫婦共「これは」と思った。高柳君が夫婦と顔を見合せた時、同じく「これは」と思った。  世の中は「これは」と思った時、引き返せぬものである。高柳君は蹌踉として進んでくる。夫婦の胸にはっときざした「これは」は、すぐと愛の光りに姿をかくす。 「やあ、よく来てくれた。あまり遅いから、どうしたかと思って心配していたところだった」偽りもない事実である。ただ「これは」と思った事だけを略したまでである。 「早く来ようと思ったが、つい用があって……」これも事実である。けれどもやはり「これは」が略されている。人間の交際にはいつでも「これは」が略される。

「野分」夏目漱石

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僕がこんなくだくだしい事を物珍らしそうに報道したら、叔父さんは物数奇だと云って定めし苦笑なさるでしょう。しかしこれは旅行の御蔭で僕が改良した証拠なのです。僕は自由な空気と共に往来する事を始めて覚えたのです。こんなつまらない話を一々書く面倒を厭わなくなったのも、つまりは考えずに観るからではないでしょうか。考えずに観るのが、今の僕には一番薬だと思います。

「彼岸過迄」夏目漱石

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元来探偵なるものは世間の表面から底へ潜る社会の潜水夫のようなものだから、これほど人間の不思議を攫んだ職業はたんとあるまい。それに彼らの立場は、ただ他の暗黒面を観察するだけで、自分と堕落してかかる危険性を帯びる必要がないから、なおの事都合がいいには相違ないが、いかんせんその目的がすでに罪悪の暴露にあるのだから、あらかじめ人を陥れようとする成心の上に打ち立てられた職業である。そんな人の悪い事は自分にはできない。自分はただ人間の研究者否人間の異常なる機関が暗い闇夜に運転する有様を、驚嘆の念をもって眺めていたい。――こういうのが敬太郎の主意であった。
(彼岸過迄 夏目漱石)
江戸川乱歩、夢野久作らの作品に連なる萌芽のようなものが見受けられる一節

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金閣寺に放火した犯人が「美に対する嫉妬」と言ったり、「見物にくる人間への反感」と言ったという新聞記事の報道は、犯人がそのとき、そう言ったという事実を伝えているかも知れないが、犯人の本当の心がそれにつくされていると考えるのは速断にすぎるであろう。犯人というものが本当の心を言わないという事ではなく、人間というものが、真実を語ろうと努力している時ですらも、表現が思うようにできなくて、頭の中にあることと相当ヒラキがあるような、自分にとっても甚だ空疎でヘタな説明しかできなかったりしがちなものである。

坂口安吾
我が人生観(五)国宝焼亡結構論

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リドリー・スコットの映画の中で、マイケル・ダグラスがソニータワーの円形のエレベーターから外を見ている場面があった。そのとき彼が見ていた「心斎橋」はほとんど渡る人のいない陸橋だった。十年ほど前に真下に地下街ができたときに解体され、その欄干の一部だけが飾りとして横断歩道の途中に設置されて残っている。

「その街の今は」 柴崎 友香(2009年)

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「一切の音楽がクラウドのような方法でタダになったら、逆に、きっとお金を払って自分のところに置いときたいと思う人が出てくるんじゃないか? この前、そんなふうに考えたんです。ただ、現実には、シェアするのがヘタになっているような気もしていて……。やっぱりミュージシャンをやってると、権利の問題ってすごく面倒くさいし。いったい僕らの何を守ってるんだろう?って、ミュージシャンの側からもわからなくなることって、たくさんありますよね。“僕の曲でよければ、どんどんサンプリングして新しいもの作ってよ”って僕は思うし……いや、それでほんとにひどいもの作ったら『やめてよ』って言うけど(笑)、いいものを編み直してもらえるんだったら、うれしいし。だけど今はそういうところに“俺の作ったものだから金よこせ”っていう気持ちが乗りすぎてるような気がして……フェアじゃないっていうか」

後藤正文

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トキはかつてはありふれた鳥で、田畑の作物を荒らすとして忌み嫌われ、乱獲の対象となった。ところが佐渡島にわずかに数十羽が生息するだけになると突然、その優雅な姿がひとびとのこころを捉え、二〇〇三年に最後の日本産トキが死亡すると国じゅうが悲しみに包まれた。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 by 橘玲

たるさん情報によるとオオサンショウウオは逆パターンになる恐れがありますね。