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超短編のことを語る

リーリッルー短篇セレクション 第四回 

はじまり      by リーリッルー(id:lilliloo

 

 会社からの帰り道、川べりの鉄塔に鈴成りの神々がぶら下がっていて、「忘れたか」と囁きかけてきた。振りむくと、置き去りにされた凧だった。鞠のような牛のような生物が、子供のころよく遊んだ文化会館の屋根にしゃがみこんで、「無くしたか」と書かれたプラカードを掲げていた。それは遠くにあるガスタンクのようにもみえた。
 それはそれとして、ふと目に入った地平線。子供のころから気になっていたけれど、端のほうがめくれかけている。昔は背が届かなかった…[全文を見る]

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リーリッルー短篇セレクション 第三回 

宵闇のガリレオ     by リーリッルー(id:lilliloo

 いつのまにかこの列車に乗っていた。産まれた時から乗っていたのかもしれない。ただ、気づかなかっただけで。
 うっすらと西日が差しこみ、けれど視野のほとんどは群青の宵闇に満たされている。列車の乗客はみな個人個人の時間をすごしていて、互いのそれが交わることはない。ゴーストのように半透明な乗客たちの時間が隣接したとき、ぽぅとほの白い灯りが生まれ、揺らめいては消えていく。
 車窓から眺める風景は嫌いだ。地平まで赤と黄のかざぐるまが埋まり、…[全文を見る]

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超短編のことを語る

リーリッルー短篇セレクション 第二回 

Loli & Popby      by リーリッルー(id:lilliloo

 ボンネット、パニエ、プリンセスワンピース、おでこ靴。全身をBABY,THE STARS SHINE BRIGHTのロリータファッションで飾りたて、キミはボクの前に立っている。
「――ねェ、さわってもいいのよ」
 そう云って笑ったキミだけれど、一体キミはどこにいるんだろう? 触れてみるとコットンはふかふかと沈みこみ、シルクのリボンに足をとられてボクはつるつると滑っていく。どれだけ探しまわっても、キミの中にキミの姿がみつからない。
「――だって仕方ないじゃない…[全文を見る]

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わにの夢

 オフィス街で一番高いビルの屋上に巨大な恐竜の卵があって、人々はそれを見上げながら日々の生活を営んでいるのだった。
 例えば行き詰まった会議の最中だとか、ミスの責任を押しつけようとする電話を怒りながら切ったときだとか、出退勤時に重い身体を引きずって歩くときだとかでも、ふとビルの屋上でまだら色をした卵が今にも転げ落ちそうな様子をみていると、なぜだか奇妙な安心感を覚えるのだ。
 ある専門家が云う。
「この卵は生きていて、厚い殻の中にはタイノレックスが息づいていて、そうしていつの日か孵るのだ」
 今日も吹く風は緑に薫り、花…[全文を見る]

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うさのことを語る

id:lillilooさん。

もしもまだ連絡がつくようだったらお願いがあるんですけど・・・