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Tips:プロレスラーは、ヒンズースクワットといって、最終的には三千回やってもらいます。最初は五十回で結構です。
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『ハイン 地の果ての祭典 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死』アン・チャップマン・著/大川豪司・訳

失われた文化の本だと知っていたのに、セルクナムの神話体系とその演劇・儀式表現の魅力に引き込まれ、最後に彼らが滅んでしまう段はつらいものがあった。セルクナムの壮大な男と女の騙し合いに基づく神話は、レオ・フロベニウスがアフリカで現地の吟遊詩人たちから採取した物語集『ブラック・デカメロン』を彷彿とさせる。かつて女が社会を支配していたというのはもしやアマゾネスで、セルクナムの先祖は彼女らの支配地から逃れてパタゴニアに辿り着いたのでは、などといろいろ想像するが、それを確かめる方法はもはや永遠に失われてしまった。

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雑誌「ケトル」黒柳徹子特集面白かった。ところでこの「アニマルパーリン」って「アニマルパーソン」の誤植?

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『黄金のプラハから来たイエズス会士』読了。ナチスとソ連により祖国から追われ、様々な偶然により戦後直後の日本に赴任、神父の業務に学生指導、研究者としての論文発表に、復興期の大学運営に学生運動、上智大図書館建設などの困難をくぐり抜けた経験、そして神と人と死の関係などが語られる。祖国チェコで出版されたものを神父自身の提案で、日本側著者と日本向けに整理し、追加改訂してある。上智大時代、正しいことをはっきり言うので「泣く子も黙るアルムブルスター」と言われた真理追及者らしい。話し言葉・書き言葉ともに日本人よりもエレガントと言われる日本語も読み応えがある。

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『垂直の記憶 岩と雪の7章』山野井泰史、ヤマケイ文庫

なんというか、山野井泰史・妙子夫妻は、一般人とは人種が猿人と原人レベルで違うな、と読んでいると圧倒される。

「僕は初めてのヒマラヤ登山で、八◯◯◯メートルの頂に立てた幸せな人間になったのだ。この場所が僕には天国のように感じてしまった。
『ポーズをとるから記念写真を撮ってくれ』
『暖かいね、寝ていきたい』
『そんなに疲れなかったね』
三人ともまるで日本の山にでもいるように、勝手なことを言いながら、この時間を楽しんでいた。
(略)
僕達三人は頂から少し下り、風の当たらない場所に行き、少…[全文を見る]

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『凍』沢木耕太郎、新潮文庫

山野井泰史は偉人だが、妙子はその上を行く超人だと改めて思う再読。彼女が持病がなく、高所でもばりばり食べていたら、世界の壁の登攀史はどうなっていただろう。そんなことを考える。そしてそんな夫妻の世界をここまで書いた沢木耕太郎もすごい。リアリティーとユーモアに、ページをめくる手が止まらない。

「同じ病院に小指を詰めた暴力団員が入院していた。あまり痛い、痛いと大騒ぎをするので、看護師が言ったという。『小指の一本くらいでなんです。女性病棟には手足十八本の指を詰めても泣き言を言わない人がいますよ』」

もちろん凍傷でね。

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『外道クライマー』宮城公博

漫☆画太郎作品を読むときのように笑い、映画『エベレスト 3D』を見るときのようにゾーッとする、そして『ルパン三世 カリオストロの城』での空中でのルパンや地下や水中でのルパンを強烈に思い起こさせる一冊だが、「魂を揺さぶられる」なんていう形容詞はこの作品には使えない。

そんな紋切型では紹介できないバカさ下品さ、そして真剣さで彩られた沢ヤの生活が、モノクロの紋切型を弾き飛ばすくらいにカラフルすぎるからだ。

高野秀行とルパン三世、未来少年コナン好きには特におすすめしたい。

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昨日、仕事から帰ったら届いてた♪ メリークリスマス!

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『パパは楽しい躁うつ病』北杜夫、斎藤由香、新潮文庫

躁病が4年に一度に、そしてうつ病期間のほうだけが残る、というのは
父がまさにそうだなあと思っていたら「72や90でも躁病が再発することがある」
とあって冷や汗。そして、「チョジュツギョウ」が嫌で由香さんが泣いたり、
躁病時の株の売買とか、自分の家と似たエピソードが多くて爆笑・苦笑。

うちは「コッカコウムイン」と言われて「大学の先生じゃなかったのか?」と疑問に思い、
躁状態のときにフランスに電話して(通常は国内っていうかとにかく電話自体がキライ)、
シャンベルタンを1ダース個人輸入して冬のボーナス1回が飛んだりした。

しかし、親子の生活が楽しげなだけに、文庫版に際して寄稿された「父との最後の散歩」での
医療過誤による北杜夫の死とその誤魔化しが悲しい。
リアルタイムでこの件は誌上で読んでいたけれど、やっぱり悲しいのだ。