他の人も私と同じかどうか知らないが、とにかく私は「美」を長時間熟考することはできない。「エンディミオン」の第一行目を書いた時のキーツほど虚偽の陳述をした詩人はいまいと私には思える。美しい物が私に美的感覚の魔法をかけてくると、私の心はすばやく他へそれてしまう。景色や絵に幾時間も恍惚として見とれることができると言う人の言葉は、どうも疑わしいものだ。美は恍惚境である。それは空腹と同じくらい単純なものだ。特に云々することは何もない。バラの香りのようなものだ。人はその香りをかぐことができる。それだけのことだ。だからこそ、芸術の批評という…[全文を見る]
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私たちのうちで最も勇気がある者でも、自分が本当は*知って*いることを認める勇気を、めったに持っていない。
(『ニーチェからの贈りもの ストレスに悩むあなたに』清水本裕訳、ウルズラ・ミヒェルス・ヴェンツ編)
※けさのことば、として新聞に載ってたもの。
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以下、再掲です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・http://h.hatena.ne.jp/florentine/9234099945426207836
「私たちは死んでいくものの疲労については想像が及ぶが、そのはてしない消耗には、読む側の消耗なしにはつきあっていけない。
しかし、マイノリティとしての死者の発信する言葉とは、消耗の言語に他ならないのではないか」
「私たちはいつのまにか死者は静かに死んでいくものだと思いこむようになっている。しかし、これは生きているマジョリティの独断と偏見にすぎないのではないだろうか。マイノリティの言葉を遮断して生きていこうという衛…[全文を見る]
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Jean Genet · Violence et brutalité
http://etoilerouge.chez-alice.fr/docrevinter/allemagne9.html
『公然たる敵』(月曜社)の「暴力と蛮行」の原文。
まだ原文全部ちゃんとは読んでなくて最初と最後のパラグラフのみ確認というチョーいい加減であやしいチェックですが(をいをいっw)、翻訳の冒頭の一文を読むだけで何というか、凄まじく真理ついちゃってるジュネの本領が発揮されまくってると思われたのでご紹介。
「ジャーナリストたちは目くらましさながら次から次へと言葉を撒き散らすばかりで、それらの言葉を意識のなかでじっくりと萌芽させていくことに…[全文を見る]
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おい、地震のダボ
耳の穴ほじくって
よう聞けよ
ワシら阪神間の人間はなあ
みんなこう思とんや
地震のダボなんかに
負けてたまるかじゃ
しばきかえしたるってな
きっちりしばきかえしたるでって思とんや
ワシとこのオヤジかってそう思とる
ワシとこのお母んかってそう思とる
もうちゃんかってそう思とる
比早子かってそう思とる
聡かってそう思とる
地震で天国行った夙川のばあちゃんかって
そう思とる
地震で天国行った深江のおおきい叔母ちゃんかって
そう思とる
六甲アイランドの店こわれた今津君かって
そう思とる
芦屋のマッシーかってそう思とる
赤塚かってそう思とる…[全文を見る]
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何度でも、なんどでも、再掲するよ!
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『同じ時のなかで』 スーザン・ソンタグ 著
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001997#
言葉たちの良心――エルサレム賞受賞スピーチ
「私たち作家は、言葉に心を砕く。言葉は意味をもち、言葉は指し示す。言葉は矢である。現実を覆う肌理の粗い皮膜に突き刺さった矢だ」
「作家の第一の責務は、意見をもつことではなく、真実を語ること……、そして嘘や誤った情報の共犯者になるのを拒絶することだ。文学は、単純化された声に対抗するニュアンスと矛盾の住処である。作家の職務…[全文を見る]
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なんとかここまで書きあげて、
いま、キャラクターデザインを志す人に言葉をかけるとしたら、
「自分の大好きなものを描こう」ということ。
「好きなものしか、すてきに描けない」。これだけは断言できます。
ただし「好きなものと得意なものは、必ずしも一致しない」と認識することも必要です。
あせらずに経験を積みながら、自分の「好きなもの」と「得意なもの」が
結びつくところをみつけられると、自然に道が開けていくように思います。
坂崎千春 『イラストのこと、キャラクターデザインのこと。』
- -------- これって キャラクターデザインのことだけではないなあ
生きることすべてに かかわるような・・・と思いました
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報道によると、生活保護受給者が暴力団の資金源として利用されるケースが増えているとか。
(中略)
「もっとよく調べろ」と役所を責めるのは簡単。だが、福祉担当者の激務を思えば、これ以上多くを求めるのは酷だ。性善説に立つ福祉は悪用には弱い。最も責められるべきは悪用している人間。ここを見誤ってはならないと思う。 (2011年2月28日付け東京新聞25面、本音のコラム『貧困ビジネス』宮子あずさ)
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医師は深く息をつき、模範的な落ち着きをもって言ったーー
「全部話してください」。
そこで侯爵は話したーー司教のもとへの訪問、祈りたいという衝動、盲目的な決断、不眠の一夜。それは、自分の心を甘やかすことなく、すべての秘密を包み隠さずさらした旧キリスト教徒の降伏宣言だった。
「神の命令だったと確信しています」と彼は最後に言った。
「つまり、信仰をとりもどされたということですね」とアブレヌンシオは言った。
「人はけっして、完全に信仰を失いはしないんです」と侯爵は答えた。「いつでもかすかな疑いが残っているんです」。
アブレヌンシオにもそれは理解できた。神を信じなくなると、それまで信仰のあった場所に消しがたい傷痕が残り、それが信仰を完全に忘れることを妨げることになる、と彼もずっと考えてきたのだった。 (pp.93-94、『愛その他の悪霊について』 G・ガルシア=マルケス)
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うい、まだーむ☆
この女性はまさに理想と呼ぶに相応しく、もっとも美しい日本女性といって過言ではないと思います。
この絵、ほんとにほんとに大好きです!
なんども見にいってます。
憧憬のため息とともに背筋が伸びます。
『高野聖』の女性(にょしょう)は複雑な性格を与えられた稀有な存在で、
この女性のように凛とした一面も確かに持っていると感じます。
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「優しいなかに強みのある、気軽に見えても何処にか落着のある、馴々しくて犯し易からぬ品の可い、如何なることにもいざとなれば驚くに足らぬという身に応のあるといったような風の婦人」
泉鏡花『高野聖』より
これ、 初めて読んだミドルティーンのときからずっと、わたしの「理想の女(ひと)」(日本版)だったりする。
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「あなたは私を幸福にしてくれました。誰もあなたほどそれをうまくやることはできなかったでしょう。どうか、私の言葉をしんじてください」――ヴァージニア・ウルフ
それを知るひとにとってはあまりにも知られすぎた言葉のように思うので書き手の名を秘そうと考えたりしたが、いちお。
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さらに思い出すのは、ある日ひとりの婦人が私の面前で、ちょうどはめていた青空の色をした驚くべき手袋の片方を、「シュルレアリスム本部」への贈り物にしたらどうかと、誰かから一見たわむれに勧められたときのことだ、その申し出を彼女が聞き入れようとするのを見て、私は恐怖にとらえられ、どうかそんなことはしないでほしいとくりかえし哀願したのだった。あのとき、あの手袋が永遠にあの手をはなれてしまうのだと考えたことのなかには、何かしら私にとって、すさまじいまでに、すばらしいまでに決定的なものがあったのかもしれない。
アンドレ・ブルトン『ナジャ』巌谷国士訳(白水社版)
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髑髏のこと、など
http://www.gendaishicho.co.jp/news/n1912.html
「アステカの謎めいたオブジェである水晶でできた髑髏を偏愛していたらしい彫刻家のジャコメッティは、髑髏は物体のなかで最も生きているものに近いというようなことを言っていたが、それは髑髏には眼差しがあるからであるらしい。シャレコウベの眼窩はただの空洞であり、なにものかの不在のかたちである。徹底的な不在。不在のなかに穿たれた現前の跡ではなく、むしろ際限なく顕在化することしかできない不在。このなにもないところに強度の眼差しがあるのだ」
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西行ネタもありーの、カバラねたもありーの(この単語ふたつで「ゴーレム!」とぴんとキちゃうわたしw)、まいどまいど鈴木創士さんカッコイイです。
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問題は、テレンバッハがこうした性格像を含むうつ病全体の原因論を、自らの信奉するハイデガーの哲学用語をちりばめながら説明している点だけにあるのではない。むしろ彼自身が、このような特定の性格標識に「好ましい社会的価値」を付与している点にこそ問題がある。(中略)
たしかに「真面目、几帳面、仕事熱心、良心的」などの性格特徴は、わが国のような大量の仕事人間や過労死を生み出す社会では高く評価されやすいし、少なくともこれまでは事実そうであった。またテレンバッハをわが国に紹介した日本人精神医学者の一部も、この性格像を(とりわけ分裂気質に対比す…[全文を見る]
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発病した兵士たちのゆくえ
戦時振戦は、とりわけ東部戦線の前線兵士たちのあいだであたかも「伝染病が拡がるかのように」蔓延していた。このような拡大を防ぐため、できるかぎり速やかな隔離と強力な電気ショックによる治療が大学精神科医たち(とくにミュンヘン大学精神科教授ブムケ、同助手ミュコライら)によって強く主張された。むろんこうした症状が詐病であった場合には、「責任能力あり」として「転属」が言い渡された。
電気ショック両方によっても効果が見られないときには、無意識的な兵役拒否者とみなされ、治療の対象からはずされることもあった。一九四…[全文を見る]
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(前線に立つ精神科医)
(……)軍医の心得は「兵士の名誉心・義務心に訴えかけ戦闘意欲を可能な限り引き出す」こと、などの注意が記されている。
また、詐病(仮病)が判明した場合には、原則として「転属」が言い渡されることになっていた。ナチスは非合法的な殺人をカモフラージュするために、さまざまな隠語をもっていたが、「安楽死」「淘汰」「特別処置」などと並んで、この「転属」もまたその一つであった。「転属」とはすなわち死刑のことである。精神疾患の診断に際して「責任能力」を鑑定するという前述の精神科軍医の役割は、おもにこのような詐病を判別することに向けられていたのである。
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この世界には、唯一つの学芸があるだけであり、それは素描、もしよければ絵画と呼ぶべきもので、他の一切のものは、その源流から派生する支流のようなものである。注意深く考えてみると、人は誰しもこの世界を描きつつ、あるいは創造しつつあり、たとえば家屋を造る、耕作する、航海する、戦争するというような一切の操作や運動や行為は、すべて大きな意味における絵画であり、絵画こそその源流、他のすべてのものは、彫刻でも建築でも、ことごとくその源流から派生する支流のようなものである ――ミケランジェロ・ブォナローティ
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もうひとつ、それはアジアのセックスワーカー活動家と交流できたこと。今までも、日本のワーカー友達から伝え聞いてはいたけれど、実際に自分が現地にいって、彼らが「セックスワーカーの権利は人間の基本的権利だ!」と声高に宣言する姿は、やっぱり衝撃的でした。
――(中略)――
が、力をもらった反面、アジアのワーカー活動家が展開する動き、「我々に権利を!」そんな風なストレートで素直な主張は、日本では、一般にも、また風俗嬢にも、ぜんぜん受け入れられる土壌はないやろな、としみじみ。では、日本で環境を変えるとしたら、いったいどうしたら?また考え続けたいです。
タミヤリョウコ氏「こんなコトがバリ島で!?風俗嬢が体験した国際エイズ会議」より。
(『セックスの安心と安全を考える情報紙 SEX & SEXWORK 002』掲載)
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パスカル・キニャール『舌の先まで出かかった名前』
「メドゥーサについての小論」から。
「わたしは書きたいから書くのではない、習慣によって書くのでも、意思によって書くのでも、仕事だから書くのでもない。わたしは生き延びるために書いてきた。口を閉ざして語ることのできる唯一の方法だから書いてきた」
「個人的に言えば、わたしが書くことを通じて求めているのは失神状態だ。書いているさなかに、わたし自身によってわたし自身を反省的に把握するあらゆる意識から離脱できる可能性だ。自分が不在だった時に至るまで離脱することだ。わたしが生成した場所へと離脱することだ。それは竈だ。あるいは謎だ」
「つまりは死ぬために一心不乱になってさかのぼる源だ。(略)書くこと、それは産卵することだ。(略)それがあの泡だ。アフロディテだ」
「書く人は光源(イリュミナシオン)を求めている」
/勝手に引用