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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

うちのママと、おとなりのジムのママはなかよしで、だからわたしとジムも、なかがいいって思ってる。
めんどくさいから内緒にしてるけど、ジムとわたしはほんとはそんなになかよしじゃない。遊びたいこと読みたい本、気があったことはほとんどない。
ママたちは今年は、わたしにウェンディ、ジムにはピーターパンの仮装をさせるつもりで、服や靴や飾りやかつらを準備してる。
毎年ゆううつなハロウィンだけど、今年はすごく楽しみ。
ジムと約束したから。服をとりかえっこしようって。
ジムがウェンディ、わたしがピーターパン。
ママの引き出しから、口紅とティッシュをこっそり取ってくるの、忘れないようにしなきゃ。
早くハロウィン始まって、そんで、ずーっと終わらなきゃいいのに!

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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

【かぼちゃの馬車】

今年もお化けたちの祝宴がはじまる。年に1度の舞踏会。

「ちょっとシンデレラ、ドレスのファスナーあげてちょうだい。」
「はいはい。あら、おねーさま、目玉が腐り落ちましてよ。」
「シンデレラ、馬車の準備はできてるの。」
「こちらの馬車へどうぞ。」
「ちょっとカボチャくさいけど、いい馬車じゃない。」
「いってらっしゃいませ。…………極楽浄土へな。」

シンデレラが言うが早いか、かぼちゃの馬車は浮き上がり天に向かって進み始める。

「何!シンデレラっ、貴様だましたな。」
「ほほほ、罠だとも知らずに。かぼちゃの馬車に連れられて天に召されるがいいわ。」

「さあ王子様、もう邪魔者はいませんわ。」


「いや、あの、ぼく内臓が飛び出てる女性はちょっと……。」

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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

あんまりはりきりすぎて、作るのが早すぎちゃった。
初めて作ったパンプキンヘッドを、毎晩眠る前、カーテンの隙間からちらりとのぞく。
少しレンガを積んで、その上にカボチャをのっけた。作ったときは誇らしかった。初めてで、カボチャは少しいびつだったけど、そしてぼくの切り方もあんまりうまくなくて、顔はよく言えば個性的、わるく言えば妙にゆがんだ笑顔になった。
それでもなんとかしあがったカボチャ大王、ぼくはちょっと自慢に思っていたのだけれど。
ほんとにはりきりすぎた。早くにがんばりすぎた。
窓からのぞく大王は、日々、少しずつ形が崩れていってる。シ…[全文を見る]

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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

「HERO」
 
バス停のベンチに女の人が座っていた。何台もバスがやってきたが、その人は座ったままだった。ボクは気づいた。彼女は泣いている。
とたんにボクは彼女を助けてあげなければと思った。
今彼女の悲しみを知っているのは、世界中でボク一人だけ。
今彼女が必要なものを与えられるのは、世界中でボク一人だけ。
そして、今のボクならそれができる。
 
大人のくせに街中で泣くなんて思わなかった。涙がぼろぼろこぼれて止められない。鳴き声を漏らさないように口を閉じているのに精一杯で、立ち上がって歩くことさえできない。ただ誰にも気づかれないように下を向…[全文を見る]

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【トリック】
コンビニはもうハロウィン一色だ。
ハロウィン限定食玩のフィギアももうすぐコンプリートだが、まだ一つそろわない。そろそろ店頭から消える頃なのでまとめ買いしよう。
 
アパートに着くと、明らかに様子が変だ。自分の部屋で紺色のつなぎの人間が数人何かしている…あわてて部屋に戻ろうとするが、中からスーツ姿のおっさんが出てきて俺を止めた。
「ダメだよ勝手に入っちゃ。」
「僕の部屋で何やっているんですか!」
「君の部屋?中ちょっと覗いてみな」
言われて部屋をのぞいてみると女性がうつぶせに倒れているのが見えた。頭から赤黒いものがフローリン…[全文を見る]

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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

タイトル忘れてた。
つ【東西タッグ】

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時は18世紀頃。

ひとりの男の子がたたずんでいる。死んでから100年程たつだろうか。 もう自分の名前も忘れてしまった。
覚えているのはお腹をすかしていたことだけ。

ふと気づくと、茅ぶき家の前に居た。
ほかのお化けから逃げるうちに、だいぶ東方まで流されてしまったようだ。家の中から少年の声が聞こえる。

一郎 「あ、ナスに割り箸の足を指すなっつーの。」
次郎 「何が違うんだよ。」
一郎 「だから、こうやってカボチャで顔を作るんだよ。」
次郎 「つーかこれバテレンさんの祭じゃねーの。お前怒られるぞ。」

母 「ただいまー。」
一郎 「あ、おかえりな…[全文を見る]

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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

「訪問者」
 
「今日はお昼前にかわいいお客さんが来ますよ。」
朝の健康チェックに来た看護士が帰り際に言う。
「1階の保育園の子供たちがハロウィンの仮装して訪ねてくるんです。お菓子をあげてくださいね。」
老人ホーム、通所介護施設に保育園が同居するこの建物は、こうした催し物が多い。老女は手すりにつかまって玄関まで看護士を送るとテーブルに戻り、おなかがカゴになった折り鶴にお菓子を詰めはじめた。
 
弱々しいノックが聴こえた。玄関に10歳くらいの痩せた男の子が立っている。開襟シャツも半ズボンもすり切れて、片足だけ履いた下駄は泥だらけだ。老女は…[全文を見る]

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ハロウィン超短編まつり(>w<)2010のことを語る

【日本をもっとハロウィンにする方法】
 
「もしも私があなたより先に天国に召されても、毎年10月31日に、あなたの元に帰ってきます」
大切な恋人に、永遠の愛の証にハロウィン・リングを贈りましょう。
オレンジがかった特別な純金のリングの中央には、墓標を模した天然石がはめ込まれています。
その天然石の墓標に渡された繊細なチェーンには、別売りのチャームを好きなだけつけていただけます。
毎年チャームを付け足すことで、その年1年の愛を形にして、あなたの恋人に伝えましょう。
 
あなたはもう、恋人からハロウィン・リングを受け取りましたか?
まだ?
恋人の愛は本当に本物ですか?
 
9月中にご予約いただいたお客様には、提携ホテルのハロウィン特別仕様ルームを格安でご案内いたします。
エンゲージ、マリッジを超えた、永遠の誓いのリングを贈りあうのに相応しいロケーションを提供致します。

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【悪魔が来たりてかぼちゃ煮る】
小皿にサラダじゃなくてかぼちゃの煮物が出された。
「なにこれ」
「かぼちゃの煮もの」
いや、それは判るんです。さすがに。でも、唐突に出されたその料理にちょっとだけ戸惑いを隠しきれなかった。だって、カレーライスにかぼちゃの煮つけ?さては、俺をきいろに染める気か?
「ああ、ひょっとしてレタスよりかぼちゃが安かったの?」
「いや、ハロウィンだから」
そういわれて、カレンダーをみる。確かにハロウィンだよ。ちょっとだけ、頭の中で灰色の脳細胞が回転する。ああスーパーで、かぼちゃ+ハロウィンで、なにかしようと思いつい…[全文を見る]