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florentine(磯崎愛)のことを語る

ひとりごと

すごく久しぶりにデパート(柏)に来たのだけどディスプレイが垢抜けてなさすぎて涙出そう。ダメだよ、こんなんじゃ。貧しくなったんだなあ。ツラい。
看板とかフライヤーとかメニューその他全部そう。ツライ。いちおう可愛いかっこしてきたのに。

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 けっきょく熊本で暮らすことにした。
 歌仙の言葉に長谷部は目を丸くした。呼び出されたのは、大学のキャンパスだった。彼らはそこのベンチに腰かけて、互いを見ずに会話した。
 東京は僕にはいささか慌ただしくてね、あちらには立派なお城はあるし水も綺麗で食べ物も美味しいし、熊本に帰るよ。色々と面倒をかけたね。
 広光は、と掠れ声でたずねた。
 燭台切さんのところにしばらくいるらしいよ。アルバイト先が見つかったら部屋を探すって言ってたけれど、ああ、大学は卒業しろと言っておいた。潰しがきくし、僕たちも通ったところだしね…[全文を見る]

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 熊本に帰る。
 歌仙が突然そう言いだしたのはそれから数日後のことだった。
 光忠が、僕ここにいないほうがいい?邪魔? と尋ねた。歌仙は、べつにかまわないよと鷹揚に微笑んだ。
「俺も行く」
「そうだね。大学を卒業したらおいで」
 歌仙は穏やかな声でこたえた。
 そして、いちど俯いてから口にした。
「僕は長谷部と、君の叔父さんといちどちゃんと話し合いたい」
 ゆるしてくれるかい、と首をかしげられた。広光は、拙い独占欲を受け入れてくれた相手へと深くうなずいた。

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 声を聞かせろと懇願された。あいつには聞かれない。グラインダーをつかっても平気な防音設備がととのってる。
 そういう問題じゃないとこたえる声は不様だった。好いところはあらかたもう覚えられていた。いや、どこもかしこも感じすぎてつらかった。歌仙は昔付き合っていた女たちのことを思い出し、申し訳ないきもちになった。そうして歌仙の気がそがれると強いちからで引き摺り戻された。あいつを忘れるために俺を利用しろと唆しながら、広光は歌仙をゆるしているとはおもえない無遠慮さで何もかもを暴き立てて奪っていった。それでいい――歌仙は呻い…[全文を見る]

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 翌朝、頼みがある、と広光が頭をさげた。
 なんだいあらたまって、とたずねると、ホテルを出て自分の友人の家にいてくれと言われた。
 歌仙は眉を寄せたが、けっきょくはうなずいた。
 燭台切光忠という背の高い美丈夫の家に連れていかれた。家というよりそこはアトリエで、立体の作家だった。

 光忠は歌仙をみて、モデルになってもらいたいくらい美形だねえと目を細めると、気安く声をかけるなと広光が苦い声をあげた。それから、光忠、俺が帰るまでそいつを絶対に独りにさせるな。俺はとりあえず大学に行くと言って出ていった。
 昨夜のうちに大学…[全文を見る]

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 歌仙はホテルに腰を落ち着けた。しばらくはここにいるよと口にした歌仙の横顔を盗み見た。ひとりにしてやったほうがいいのかわからなかった。
 すると、ソファに座ったままの歌仙が声をかけた。
「君は、ご実家に戻るのかい」
「いや」
「それじゃどうするんだい」
 首をかしげた歌仙を見つめながら、俺は父親に似ていると広光はおもった。歌仙に、君は父親を殴り返さないくらいやさしいと指摘されて顔を背けたことがある。あのとき、やさしいわけじゃないと言い返しはしなかった。暴力と支配と愛情との境目がもう、広光にはわからない。歌仙に出逢うまで…[全文を見る]

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 長谷部が仕事に出たあとはたいていしばらく二人きりだった。歌仙は、編集者というのはたいてい寝坊助だよとわらった。午前中はソファに腰かけて本を読んでいた。
 小説を書かないのかと問うと、なんだか書けなくてねと苦笑した。
 地方の文学賞の選考委員賞というのをもらい、文芸誌に掲載はされたが本はまだ出ていないという。
 歌仙がつぶやいた。
 自殺した母親のことを書いたんだ。
 向かいに座っていた広光はひとみだけあげた。
 母親のむすめ時代のことをね。あまりにも距離がちかすぎて書けないかとおもったけど書いたらずいぶんと楽になった。あ…[全文を見る]

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 ホテルを引き払った歌仙は長谷部の家にとどまった。昼や夕方は編集者との打ち合わせや部屋探しで家をあけたけれど、夜には帰ってきて台所に立った。広光は半ば強制的にその横で手伝いをさせられた。
 君、怪我をして動けないわけでなく、大学生にもなって何もしないつもりか。こどもでも家の手伝いくらいするものさ。
 大上段に正論を述べられてしまっては返す言葉もない。いや、もともと広光の口数はけっして多くないのだ。
 歌仙兼定は文句の多いおとこだが、そのいっぽう褒め言葉をも惜しまなかった。おや、君は手際がいいねと微笑んだ。それを本人の前で言…[全文を見る]

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「怪我をしてるじゃないか……」
 歌仙が手を差し伸べると広光はそれを振り払った。お前、誰だと鋭く問う。先客がいるなら俺はいいと立ちあがった広光を引きとめたのは歌仙だ。君はここいいるといい、僕がホテルへ戻ればいいだけだ。ともかく中に入れと長谷部がうながした。先ほどまでの気分は霧散していた。
 大したことはないと言い張る広光の手当をし、風呂へ押し込み、それからすぐに歌仙につかまった。大倶利伽羅は甥にあたる、つまり長谷部の年の離れた姉のこどもだった。姉は夫の暴力に耐えかねて家を出てそれっきりであることも告げることになった。
 話す…[全文を見る]

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【十年後】

 その十年後――
 長谷部はある政治家の秘書におさまっていた。彼の学費その他の面倒を見てくれた黒田という男だった。
 その事務所に一本の電話がかかってきた。懐かしい声だった。
 国会議員秘書とは出世したね。東京に行く。住まいを探すつもりなので、ともかく一度会いたい。
 相手の都合を鑑みることのない歌仙兼定のものいいに長谷部はわらった。怒るものかとおもっていたが、ただただ笑えた。

 君、失礼だな。
 お前こそ。
 そうだね、すまない。

 少しも悪びれない声がいった。
 歌仙は小説家になっていた。父親の事業はそうそうに近親者…[全文を見る]

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『人生の短さについて知らなかったことの数々を』

【十年前】

――本当に、よくわらう男だとおもっていた。

「君、僕をよく見てるだろう?」

 四月も半ば過ぎた、風の強い日のことだ。
 長谷部国重に声をかけたのは、よくわらう男、歌仙兼定そのひとだった。
 珍しくひとりで、いつもの笑顔ではなく、射抜くように長谷部を見ていた。

 かれらは同じ大学の学生だ。
 長谷部は地元の名士が買い上げた寮住まいで、そのすぐ向かいのマンションに歌仙は独り暮らししていた。キャンパスの中でも外でも、歌仙はいつも華やかな集団の真ん中にいて、長谷部はときおりその姿…[全文を見る]

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ひとりごと

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西洋美術史のことを語る
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古典よむ部のことを語る
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『歓びの野は死の色す』つれづれのことを語る
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あやとりゆめむすびつづりかたのことを語る
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florentine(磯崎愛)のことを語る

ひとりごと

そういえばオルフェンズ見てるんですが、あれだ、あれ、えっと、流行のアニメだねええ、トミノ御大のGレコは正直ちょっと待てちょっと待て、いまどんだけの情報ちゃらっと流した、ああ!? ておもいながらコーフンして見たのだが、これはあれだ、納得してみてる。説明台詞が多いのが気になるのと、ちょっとシビアさが足らないような気がするけど(いや、大人ガンガン殺しまくるおこちゃまたちなんだけどさ)、阿頼耶識とかカッチョエエ名前もってくるあたりとか少年兵ネタなんかも完全に「いま」ぽいし、なるほどなあ、みたいな。

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ひとりごと

あと、マイナーカプらしいのですが、そもそもわからないのでなんとなくちゃぷちゃぷ遊んでるだけで楽しいし、一生に一度くらいのことかもなあ、と

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ひとりごとのことを語る

生まれてはじめて二次創作同人誌即売会に行き、自分で小説を書いたりもしてるんですが、昨夜めでたく推しカプのアンソロジーが5月に出ると知り、とても嬉しい(*^_^*)

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズのことを語る