かぐや姫 62 大伴御行大納言と龍の頸の玉
世間の人は、いいました。
「大伴の大納言さまは、龍の頸の玉をとってきたのかい」
「いや、玉などとってこない。それどころか、まなこに二つの李のような玉をつけて帰ってきたそうだよ」
「ああ、その李は、食べることができない」といったことから、世間の道理に合わない、常識はずれのことを「あな、堪えがた」というようになりました。

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かぐや姫 62 大伴御行大納言と龍の頸の玉
世間の人は、いいました。
「大伴の大納言さまは、龍の頸の玉をとってきたのかい」
「いや、玉などとってこない。それどころか、まなこに二つの李のような玉をつけて帰ってきたそうだよ」
「ああ、その李は、食べることができない」といったことから、世間の道理に合わない、常識はずれのことを「あな、堪えがた」というようになりました。
かぐや姫 61 大伴御行大納言と龍の頸の玉
大悪党のかぐや姫は、わしやわしの家来たちを殺そうとして、こんな難題をだしたのだ。今後は、かぐや姫の家へは近寄らない。おまえたちも、あのあたりを歩いてはならぬ」と。
大納言は、屋敷に残っていた財産を、帰ってきた家来たちに与えました。
大納言のうわさを聞いた元の奥方たちは、腹をかかえて笑いました。きれいな糸を使ってふかせた屋根は、鳶や烏が巣を作るために、全部くわえて持っていってしまいました。
おはようございます。
空は、薄い白い雲と青空が半々。
晴。
六時の気温、マイナス3・8度。 現在、マイナス5度。
信州南部、今朝も冷えました。
今日の最高気温は、5度とか。
少しでも暖かな一日でありますように。
かぐや姫 60 大伴御行大納言と龍の頸の玉
すると、大納言が起き上がり、いいました。
「おまえたち、龍の頸の玉など持ってこなくて、本当によかった。龍は、恐ろしい雷と同じ仲間だった。龍の頸の玉をとろうとして、わしのおおぜいの家来が、殺されかけたのだ。もしわしが、龍をつかまえていたら、龍に殺されていただろう。おまえたちが、龍をつかまえないでいてくれてほっとした。
かぐや姫 59 大伴御行大納言と龍の頸の玉
そのうわさをどこで聞いたのか、家来たちが次々に帰ってきました。
「龍の頸の玉をとることができなかったので、屋敷に帰ることができませんでした。でも、今は、龍の頸の玉をとることは困難なことだと、大納言さまもわかっただろうと思います。なんのおとがめもないだろうと思い、帰ってきました」
家来たちは、口々にいいました。
おはようございます。
空は、いろいろな形の白や灰色の雲と青空が半々。
晴。
六時の気温、マイナス2・6度。 現在、マイナス1度。
肌寒い信州の朝。
今日の最高気温は、4度とか。
肌寒い一日になりそうだ。
暖かな一日でありますように。
かぐや姫 58 大伴御行大納言と龍の頸の玉
松原にむしろをしき、大納言に船からおりるようにいいました。
大納言は、やっとのことで起き上がりました。
大納言は、重い風邪にかかった人のように、腹がぽっこりと膨らみ、両目はすももをつけたようになっていました。
その様子をみた国司は、にやにやしています。
大納言は、国府に命令して手輿を作らせ、うめきながら家に帰りました。
三十分位前に、「おはよう」をメール投稿したが、まだ表示されない。
どうしたのだろう。
かぐや姫 57 大伴御行大納言と龍の頸の玉
三四日、順風が吹き、船を陸地につけることができました。
船頭が浜をみると、そこは播磨の明石の海岸でした。
大納言は、南海の浜に吹き寄せられたのだろうと思い、しょんぼりしています。
一緒に船に乗っていた家来が、国府に告げると、国司の播磨の守が、見舞いにきました。
大納言は起き上がることもできず、船底に寝ています。
ばら
かぐや姫 56 大伴御行大納言と龍の頸の玉
大納言は、立ったり座ったりして、千回位神様に祈りました。
祈りがきいたのか、やっと雷が鳴りやみました。
でも、まだ強い風が吹いています。
「やはり、龍のしわざだったのだ。今吹いている風は、よい方向に向かって吹いている」
大納言は、船頭のことばも、耳にはいらぬようでした。
6時の気温 マイナス1.8度。
8時の気温 マイナス1.7度。
10時の気温 マイナス1.4度。
12時の気温 0.1度。
13時の気温 マイナス 0.6度。
信州南部。
肌寒い一日でした。
かぐや姫 55 大伴御行大納言と龍の頸の玉
「わしは、神様ではないので、何もできません。強い風が吹き、波が荒く、その上雷まで・・・。これは、ただごとではありません。あなたが、龍を探し殺そうと思っているから、こんなことになっているのです。龍が怒っているのですよ。早く神様に祈ってください」
「神様、どうかわしの話を聞いてください。わしは、かぐや姫が望んだ龍の頸についている玉が欲しくて、龍を探し殺そうとしました。もうそんな恐ろしいことはしません。神様、どうか許してください」
おはようございます。
空一面、灰色の雲。
薄日。
六時の気温、マイナス1・8度。 現在、マイナス1・7度。
肌寒い信州の朝。
今日の最高気温は、2度とか。
肌寒い一日になりそうだ。
少しでも暖かな一日でありますように。
かぐや姫 54 大伴御行大納言と龍の頸の玉
すると、船頭が。
「長い間、このあたりを船で通っているが、こんないやな目にあったことは一度もない。船が沈まなければ、雷が落ちるだろう。神様の助けがあれば、南の海に漂着できると思うが。あなたを船に乗せたばかりに、こんなことになってしまうなんて・・・」
船頭は、泣きだしました。
「船に乗ったら、船頭だけを信頼するものだ。それなのに・・・なぜ頼りないことをいうのか」
船酔いのため、大納言は口から物をはきながらいいました。
四時前から、雪が降り出しました。
現在は、うっすらと積もっています。
信州南部。
かぐや姫 53 大伴御行大納言と龍の頸の玉
「わしの弓の実力なら、龍がいたら、さっと殺して、頸の玉をとる。もう家来たちが持ってくる玉など、あてにしない」
大納言は、二人の家来と船に乗って、龍の頸の玉を探しに行きました。
あちらこちらの海をまわるうちに、筑紫の海にたどりつきました。
ところが・・・。
どうしたことか、疾風が吹き出し、あたり一面、真っ暗に。
どこにいるのかもわからず、何度も船が沈みそうになりました。
その上、雷もごろごろとなりだし、ぴかっと稲光も。
「今まで、こんな苦しい目にあったことは一度もない。どうなってしまうのか」
ばら
かぐや姫 52 大伴御行大納言と龍の頸の玉
「大伴大納言さまの家来が、ここから出航し、龍を殺して、龍の頸の玉を手に入れたといううわさを聞いたことがあるか、聞いてこい」と。
すると・・・。
「ふしぎな話ですなー。そんな仕事をしている船などありませんよ」
船長たちが、笑いながらいいました。
その話を聞いた大納言は、
「臆病な船長たちだ。わしの実力を知らないから、そんなことをいうのだ」と、腹をたてました。
おはようございます。
空一面、灰色の雲。
薄日。
六時の気温、マイナス1度。 現在、1度。
いつもより暖かな信州の朝。
明日からまた寒くなるみたい。
日中は、暖かくなるのだろうか。