常日頃祖母に霊障を祓ってもらっているはてこ妹。
「おばあちゃまにもしものことがあったら、その先こういうことは誰に尋ねたらいいですか、って聞いたことがあるよ。伯母子が受け継いでるから伯母子に連絡なさいって言われたよ」
「伯母子さん、大丈夫なのか」
「まあ、あの人おもしろいよね。笑わせるつもりないんだろうけど」
・おもしろいかどうかは基準にならないんじゃないか
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常日頃祖母に霊障を祓ってもらっているはてこ妹。
「おばあちゃまにもしものことがあったら、その先こういうことは誰に尋ねたらいいですか、って聞いたことがあるよ。伯母子が受け継いでるから伯母子に連絡なさいって言われたよ」
「伯母子さん、大丈夫なのか」
「まあ、あの人おもしろいよね。笑わせるつもりないんだろうけど」
・おもしろいかどうかは基準にならないんじゃないか
伯母が、亡くなった伯父のことで祖母に電話してくる。
「伯父郎が伯母子にいろいろ話しかけて来るんですって。そして『霊界に来てからはこうして姉さんと話すのがいちばん楽しい』って言うんですって。でも私には話しかけてこないのよ」
「へぇ。」
「それで伯母子が電話してきてね、『伯父郎がこう言ってたけど、母さん本当かしら?』って言うから聞いてみると『本当です』って出るのよ」
「へぇ。」
「でも伯父郎は私には話しかけて来ないの。私にはそういう声は聞こえないのよね。あの子は声が聞こえるのよ」
・祖母も長年誰かと会話してる感があるけど、それは別扱いなのか
・伯母は、大丈夫なのか
霊能者歴60年の祖母100歳。
オカルト現象が頻発するはてこ実家離れについて。
「なんでもないのよ。『なんの障りもありません』って出てるわ」
「でも誰もいないときに重い引き戸が開いたりするんですよ」
「それは前世の因縁を個人が持っているからなの」
「わたしと夫と甥太郎が別々に確認したんですよ」
「大丈夫。『障りありません』って出てるわ」
横から叔母が口を挟む。
「はてこ、この家もね、しょっちゅうビシッ!って音がするのよ。ね?あなた」
「そうそう。すごく大きな音でビシッ!って鳴るよ」
同意する叔父。
「ええ、霊が来てるときはね、音がするのよ」
うなずく祖母。
「えー、でも障りないんだ」
「そうよ」
「障りとは何か」
思わず口に出して言ってしまった。
紀寿を迎えた祖母に電話。
「おばあちゃまはここ20年お声が変わらなくて驚かされます。張りのあるいいお声で。何かお歌をなさっていたんですか?」
「いいえ、ちっとも。歌はさっぱりダメなの。バスツアーなんかで端からマイクを回されるでしょう、おばあちゃまはあれもお断りさせていただくのよ。だけどお経は出てくるの。小さいときから」
千里眼祖母の読経アンチエイジング効果。
深夜2時過ぎにブログを書いていたら
「プププ プププ トゥルルルルル」
と、どこかで電話がかかる音がした。
(あれ?誰が電話かけてるの?お隣?そんな音聴こえる壁だったっけ?)
と思ったら、目の前の充電ケースに刺さってるスマホが光ってた。
スマホ、勝手に電話かけてた。
慌てて切ろうと電話をとったら、すでにかかった先の友だちが出ていた。
「スマホが勝手に・・・」
と事情を話して平謝りしたけど、しばらく信じてくれなかった。
知人の車検代車が、キーを差していないのに無人でいきなりエンジンがかかったことがあった。
スマホは走らないだけましだと思った。
実母が遭遇する怪奇現象が日常的過ぎてコメントしづらい。
「ホンっとに頭に来るのよ。こないだもそこに、見たことのない定規が落ちてたの」
製薬会社のロゴが入っており、病院向けのノベルティだと言うことがわかった。
「このマンションの前の持ち主が婦長さんだったから、その人のなのよ」
おかしくないじゃん。…ん?
「どこにあったって?」
「だからそこよ、はてこが今座ってる床のところ」
「入居するときに一度空にしたんだよね?」
「当たり前じゃない。業者さんも入ったし、毎日その辺お掃除してるわよ」
床は何の変哲もないむき出しのフローリングであった。
母方の親族は体調不良時、霊能者の祖母に電話をかけて霊能パワーでいなしてもらう習慣がある。
「前世で身分が低いと大したことないんですって。身分が高いと色々な怨みを買ってしまうから」
「…ってこないだ実母が言ってたよ」
と、妹に言ったら
「あたし、『ルーマニア全土の人が頼って来てる』って言われたことある。『懺悔なさい』って言われた」
チャウシェスク系か。
幻魔対戦系母方祖母に会いに行こうと妹から電話。
「『おばあちゃま百まで寿命いただいてるから』って言ってたけど、今年3月で百歳だよ」
カウントダウンが始まるのか。
「電話してみた。4月に温かくなったらいらっしゃいって。『まだ寿命いただいてるから大丈夫よ』って」
残高確認できるのか。
「おばあちゃま、『雲がかかる』って言って、ときどき具合が悪くなるじゃない?知ってる?」
「ああ、あれでしょ、インドかどっかの高僧が能力を奪いに来てるんでしょ?」
「そうそう。あれ『おばあちゃまが滝行をしていたときに、同じくらい能力のあるお坊さんが来てね。おばあちゃまの力を取ろうとしたの。だからおばあちゃま、エイって跳ね返したの』って前に言っててさ」
「そんな詳しい話があったのか」
「『幻魔対戦か』って思ったって言ったら、お兄ちゃんも『俺もそう思った』って言ってた」
今年百歳になる幻魔対戦系おばあちゃまから
「はてこもおばあちゃまくらいの年齢になったらそうなりますって霊が言ってるわ」
と言われた10歳の夏の日が忘れられません。
前世が見えるとか霊感があるという人、それを生業にしている人に会ったことがない。
こういうのはご縁だから探して行くものでもないと思っている。
しかし、会わないな。
似たような感じの人にはときどき会うけど、空想とどう違うのかピンとこない人が多い。
と思ったんだけど、よく考えたら母方祖母が日常的に霊視したり除霊したりしてる人だった。
でもわたしはこの祖母の話をいまひとつ受け入れられない。
妹は頻繁に電話をかけて日常のあれこれが霊障かどうか聞いている模様。
「でも、(父方の)おじいちゃまのことは(母方の)おばあちゃまも誉めてたよ」
「ああ、そうね。『あの方は軍人さんですから』って、なんか階級つきで言ってた」
「あ、うん、あとね、『おじいちゃまは前世アレキサンダー大王だったのよ』って」
「えwwwww」
「違う、アレキサンダー大王じゃなかった、誰だっけ?」
誰だかぜひ思い出してほしい。
もう一つ、友人の話。
八ヶ岳の山小屋で働いていたころのこと。
山奥を散策していたら開けた場所に泉があった。
水辺に近づいてふと気づくと至近距離に見事な角の巨大な鹿が立っていた。
まさにもののけ姫の獅子神のよう。
その神々しくさが恐ろしく、しばらく見つめ合ったまま動けなかった。
緊張がピークに達して一瞬目をそらしたら次の瞬間いなくなっていた。
この人のおかしなところは、常日頃
「自分は不思議な体験をまったくしたことがない」と公言しているところです。
友人の話。
山奥に車で行って、ちょっと歩いてみようと思って車を降りて山道に入った。
けっこう奥深いところに行ったのに、幼稚園児が遠足に来ていた。
子供たちの笑い声と話し声が繁みの向こうから聞こえてくる。
『こんなとこまでよく来たな』と思っていたが、ふと、『そんなわけはない』と思い至った。
繁みの向こうには道も子供たちの姿も見えず、ただ声だけが聞こえてくる。
ぞっとして急いで車に戻った。
「でもまがくないよね、これ。もちお、まがい感じする?」
「しない」
「そうだよね。どっちかって言ったらすがいよね」
「そうだな」
我が家の判定結果は山の精(無害)となった。
舅が贔屓にしている寿司屋に接待も兼ねて連れて行ってもらったもちおの話。
「店には俺とお義父さんとお客さんしかいないのに、俺たちの後ろを何度も誰か通ってた。
店の人かなと思って振り返ると誰もいない。とても小さな人だった。
大人の腰くらいまでしかない女の人。なぜか手ぬぐいを交換している気がしていた。」
「わたし、あの店でそういうの感じたことないけど」
「俺もない。あのお客さんについてきたのかもしれない」
「でもまがく(禍々しく)ないよね?」
「うん、まがくはなかった」
話を聞くとお互いなんとなく禍々しい何かなのか、清々しい何かか伝わってくる。
今日ね、百貨店に店出して変な仕事してたらね、紫のスカーフを襟元で蝶結びしてテンガロンハットを被った顔が緑じゃない和製ヨーダみたいなちいさなおじいさんがこっちを見てらしてね、目が合ったから「お帽子すてきですね」ってお声をおかけしたら、まっすぐこちらに歩いて来てすっと人差し指を立てて
「彼とあなたの最終章はウィーンにある」
っておっしゃって、すきっぱでニタニタ笑いながら「え?え?」って困惑するわたしを残して去って行ったわ。ウィーンだって。
仕事で部屋を時間で借りた。
当日準備をしようと部屋に入ったとたん、立っていられないくらい気分が悪くなった。
「ああ、ツムツムやりすぎだわ~」と反省しつつ何とか起き上がろうとするがぜんぜんだめ。
すると準備を手伝うためについてきたもちおが突然
「びっくりするほどユートピア!」と叫びだした。
なに??でもちょっとだけ楽になった。あれ・・・コレ系?
そういえば車に乗っている間はどうだったっけ。ここまで具合悪くなかったような気がする。
しかしまもなく一人で人をお迎えしなければならないので、ひとまず部屋の四隅にパンパン柏手を打つ。
「PON!PON!…[全文を見る]
今日のダンナに書いた話ふたつ。
この春めでたく高校に進学した甥太郎は幼少時母親の実家で育った。
甥太郎は喋れるようになると脈絡なく「シゲコ!」と言い出すことがあった。
話せる語彙がほとんどないうちからシゲコを覚え、何かにつけてシゲコと叫ぶ。
親族にシゲコという名の女性はいないので家中が不思議がった。
リングが流行っていたころだったので親族は貞子じゃないかと言い合った。
「どこにいるの?」と聞くと甥太郎は天井をさす。
先日ふと「そういえば」と思って仏壇のお位牌を開けてみた。
お位牌に記された曾祖母の名はシゲノであった。
土砂降りのなか、新しい傘をさして家に急いでいた。
買い物が入った紙袋が濡れないように考えながらずんずん歩いていた。
ふと見ると歩道に不機嫌そうな、十代くらいに見える女の子がいた。
ふとましいお嬢さんで、ミニスカートからむき出しになった脚が生々しい。
わたしが気づく前からこちらを凝視していたようで目が合った。
目が座っている。距離が近い。なんか怖い。
怖いと思った直後、ゆらっとこちらへ近づいてきた。ぞっとした。
あれなんか怖い。繋がれてない犬みたいに怖い。なんで?
そこで彼女が傘をさしていないことに気付いた。
びしょ濡れで、夜の団地の歩…[全文を見る]
実話で現在進行形なのでオチはない。
母はあの場所に家を建てられないんじゃないかと、これまでとは違う理由で思う。
実は今年に入って母は老後の維持管理を考え、何度か土地を売りに出した。
そのたびすぐに買い手がついたが、直前になって話は流れた。
銀行から融資を受けられなかったり、それぞれに合理的な理由がきちんとある。
でもあの仁王立ち男は、母に土地を持たせておきたいんじゃないかと思う。
住ませるためじゃなく、家を建てさせないために。
土地を見た帰りひとつ不思議に思ったことがある。
それは、母はこれまでよく禍々しいものや忌まわしいものと関わ…[全文を見る]