何となく建築家で作家の坂口恭平さんの第二画集『Water』の表紙を見かけて、来月になったら、第一画集『Pastel』(この画集に出てくる空の絵は、くるりの『天才の愛』というアルバムの表紙にも使われている)と一緒に買ってみようと思った。坂口さんがどんな絵を書いているかというと、日本人なら一度は見たことがある、ありふれた自然の景色を心がシンと静まりかえるようなパステル画を描いています。ぼくは絵画というより、詩に近いと感じます。ぼくはこういうものが大好きです。
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オックスフォード英英辞典とともに買った三省堂の英和辞典『THE WISDOM』にスマホ用の「ことまな+」、PC用の「Dual Dictionary」というウェブ辞書がついていたので登録した。すごく小さなことだけれど、ぼくは「辞書は人生を変えるパワーを秘めた最高の書物」と信じているので、将来を見据えて自分の「P(Pretrained)」の参照元について意識的に変えています。ムダな情報ばっかり仕入れている人だけれど、せめて辞書くらいは自分が最高と信じるものを使いたい。「どんな辞書に出会うか」で、人の学びや思考は大きく変わるのだと信じたい。
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臨済宗円覚寺の管長さんのYouTubeラジオ「管長日記」で、しばしば取り上げられる仏教詩人の坂村真民さんの詩集全集(全4巻)と親交があったという相田みつおさんの初期と晩期のあまりメジャーじゃない詩集を購入した。真民さんは毎日朝3時半に河原まで行き、大地に口づけをして祈っていた(ドストエフスキーの『罪と罰』を思い出す)という変わった方なんだけれども、「こんなに真をついた言葉は初めて」という言葉をたくさん残していました。めちゃめちゃ素敵です。そして、相田みつおさんについては完全に誤解していたのですが、最高に格好いいアーティストでした。棟方志功の版画を見てるような「魂」が込められた書と言葉に、ガンと打ちのめされました。こんなすごいもんがあるんだと思うくらい凄まじくカッコよかったです。あと、ぼくは相田みつおさんが残された短歌もしみじみといいなと思いました。
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ふとしたきっかけで、亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』を手に取って読んだ。初版昭和28年で、多くの文章は昭和17年に書かれており、さり気なく昭和20年秋の文章も混じっていて目を見張った。80年近く前の日本人の心情が聖徳太子、斑鳩宮での政情、十七条憲法の精神などとともに実に豊かに書かれていた。
昭和の時代の批評やエッセイの美しさ、格調の高さを久しぶりに噛み締め、精神が洗われるような気持ちになりました。めっちゃオススメの一冊です。
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ウクライナでの戦争に関して、最も信頼できる情報を収集し、発信を続けていたテレビ東京の豊島晋作さんの本が出たよう。
この人が語るロシアは、実に分かるなあという感じで、「ロシアが独裁者より怖いのは無秩序(=ロシア人にとっての自由)」という言葉で、1991年のソ連崩壊後からロシアの政治・経済体制の変遷の謎が一気に分かった気がする。時間ができたら、読んでみたい!
https://president.jp/articles/-/60146?page=1
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思春期に大好きだった椎名誠さんの本を久しぶりに読み返す。実にくだらないし、何の教養の足しにもならないけれども、あーこの人のエッセイは本当に斬新でうまかったんだなと思う。また昭和という時代の匂いを思い出して、心から和んでしまう。この本が出版された1985年には、まだ新幹線の中に食堂車があったのだ。洋食はまだ一般的ではなく、お皿に出されたライスはフォークの背中に乗せて食べていた。また世の中では普通に冷やご飯にお味噌汁をぶっかけて食べていたということを思い出す。「哀愁」という言葉がぼくの中での椎名誠作品のキーワードで、小説でもエッセイでもそういう箇所がとても好きだった。縁側の陽射しがあたる匂いとか土曜日の台所の匂いとか、クルマの排気ガスとか鄙びた田舎の景色とか、ぼくはそういうものが好きなんだと思い出した。
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『深夜特急』一巻を再読したら、香港もマカオも、すべての場所が理解できて、街の情景がありありと思い出された。両方とも、ぼくにとってはすごく大事な場所であり、好きな街だ。いま、香港とマカオの人たちは、どんな風に暮らしているのだろうか、とふと思った。
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ふと昔のパキスタン、アフガニスタン、イランって、どうなっていたんだろうかと思って、ワクチン休暇中は沢木耕太郎さんの『深夜特急』を再読していました。アフガニスタンは50年前も各地の軍閥が関所を設けていたし、70年台のテヘランは光の海のような大都会だったと書いてあって納得。それにしても、この本はすごい。何度でも再読に耐えうるし、そのたびに発見がある。そして、秋から冬へと向かう西アジアからヨーロッパへの旅に切なさを感じる。あと6巻だけになったので、秋の夜長にちょびちょび読んでいきたいです。
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何もする気が起きないので、ネットサーフィンをしていると、昨年発売された沢木耕太郎さんの『旅のつばくろ』という国内紀行集が目に留まった。41篇も詰まっていて、どれもが短い。早速、Kindleで買って、読んでみたんだけれども、唸るほど、上手い文章だった。まともな服を着ることやいい音楽を聴くこととともに、いい文章を読むことは、人間らしい生活にとって欠かせないものなんだなと思った。ぼくにはいまいい文章や考えの貯金が足りてないんだと気づかされた。
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マンガ版のカエサル『ガリア戦記』を読んでしまう。これも5分程度で。紀元前も、人間たちは色んなことに悩み、生きていたのだと感動。もっともギリシア・ローマ史については、本当に疎いので、カエサルとは「ジュリアス・シーザー」のことだと知らなかった。ちなみに、このガリア戦記は、若きカエサルがガリアを平定し、ローマへ帰還するまでを描いており、その後のギリシア、エジプト侵攻、ローマでの独裁、暗殺までは描かれていない。クレオパトラもブルータスも出てこない。そして、こういう予備知識が全部揃って、はじめてシェークスピアの『ジュリアス・シーザー』は面白く読めるんだろうと思った。日本で言うと、明治時代に、ヤマトタケルノミコトやクマソ一族について語るような時代感覚と教養で書かれたものなんだろうなー。ぶつぶつ。
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『天井桟敷の人々』の作者であり、「枯葉」の作詞家であるジャック・プレヴェールがどんな言葉を残していたかを調べたら、愛で溢れていて、素敵だなあと思った。ちなみに、『天井桟敷の人々』は大学生の時に観ても全然よさが分からなかった。フェデリコ・フェリーニも、ロベルト・ロッセリーニも、よくわからなかったけど、いま猛烈に観たいので、たぶん、分かる歳になって来たんだと思います。
◯ジャック・プレヴェールの名言
https://espacemuse-note.kokubogroup.com/citation/jacquesprevert.html
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眠れないので、手塚治虫さんのドキュメンタリーとWikipediaを読破してしまった。こんなに長い人物説明は、初めてかも知れないレベルで長かった。手塚治虫さんから衝撃を受けることも山ほどあったのですが、手塚に才能を見出された『三国志』『徳川家康』などの歴史漫画家・横山光輝が『鉄人28号』、『魔法使いサリー』の漫画家でもあったことに一番衝撃を受けた。本当に漫画家というのは、すごいんだなと心の底から思った。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/手塚治虫
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眠れないので、手塚治虫の『火の鳥』を1巻から再読。1-3巻は涙なしに読めないくらい圧倒的です。最近、ぼくは仏教の考え方に助けられているので分かるんですが、手塚治虫さんは4-7巻で日本の歴史や国家の成立と仏教の関係まで考察していたのだと気づく。なぜ、歴史上、何度も東大寺が焼き払われていたり、ただ習慣として続けられている仏教がすごく苦手なのかが、これを読んで分かった。それは権力者が民衆を支配するための道具になっていたからだ。さらに、インドでブッダさんが悟って広めた教えとは、全くかけ離れたものになっているからだ。
本/不死身の特攻兵のことを語る
読了。鴻上さんの本は前にも読んだことがあるけれども、これは名著。特攻命令を拒否して、9回帰還したパイロットの話を通して、国家戦争、日本社会、人生の問題まで考えさせる内容になっています。ここまで太平洋戦争の特攻隊が象徴するような『日本特有の問題』を「命令する側」「命令される側」「傍観する側」で冷静に分析して、書かれた本も読んだ経験も初めてかも。右の人にも、左の人にも読んで欲しい。ぼくは著者の視点や考え方に、全面的に賛成です。
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なかなか読み応えのある島田雅彦さんの書評記事。イエス・キリストは「神は俺を見捨てやがった」という絶望を感じながら、死の淵に立っていたという話。
良心は誰もが持っているが、自由をタダでくれる支配者はいないので、戦って勝ち取るしかない。
この箇所がいいなあと思う。
今週の本棚・なつかしい一冊:島田雅彦・選 『イエスという男 第二版[増補改訂版]』=田川建三・著 - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200627/ddm/015/070/003000c
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10分座禅の本を買ってしまいました。何年か前に只管打坐の曹洞宗の人たち御用達のお店で、結構本格的な坐布も買って持っているので、資産の有効活用を図ります。勉強も、座禅も、筋トレも限りなくやり始める敷居を引き下げて、継続するための方法を工夫していきます。
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自炊の必要が出てきたので、今回は勝間和代さんの本に頼ろうと思う。よかったら、ホットクックとヘルシオを買おう。料理にかける時間を極小化しつつ、健康で美味しいものを食べる!
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カミュの哲学や文学を知りたい時には、こちらの詩的エッセイ集もオススメ。表題作「シーシュポスの神話」は5ページくらいの作品ですが、優れた長編小説一冊分くらいのテーマが、本当に美しい散文で書かれています。人間の本当の勇気や尊厳は、山頂まで押し上げた岩を転げ落とされて、また押し上げようと、麓へ向かう中にあるんだよな。と、自分に重ね合わせて、思います。運命を嘆かず、岩を押し上げる、その瞬間に人生の全てがあるのだ。不条理に屈してはいけない!今ここを生きよう!と書きながら、強く思いました。
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若い頃、夏になると、繰り返し読んだアルベート・カミュの名作。灼熱のアルジェリアのある都市を舞台にした疫病との戦いを描いた作品だ。始めから終わりまで淡々とした小説なのですが、閉鎖された街での一人ひとりの物語が印象に残っています。ラストの海のシーンが本当に好きだ。暴風雨の中にいるような人生の勉強やCOVID-19が終焉した日に、素敵な女性が傍らにいて「今さら実存主義小説?」とか思われながら、この小説を読み耽る時間を楽しみにしています。この小説は、本当に素晴らしいです!
本/冬の夢のことを語る
チェーホフの「中二階のある家」、福永武彦の「塔」、フィッツジェラルドの「冬の夢」、コルタサルの「南部高速道路」、カーヴァーの「ささやかだけれど、役に立つもの」が5大好きな短編小説(ヘミングウェイの「白い像のような山並み」も好きだ)なんだけれど、小説の真髄を教えてくれたのが、たぶんこの「冬の夢」。短いけれども、圧倒的な美しさに満ちた短編小説だと思うのだ。コルタサルも、カーヴァーも大好きだけれど。そう言えば、この何年かちゃんとした小説を殆ど読んでなくて、残念だ。