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連続はてな小説のことを語る

ー完ー、となったからには冥界から出ていかなくてはいけない。
再び唯一の二郎となった二郎はポジティブとネガティブを兼ね備えた人間になっていた。
いうなれば普通の人間である。

二郎はタカアシガニ速剥きパフォーマンスで手に入れた軍資金を元に人間界行きロープウェイに乗り込んだ。

「仕事あるかな…。冥界に行ってましたなんて履歴書に書けないしなぁ。」などと、現実的なことを考える二郎であったが、どの時代のどこにつくのかまでは考えていなかった。

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分裂と増殖を繰り返し無限の存在となった二郎は、DQN二郎として再び唯一の二郎となった
しかし、それはあまりにも大きく、この世の全てを包み込んだため、もはや我々にその姿を見ることはできない

蟹の涙の欠片に一瞬、二郎の笑顔が映り、消えた

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かにーの なみだーは えんぶんーが こーいー ♪
かにーの なみだーは うみーの かおりー ♪

涙は歌い、震え、深く暗い穴の中を落ちていった
そして、

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涙はオリーブオイルまみれの床をころころところがり、穴に落ちた。
そして、

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その美脚に新二郎(本物の二郎/旧げるみち)が追いオリーブオイルを施す
タカアシガニには蟹肉をぱさつかせて抗議することさえ許されない
ぷりぷりと透き通った美脚(蟹肉)にタカアシガニの涙がこぼれ、オリーブオイルが弾いた

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O次郎とQ次郎はやることを探す為、その場をウロウロするもどうしても視界が霞んで思考がまとまらない。マスターの柄も色もよくわからない…猫なのかすらも不明である。

二人はさっき浴びたオリーブオイルのせいで、気のせいではなく視界が濁っていた。

二人は買い出しついでに、アイボンを買いにドラッグストアへ向かった。

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せっかく自分の正体を明かしたのに、さっぱり手応えのなかった新二郎(げるみち)は、いや?自分が正統な二郎なら、「新」はいらないのではないか…だって、それだと新一郎もいそうだし、そこはティモシーなんだし…と少し悩んだ

今のところ
ティモシー(長男。1910年の地球のどこかにいる)
二郎(げるみち)
二郎(げるみちと同じお店でバイトしていた)
二郎(冥界編で登場した)
三郎(三男。1910年の地球のどこかにいる)
四郎(武田を滅ぼした)
五郎丸(時空の狭間にいるらしい)

で、
二郎(げるみちと同じお店でバイトしていた)は自ら二郎の名を捨て、Q二郎を名乗っている
二郎(冥界編で登場した)はO二郎(冥界にいたんだから、おばけ名)とQ二郎に名付けられた

ということだ

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「紛らわしいからこれから僕は旧二郎……いや、Q二郎と呼んでもらおうかな!よろしくな!新二郎!」
新二郎?勝手に総理大臣の息子みたいな名前をつけないでほしいな、と思いながらも黙っていた。新二郎はポジティブとは言いがたい性格だった。
「いや、O二郎の方がいいか?おばけの兄弟だ!バケラッタ!」
しかし、彼らが冥界にいる以上すでにおばけのようなものなのだが、そうと知るのはまだ先の話だ。

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それで二人の二郎(旧)は目と目を合わせて、「じゃ、どうぞ」とげるみちに言った。
「二郎なんでしょ。ボク、じゃあ、何になろうかなあ」
と二郎(旧)。
二郎(旧)は前向きな性格だった。

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閃いた!と思うと同時に、二郎にオリーブオイルが手渡された
もう一人の二郎の手にもオリーブオイル
目の前には、げるみちがもう一本のオリーブオイルを手に微笑んでいた
何故、口に出してもいないのに、オリーブオイルを?もう一人の二郎にまで、何故?
と、二郎が問うまでもなく、げるみちは答えた
「それは、僕こそが二郎だからだよ」

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……俺は…どう……なった…
気が付くとそこは薄暗い海の底だった
その時二郎の頭に一つの言葉が浮かんだ
“進め!”
「そうだ、俺は進まなければいけない!」
いつのまにか二郎は何千何万のタカアシガニに囲まれていた

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厨房では苦肉の策でたこ焼きwith明石焼き~あなたはどちらだと思う?~なる斬新な料理が作られようとしている中、二郎はサウナに入っていた。
口コミでも話題になっていた、ミネラルたっぷりソルトを体に塗り込み、顔にラップパックをし、砂時計をセットする。……傷口に塩がしみる。
しかし、二郎は汗と塩が混じる自分の腕をみてまんざらでもない表情を浮かべるのだった。

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タコ大王、登場
「立派なたこ焼きになりたいの!」
たこ焼き器は答えた
「すまない諸般の事情で今、需要があるのは明石焼なのだ。悪く思わないでくれ」
願いを却下されたタコ大王は知恵を絞った
「明石焼にわしを混ぜればいいではないか」
「タコ大王よ、それはもはや明石焼ではない」

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今やイカ大王はイカ大王成分 60% だった。代わりに

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湯をすくって、イカ型に流し込んで、冷蔵庫で冷やせば固まるだろうか?
しかし、ここは源泉かけ流しが売り物の温泉
考える間もなく、イカ大王成分を豊富に含んだ湯は檜の浴槽から溢れ流れ去ってゆく

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もうイカ大王に振り回されたくない。
そうだ、マグロ漁じゃなくイカ釣りに出よう!
二郎はトウモロコシを背負い、イカ釣り体験ができる温泉街へ向かった。

二郎はお刺身が盛りだくさんの舟盛り御膳に想いを馳せる。
「お肉も食べたい…。」

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ながきにわたるハレー彗星の旅の間、二郎は宇宙空間でも栽培できるトウモロコシを発見していた
「このトウモロコシから燃料を作れば、またマグロ漁が再開できる」
しかし、二郎の脳裏には一つの不安があった
「イカ大王…」

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五郎丸が近づくと、猫たちは ぽむっ ぱむっ と音を立てて子猫へ変化した
走りすぎる五郎丸の起こす風に、ふわりふわりと巻き上げられると、互いのしっぽが面白うて面白うて、子猫たちにはもう五郎丸も二郎も眼中にない

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二郎の幸せな気持ちとは引き換えに、五郎丸たちの前方には猫たちが作ったディフェンスラインがいつのまにかきれいに出来上がっている。五郎丸はニヤリと笑い、二郎に「しっかりつかまってな」と言った。

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女が何が起きたかを理解する前に、女を椅子に座らせる五郎丸。「誰か!誰か湿布持ってませんか?」誰かが家の中へ探しに行ったのを確認し、再び全力で走り出す。
次第に猫の鳴き声が異様なものへ変わっていくことに気づく。
振り替えると、街中の猫が二人の後を追いかけていた。