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読了のことを語る

『物語を忘れた外国語』黒田龍之助(新潮社)

isbn:4103517212
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語学学習というと会話や検定、実用文に偏りがちだけれども、その国の物語を原文・翻訳にこだわらず、読む・観ることだって重要だし、何よりそのほうが楽しいじゃないか! というエッセイ。初めて気づいたけど、ほぼ同世代なのね。
言語学者視点からの読みの楽しさも含めた文学ガイドとしても読めて、読みたい本(小説)がいっぱい増えた。
以前からこの人の文章読みやすいなあと思ってたら、中学時代からの星新一のファンだそうで、なるほど、納得。わかるわかる。
それにしても、チェコ語で星新一なんて出てるのね。イタリア語でも出てるのか探してしまった(笑) ついでに横溝正史のほうも(笑)
とりあえず『ビーチャの学校生活』(てタイトルだった、わたしの読んだのは)の新訳お願いします。

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『新しい名字 ナポリの物語2』エレナ・フェッランテ(著) 飯田亮介(訳) 早川書房

isbn:4152097639
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読みながら非常にいらいらと嫌な気分にされ、しばしば中断したのは、延々と続く、十代特有の狭苦しい視界での恋愛話、と、ろくでもない厚顔無恥な男どものせいだと思ってたのだけど、むろんそれだけではなかった。
後半にいくにしたがってはっきりしていくのだけど、彼女(たち)の言動や考え方の底に潜んでいる、文化資本と教養に対する抜きようのないコンプレックス、それはわたしも同様に抱えてしばしば足をとられているものだ。まるで自分の、ものに…[全文を見る]

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読了のことを語る
isbn:404103647X
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『英国一家、インドで危機一髪』マイケル・ブース(著)寺西のぶ子(訳)角川書店

日本食べまくり旅行から一年半後、マイケルはミドルエイジ・クライシスに陥り、以前から傾向があったアルコール(&食物)依存に拍車がかかっていた。本人よりも先に危機に気づいた妻リスンは、ある日マイケルに告げる。「もう無理よ。みんなでインドに行きましょう」
いつもの、リサーチを兼ねた食と文化の体験旅行(インド料理は大好物!)のつもりで出掛けたマイケルだった、が……、
インドはスピリチュアルのメッカなのだった!

つーことで、神経症とアルコ…[全文を見る]

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読了のことを語る

「屍人荘の殺人」今村昌弘

isbn:4488025552
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ようやっと図書館リクエスト本の順番が回ってきた。新聞書評読んでリクエストかけたのいつだったろうか。
これ映画化されるのすごいわかる。だって素直に、映像で見たいもの。単なる謎解きや派手なとこだけじゃなくて、登場人物たちの屈託とかも、落とさずちゃんと映像化してくれるといいなあ。
とてもおもしろかったです。

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読了のことを語る

『猟師になりたい』北尾トロ

isbn:4784072446
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このまえ農文協の書店に行った時の流れで知った本。なんか古本屋関係で著者の名前は知ってたけど読んだことがなくて、そのうっすらとしたイメージとこの本のタイトルが解離(笑)してたので、借りてみた。
わたしの周囲にも著者同様、猟師さんは居ないので、知らなかったことばかりでおもしろかった。この本の中では著者はまだ初の獲物はお預け状態になってるのも含めて。世の中にはペーパードライバーならぬペーパー猟師がけっこういらっしゃるのね。そんで、車よりもある意味いろいろ「重い」ので、そのまま…[全文を見る]

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読了/自家製のことを語る

『4つのパターンから学ぶ ワンランク上のバッグ教室』バッグアーティストスクール レプレ

isbn:4883936325
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布の袋ものの本のつもりで借りたら、基本、革だった(笑) 布と作り方がかなり違うので、その考え方というか手順の発想の違いがおもしろかった。特に、しつけがわりの両面テープの使い方。
以前ビニコのバッグを作るときに、両面テープやマステをしつけや印がわりに使ったのだが、テープ上を縫ってしまうとミシン針に糊がつき、そのあと糸が針に絡んでかなりやっかいなことになる。縫ってる途中で針が動かなくなって、最悪、針が折れる。そこさ…[全文を見る]

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読了/プランター菜園のことを語る

『農薬に頼らずつくる虫といっしょに家庭菜園』小川幸夫(著)腰本文子(取材・文) 家の光協会

isbn:4259565826
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わたしは虫が好きでなくて触れないので、どうしても必要な時は割りばし使うタイプ。人からいただいたり自分で購入した農薬(簡易スプレーのと顆粒のとか)もあるのだけど、年に一回使うか使わないか。
理由は、益虫にまで死なれたくないから。受粉作業とか自分でやるのは難しいし、G対策にアシダカグモとか来てほしいし。
ということで、この手のは時々読む。

第2章「僕の虫とのつきあい方」が考え方の参考になる。特にアリやカマキリ、ハチ(…[全文を見る]

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読了/嘘の木のことを語る

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いわゆるリケジョと父親との相克とか軋轢とかそういうのが、映画の『パディントン』とかも思い出させるものがあるなと思ったりとか。
ていうか、ビクトリア時代だからリケジョなどというカテゴリーはない。ていうかそういう存在自体ないことになっている。さらに「ていうか」、そもそも女子は勉学など必要なし、むしろしない方がいいことになっている。その意味で主人公の少女は相当のマイノリティ。
彼女の積年の望みは「学校に行くこと」。それと、「自分の真に興味あるもの(彼女の場合は博物学)について遠慮なく誰かと言葉を交わしあうこと」。マイノリティの中のマイノリティである(と自己認識している)彼女にとって、それは夢に等しい。
後者については、あとで書くかもだけど、ある種のことについて自分がしばしばプレッシャーを感じる原因と通じるなあとちょっとわかった気がした。

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読了/嘘の木のことを語る

『嘘の木』フランシス・ハーディング(著) 児玉敦子(訳) 東京創元社

isbn:4488010733
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これはもう絶対ジブリでアニメ化すべき。マーニーとかの感じで。

実はつい最近テレビのコーナーで、小中学生対象の世界レベルのプログラムコンテストに参加している女子中学生を紹介してるのを見たんだけど、彼女の部屋にこの本があったの。机の上の、数冊しか並んでない(たぶん特に選ばれてる)本の、その中の一冊。
そんときは、あら同じ本読んでるなあ、と思ったくらいだったんだけど、読み終わって、なんかすごく納得した。
オーシャンズ8の「犯罪者を夢見る8…[全文を見る]

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『おばちゃん介護道』山口恵以子
・今年初め頃に新聞で、ご本人の書籍紹介を読んで興味を持った。もうお母さんは亡くなられたそうで、この本のそのあとがまた大変だったらしい。
・家庭内での介護にあたって、それまでいかにその相手から肯定されてきたか、っていうのはやっぱり影響絶大なんじゃないか。
・介護の話だけでなくて、プロットライターだった時の話もかなりあり、二時間ドラマのプロットとか脚本とかどのように制作されんのか、という話もあっておもしろかった。おばさん刑事のプロットとかなすってたそうだ。
・角川春樹に「開高健より食べる女」と言われたそ…[全文を見る]

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『ルネサンスの世渡り術』壺屋めり(芸術新聞社)
表紙や中のイラストとマンガも著者によるものらしい。
芸術家という「職」が成立し認知される過渡期としてのルネサンスで、今は芸術家として名を残してる人々がどうやって売り込んだりコンペを勝ち抜いたりしてたか(またはそのコンペを無きものにしたか)。またパトロンはどういう意図で、どんなやりとりで仕事を発注していたか。その丁々発止。
NHKのイタリア語講座で時折話題に出てくるヴァザーリの『芸術家列伝』の影響力について、など、一次資料の危うさみたいな話も触れられてて、でも気軽な読み物としておもしろかった。
最初の、フィレンツェの洗礼所の扉作成にあたってのコンペのエピソードが、美術史研究ってこういうことかと知れておもしろいです。
イタリア旅行する人はぜひどうぞ。

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『ラウィーニア』アーシュラ・K・ル=グウィン(著) 谷垣暁美(訳) 河出書房新書
ウェルギリウスの『アエーネイス』に数行のみ出てくる、アエーネアスの妻ラウィーニアを主人公にした物語。
死を目前にした生き霊として時空を超えて現れたウェルギリウスに出逢い、自分は彼の詩のキャラクターだと知ったヒロインが、彼に描かれた詩(定められ知らされた運命)をどう生き、そしてその詩に描かれた時間以降の生をどう生きたか、という物語。
ル=グウィンは70代を過ぎてからラテン語を学び直し、『アエーネイス』を読み、ある意味物語のキーパーソンなのに一言も発することのなかったラウィーニアに語らせようと思ったのだそうだ。

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・あー書き忘れたけど、映像化作品等についても一切触れられていません。わたし個人はほとんどの映像化作品より原作のほうが断然おもしろいし濃いと思うんで、純粋にテキストだけによる評価なのがとてもよかった。

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『アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕』霜月蒼(クリスティー文庫)
・これはてダで連載してたのね。
・例えば『ナイルに死す』で、本文200ページ以上読まないと事件が起きないのだけどもう事件なんか起きなくてもいいかと思うくらいおもしろい、みたいなことが書いてあって、同感過ぎて笑った。
・古典としてではなく「今」読んでおもしろいのか耐えるのかという評価軸なので、若干履かせてる下駄の存在を疑って、映像化等を見たことはあるけど読んだことないって人にはかなり頼りになる本だと思う。
・小ネタとかトリビアとかウンチクとかなし、ネタバレもなしなので、…[全文を見る]

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『バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本』安田寛 音楽之友社
ピアノ教室に縁もゆかりもないわたしですら名前は知ってる「バイエル」(という教科書)についての研究と冒険(だと思う。)。
・バイエルは人名。この教則本を作った人だけど、ドイツの音楽辞典の数行の記載以外は、日本のマンガ偉人伝的な本しか伝記的なものがなく、しかもその偉人伝はほぼ創作というくらい謎の人。
・日本で長きにわたって隆盛を誇り単語として定着したバイエル教則本を日本に持ち込んだのは、誰でいつでどういう意図だったのか。なぜこの本が選ばれたのか。
・番号曲と無番号曲のバラン…[全文を見る]

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『甲賀忍法帖』山田風太郎
・さすがここから始まっただけあって、すべてがみっちりおもしろい。
・脳内の弦之介、どうしてもわたしとかは10代の真田広之一択になってしまうの…… 今なら誰なんかしらああいうの。

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『猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選』シオドア・スタージョン フリッツ・ライバー他 中村融編 竹書房文庫
まさにタイトル借り。
初訳の『ベンジャミンの治癒』(デニス・ダンヴァース)と『宇宙に猫パンチ』(ジョディ・リン・ナイ)が超おすすめ。特に後者は、その直前のスタージョン作品が(珍しく)わたしにはイヤな話でめげてたところにきたせいもあって、すごくにやにやクスクスさらに吹き出させられて幸せな気分になってしまった。
一方で、西欧での猫フォビアみたいなものは根強いんだなーと。かなりの猫好きでも、無意識下で影響受けるとこあるのかもなーとちょっと思わされた。女性作家の短編のほうがその感は薄かったです。
あとヤングの『ピネロピへの贈りもの』はあいかわらずかわいくて優しかった。

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『ふたりの老女』ヴェルマ・ウォーリス(著) 亀井よし子(訳) 草思社 第3刷1995.3.20
・帯にル=グインの推薦文がついてたらしいが、すごく納得できる。

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『Made by Hand ポンコツDIYで自分を取り戻す』Mark Frauenfelder(著) 金井哲夫(訳) オライリー・ジャパン

isbn:9784873115
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>「Makerムーブメント」を主導する雑誌「Make」の編集長、ブロガーとして知られる著者による、ビットの世界からアトムの世界への旅の記録。
野菜作り、エスプレッソマシンの改造、シガーボックスギター作り、鶏小屋作りと養鶏など、さまざまなDIY体験を通じて、個人が物を作ることの意味を考える一冊です。
>「失敗とは恥ずかしいこと」、そして「自家製品は不完全なもの」という固定観念から抜け出して、身の回りの物…[全文を見る]

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『薔薇とハナムグリ シュルレアリズム・風刺短篇集』モラヴィア(著) 関口英子(訳) 光文社古典新訳文庫
・かなり好みの短篇ばかりだった(諸星大二郎のそれみたいな感じ)
・けっこう長めの解説(堤康徳)つき。読んでる途中で『暗殺の森』の原作ってあったのかそしてこの人なのかと気づいた(ゴダールの『軽蔑』もだって。
・【勝手に引用
>官権からさまざまな干渉を受けたモラヴィアの作品は、カトリック教会からも危険視され、一九五二年には、すべての著作がローマ教皇庁の禁書目録に入れられた
……な、なんてかっこいい←おい