『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』池上 彰、佐藤 優
「要するに、『嫌な時代』になってきたのですよ。これからの世界を生き抜くた
めに、個人としては、嫌な時代を嫌な時代だと認識できる耐性を身につける
必要がある」とあるように、気分が明るくなるような本ではない。ああ、やっぱ
り、やれやれだな、というところ。でもそれを認めないと先に進めない。それに
人類は愚かな歴史だけを繰り返すのでもない、と思いたい。
お話しするにはログインしてください。
『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』池上 彰、佐藤 優
「要するに、『嫌な時代』になってきたのですよ。これからの世界を生き抜くた
めに、個人としては、嫌な時代を嫌な時代だと認識できる耐性を身につける
必要がある」とあるように、気分が明るくなるような本ではない。ああ、やっぱ
り、やれやれだな、というところ。でもそれを認めないと先に進めない。それに
人類は愚かな歴史だけを繰り返すのでもない、と思いたい。
東村アキコ『かくかくしかじか』4巻。
ぼくはマンガはあまり読まない人間なんですが、
それでも、その時々に連載されてて展開を見守ってるマンガ
っていうものがあって、今はイチオシで、この本好きだな、
と思います(ちょっと前は『おやすみプンプン』だった)。
で、これは美大を目指す女子高生が少女漫画家になっていく
という自伝的なエッセーみたいな話なんですが、とても
破天荒な美術予備校の先生とのやり取りや出来事が基軸に
なってる物語で本当に面白い。30超えてると、さらに色んな
視点で読めるマンガで、人生論、仕事論としても面白い。
で、基本ギャグマンガなんですが、要所要所でめっちゃ切ない。
何なんだろう、この切なさは?とか思ってたんですが、この巻の
最後で、不意打ちのようにそれがやって来てしまった。
「そんなんあかんやろ」とか言ってしまう自分がいました。
会場入り口の筒井康隆の言葉も収録され、カラーページもたくさん、年表もついて、星新一の原稿用紙のマス目と比較できる異様に小さい字のショートショート下書き写真が18-20ページに採録、と、えーと、また会場を巡りたくなる困った本です。
『シャーリー』(実質、一巻)森薫
2巻が出たので再読。ほんとに小さい子なのにがんばるなあと思いつつ、そのメイドとしての手際の良さはどうやって身につけたのか、気になる。アン・シャーリーが双子の世話で否応なく子どもの世話を身につけたようなものかしら。あ、思えば2人は同年代ですね。
『フラニーとズーイ』サリンジャー、村上春樹訳
25頁にして、フラニーがいけすかないと思う世界の構成人物が「やれやれ」というので困ってしまった。なにせ、村上春樹の「やれやれ」は、色が付きすぎている! それはともあれ、作者はトルストイ的なキリストを、意識してかどうかはわからないけれど、復活させることに成功している。それが村上訳ではよりはっきりとわかる。自分は他人とは違う、と思いたい若い人には、この一冊は衝撃にも救いにもなるだろう。
『シャーリー』 2巻 (ビームコミックス)森薫
すてきなお姉さまな女主人と少女メイドのかわいい生活ふたたび。
とはいえ一巻のこと、すっかり忘れていたので、明日一巻を再読しようと思います。
そして、二巻はあとがきマンガが熱かった!
「メイド漫画を描かせておけばおおむね健康」から始まり、最後の魂の叫びまで万遍なしw
『松嶋×町山 未公開映画を観る本』
オセロの松嶋さんの「特にアメリカに詳しくないフツーの日本人女子」としてのツッコミやボケがとてもいい。けど、いくつか、いや、けっこう、町山さんの別の本で紹介されてた映画がかぶってたのが残念。
『宝石の国』2巻:市川春子
もっとも硬度の低いものの変化は、種属全体の進化に繋がっていくのだろうか? 今回も「わ、そんなとこまで割れちゃうの(//∇//)」と、丸尾末広や綾波レイの眼帯少女やマシュー・バーニーの『クレマスター3』の義足のアスリートに感じるものに通じるところのある、エロティックな場面を楽しみました。PVもなかなか素敵……!
『石井桃子のことば』中川李枝子、松居直、松岡享子、若菜晃子、ほか
豊かとはいえない時代から続けられてきた偉大な仕事に茫然とする。そして偉大な仕事をなす人には、よき師、先輩、同僚、仲間、そしてよき友人がいることを実感。周辺の人々の思い出のページからは、偉大な仕事から少し離れた横顔や後ろ姿が垣間見えて、感慨深い。また、先日読了した本での荒俣宏の読書への態度が、石井桃子のそれと相似形であったことを発見。「いい本を読んだことが、必ずしも世の中に出て立身出世ということに結びつかないんですけど(笑)私は、それでいいと思っているんです。子どもの読書はたのしみで、心をふとらせるんです」
『宝石の国』1巻、市川春子
割れた宝石の腕や足の断面にエロスを感じて「鉱物がエロいとかなにごと!」と思うけれども、上半身が少年、下半身が少女という造形だから、エロくて当然か、と思い直したり。モーさまの『百億』、少女革命ウテナ、まどか☆マギカ的ななにかを内包しつつも煌きがそれらを超えたオリジナリティを放ってる。続巻も少しずつ読んでいこうっと。
『きのう何食べた?』9巻、よしながふみ
寝る前に読んでしまったことを激しく後悔。いつもながら食べたい作りたいメニューがたくさんありすぎる。あと、主人公に年齢が近いので、加齢に伴うあれこれが身にしみる。
それとは関係なく、帯が微妙にシャツの裾にかかってるので、帯の下はまさか水着? とかハァハァしましたが、もちろんそんなことはありませんでした。
『オペラ入門』堀内修
クラフト・エヴィング商會のような含羞ある韜晦が見え隠れする文体が堅苦しくなく読みやすい。のっけから「読むなよ、読むなよ、絶対に読むなよ!」とダチョウ倶楽部的(ここの紹介だけで読みたい人が出た面白さ)で、最後の章はこんなふう。「ただの一度も『一人でも多くの人に(注:オペラを楽しんでもらいたい)』と願わなかったことを、謝罪させていただきます」「これからオペラを楽しむ人のために、役立つ情報というのも、『本当にあるのか?』と言われると、つい口ごもらざるを得ない」。でもわたしには佐藤優氏の本同様「役に立つ」本です。
『喰らう読書術』荒俣宏
ある程度活字中毒じゃないとこの本に興味は持たないと思うのですが、そしてそういう人は本書で荒俣さんの推奨する読書法は取り入れるまでもなくその沼にハマってしまっていると思うのですが、ともあれ本書は荒俣さんの生態を知ることのできる面白本です。そして荒俣さん所有、また荒俣さんご存知ながら未所有の稀覯本や珍本を読みたくてたまらなくなる本。二箇所ほど誤植を見つけてしまったのは残念です。
p66・5行目:奇妙は化学者➡︎奇妙な科学者
p256・4行目:問題なそれだけでは➡︎問題はそれだけでは
バチカン奇跡調査官シリーズを読んでおります。
現段階で5巻まで読了。
6巻を今日から読み始めようかと思ってます。
文章が癖がなくてとても読みやすいため、布団の中に入って読み始めたら、2~3時間で大体1冊読み終わってしまうのでとてもスムーズに読める印象。
ホラー文庫から出ているけれども、ホラーというよりは猟奇ミステリーかな。殺人方法がグロいものが多いので。でも文章が淡々としているから、そこまでグロさを感じない不思議。
1巻読み終わったあとは後日談がなかったため、出てきた人物たちのその後などが分からなくてモヤっとしたんですが、2巻以降はその辺はちゃんとフォロー入ってて良かったです。
主人公ふたりの関係性にニヤニヤしちゃうのはもう仕方ない。だって行間がとんでもなくオイシイ世界が広がっているんですもの!(笑)
6巻以降も早く読みたくてうずうずしているので、2~3日中には既刊を全て読み終わってしまいそうだなぁ。
黒岩重吾の『中大兄皇子伝』上下巻
この作品での中大兄の性格はよくわかるのだが、彼が恋々とする鎌足のそれは、中大兄が言を尽くすほどにわからなくなってくる。中大兄は鎌足について何度も「油断がならない」「用意周到だ」と言い、様々な政変の裏で鎌足が暗躍しているのではと疑う。鎌足の人となりの「わからなさ」は、実は中大兄も最期まで操られていたのでは、と思えてくるつかみどころのなさなのである。特に下巻の最終章、倒してきた政敵たち、最愛の妻も迎えに来る中大兄の死出の旅路に、鎌足が現れてこないことで、わたしの疑いは最高潮に達した。鎌足…、おそろしい子…!
わたしが年末に『セデック・バレ』を見たことを覚えていた同僚が、同作の監督が読んでこの映画を作る契機となった原作マンガを貸してくれた! なんとありがたいことでしょう。
一読したところ、映画はセデックの宗教と文化の紹介が充実している感じ。マンガでは映画で名前の呼ばれなかった人々の名を知ることができるのだけれど、カタカナのそれはなんとなくアイヌ語っぽい印象を受ける。
ちょっと前に読んでいました。今、ふっと手にとってみて、軽さにびっくり。この本、軽いです。かばんの中にあったら、出先で忘れて新たに本を買ってしまいそうな軽さ。寝転がって読むのに最適。
内容は、すごーーーーーーく広い意味での怪談です。おもしろかった。
コンラッド『密偵』
おもしろかった!!!
はじめの方に矮小な人物が別の矮小な人物に延々と罵声を浴びせる場面があってそこで放り出して数年。
うんざりするほど緻密な描写は最後まで変わらないけどその描写の包囲網がじわっじわっと縮まるにつれて隠されていた物語の核心が思いがけないところから見えてくる。
ちょっとしたらもう一度読む。
「がんばれ! (傑作まで)あともうちょっとだ!」という感じで一気に読みました。
ところどころド迫力な描写があり、いつか傑作をものしそうだなあという感じがしましたよ。
貫多がひどすぎて一気に読みました。
今回は賢太の定石をはずしたものを集めてるので、一気に読まないと読み終わらないかも〜。