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連続はてな小説のことを語る

漁協のおばちゃんA「ゴンさんて、だれ?」
漁協のおばちゃんB「えらい人け?」
漁協のおばちゃんC「あ、このあんまん、粒やわ」
漁協のおばちゃんA「こっちがこしあんよ」

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電池がなくて紅白が観られなかったことも、ゆく年くる年さえ観られれば、笑い話に変わるのに

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すでに、立冬を迎える頃の話である

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あ!っと思う間もなく、五郎の手から黒霧島の瓶を取り上げると、ガタイのいい兄ちゃんはそれを自分の額で割った
「アルハラ、よくないっす」
仁王立ちのガタイのいい兄ちゃんの足元を、店員さんは慣れた様子でモップをかけている
「この勘定は俺が持ちますから」
〝この〟とは正確に黒霧島一本のことだったが、誤解した二人は早速飲み放題以外のメニューを繰りだした

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もう、イカのことなんか、どうでもいいんじゃん
飲みたいだけじゃん
いそいそと串からプチトマトとモッツァレラを外す二郎を横目に、五郎は瀬戸内レモンのパナシェを注文した

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仕方がない
早々に潰して、担いで帰るか
五郎はウコンの力を飲み干すと、鶏ジローの戸を開けた

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とりあえず、ドトールでケーキでも食べて待つよう伝え、電話を切った
二郎は甘いもので泣き止むタイプだ
五郎は慌ただしく身支度を済ませ、家を出た

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うるさいぐらいに風鈴が鳴っている
と思ったら、着信音だった

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ロープウエイという密室、餓えと渇き、そして孤独
音声ガイドに小銭を入れ続けることでしか、二郎は己の生を信じることができなくなっていた
ポケットをまさぐる手が虚しい
あぁ、もうおしまいだ…と、思ったその時
「ロープウエイ麓駅〜、ロープウエイ麓駅に到着いたしました」

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分裂と増殖を繰り返し無限の存在となった二郎は、DQN二郎として再び唯一の二郎となった
しかし、それはあまりにも大きく、この世の全てを包み込んだため、もはや我々にその姿を見ることはできない

蟹の涙の欠片に一瞬、二郎の笑顔が映り、消えた

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かにーの なみだーは えんぶんーが こーいー ♪
かにーの なみだーは うみーの かおりー ♪

涙は歌い、震え、深く暗い穴の中を落ちていった
そして、

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その美脚に新二郎(本物の二郎/旧げるみち)が追いオリーブオイルを施す
タカアシガニには蟹肉をぱさつかせて抗議することさえ許されない
ぷりぷりと透き通った美脚(蟹肉)にタカアシガニの涙がこぼれ、オリーブオイルが弾いた

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せっかく自分の正体を明かしたのに、さっぱり手応えのなかった新二郎(げるみち)は、いや?自分が正統な二郎なら、「新」はいらないのではないか…だって、それだと新一郎もいそうだし、そこはティモシーなんだし…と少し悩んだ

今のところ
ティモシー(長男。1910年の地球のどこかにいる)
二郎(げるみち)
二郎(げるみちと同じお店でバイトしていた)
二郎(冥界編で登場した)
三郎(三男。1910年の地球のどこかにいる)
四郎(武田を滅ぼした)
五郎丸(時空の狭間にいるらしい)

で、
二郎(げるみちと同じお店でバイトしていた)は自ら二郎の名を捨て、Q二郎を名乗っている
二郎(冥界編で登場した)はO二郎(冥界にいたんだから、おばけ名)とQ二郎に名付けられた

ということだ

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閃いた!と思うと同時に、二郎にオリーブオイルが手渡された
もう一人の二郎の手にもオリーブオイル
目の前には、げるみちがもう一本のオリーブオイルを手に微笑んでいた
何故、口に出してもいないのに、オリーブオイルを?もう一人の二郎にまで、何故?
と、二郎が問うまでもなく、げるみちは答えた
「それは、僕こそが二郎だからだよ」

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湯をすくって、イカ型に流し込んで、冷蔵庫で冷やせば固まるだろうか?
しかし、ここは源泉かけ流しが売り物の温泉
考える間もなく、イカ大王成分を豊富に含んだ湯は檜の浴槽から溢れ流れ去ってゆく

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五郎丸が近づくと、猫たちは ぽむっ ぱむっ と音を立てて子猫へ変化した
走りすぎる五郎丸の起こす風に、ふわりふわりと巻き上げられると、互いのしっぽが面白うて面白うて、子猫たちにはもう五郎丸も二郎も眼中にない

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初期化されたのは、作者だった

足元に温かな重みを感じて目をやると、愛おしい毛玉が丸まっている
キーボードの上の冷えきった指で背中を撫でると、胡桃を転がすような音が聴こえてきた
抱え上げて膝に乗せる
仰向けの白い腹毛に顔を埋めると、くすぐったそうに身をよじって、毛玉は小さくあくびをした
ずっと会えないでいたような、だけど、いつも一緒にいたような不思議な気持ちだ
私は猫缶を取りに台所に立つ
振り返れば、毛玉はそこにいるだろう
そして、猫缶を開けるパッカン!という音に、にゃおんと答えることを私は知っている

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早稲田大学に入学したのは二郎だった
奨学金で足りない生活費をたこ焼き屋のバイトで工面し、夜は一人アパートで制服のソースのしみをつまみ洗いする日々
今日、あのたこ焼きの数え方を聞いてきたのが作者で、助け舟を出してくれたのが五郎丸だとは気のつくはずもない
狭い室内に踏切の警報音が響き、電車の通過に立て付けの悪い窓ががたがたと音を立てる
「あぁ、あの時のウエイトレスさんはかわいかったな…」
冷たい布団に潜り込む度に思い出すのは、あの日の喫茶店のウエイトレスさんの笑顔

けれど、そのウエイトレスさんの記憶は五郎丸には移植されてはいなかった

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客の急な質問に答えられずに、青年は顔を赤くして、店長の行方を目で追っていた
「このお店は経木の舟に乗せてあるので、一“ふね”、二“ふね”だと思います。お皿で売っていれば、一皿でいいでしょうし、パック売りなら1パックでいいでしょうね。」
見かねて、代わりに答えると、客は「あぁ!あぁ!確かにこれは舟ですな!ふぅむ!これを川に流したなら、それは笹舟ではなしに、たこ舟ということになるのかな」と大袈裟にうなずいた
たこ焼きを手に立ち去る客を見送ると、青年はほっとした表情で私を見た
よじれたエプロンの肩ひもに手をやりながら、礼を言う青年は年齢よりも幼げに見えた

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スイーツ横丁の先は古びた商店街だった
シルバーカーを押すお年寄りの横を学校帰りの小学生が走り抜け、練り物専門店の前では奥様方が立ち話に興じている
電器屋の店先には、ペーパードレスをまとったキューピーや、二匹寄り添う陶器の猫が並び、奥では2台のテレビが同じ夕方のニュースバラエティを流している
間口一間のたこ焼き屋では、制服にソースをつけた学生バイトが汗を拭っていた