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一昨日、昼休みに子を近所の公園へ連れて行ったところ、六~七歳くらいの女の子が子に興味をもって積極的に関わってきてくれたのだが、しかしとても個性的なわが子はやはり一人の世界に入っていてほとんど反応しなかった。
そう、子を見てきた私は(やはりそうか)と思ったが、女の子は期待の反応を得られず少し不思議がっていたので、私は「二歳になったばかりでご挨拶が上手じゃないんだ、ごめんね」と言わなければならなかった。
そして私は気づいた。このような弁明を使えなくなるときがやがて来るのだが、そのときもなお子は他の子に反応できないかもしれない。今はま…[全文を見る]

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アストラゼネカのワクチンが南ア変異株に対して持つ効果は限定的であるという報道を聞いて以来、ワクチン開発・接種速度と変異株の出現速度を比べると、人類社会がワクチンを通じて新型コロナの重症患者や入院者数を減らすことはあっても集団免疫を獲得することはないのではという思いが強くなった。

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「コップに水が半分入っていて、『もう半分しかない』ではなく『まだ半分ある』と考えれば幸せになれる」と人は言う。
だが本当に考えるべきことは、世界には水がじゃぶじゃぶ出る水道を使える者が確かにいるのに、なぜそのコップの水は注ぎ足すことが困難であり、しかも幾人もで分け合わねばならないのかということだ。
解釈の問題にすり替えることによって、生き延びるために必要な水という共通の資源をめぐる圧倒的な不平等から目を逸らさせる詐術を見逃してはならない。世界規模の構図をつかみ取った上で目の前の事実に迫りながら問いを立てること。それがリアリズムだ。

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まずは「お疲れ様」という言葉を安倍総理に向けるべきだという人がいる。私はしかし、この言葉をまず妻と自分自身に、また政治に苦しい気持ちを抱いてきたすべての人々に向けたい。経済的弱者や少数者が踏みにじられ続けた、本当に厳しい八年間だった。そしてそれはあいにくこれで終わりではない。

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https://note.com/yoshizawa81/n/n1775b2a98f6b#B8s9P
「フェミニスト」を「表現の自由戦士」に対置した時点で議論は最初から論理的に破綻しているのでは? 「フェミニスト」は「表現規制戦士」ではないし、「表現の自由戦士」はすべからく「アンチ・フェミニスト」であるわけでもない。
「表現の自由戦士」が自らを「アンチ・フェミニスト」と規定し、表現の自由よりはむしろ性的表現市場の自由を擁護しながら、不当な男女間格差の是正に消極的な姿勢を取り続けている限り、不当な方法で維持される男性の購買力の高さにより市場における競争優位性を確保するために行動しているように見える。

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2020/7/4

このツイートは最初から最後まで、最悪の冷笑の見本。いかにも札束で頬を叩いてくるやつが言いそうなことを、そのまま言っている。
「絶対モラハラしない年収300万の夫ともっとモラハラする年収1億の夫、あなたの落とした夫はどちらですか?」というのは答えるべきでない問い。「もっとモラハラする年収1億の夫」と答えると「やはり金か。では夫のモラハラに耐えろ」と言われ、「絶対モラハラしない年収300万の夫」と答えると「殊勝だ。では貧乏に耐えろ」と言われるからだ。いずれも搾取する男性が高みから言うことだ。
そのように、あたか…[全文を見る]

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こういう日記もあった。

2019/2/7
忙しい。妻の出産を待ちながら仕事を続けている。そんななかメモ帳に私の字で「はい、まぶたを下から閉じて〜、鳩のポーズ!」と書いてあるのを見つけた。当時の私は未来の私にどうしてほしかったのか。そういえば、これは妻の発言だった。そうか、妻がいかに素晴らしい人か子に教えてあげたかったのか。

2019/2/12
忙しい日々の合間に、自問するばかりだ。分娩室にて、一体どんなタイミングでシュコーシュコー言いながら “I’m your father...” とつぶやけば、最大のウケが取れるだろうか? ベイビーがほんぎゃーほんぎゃーと泣き出した…[全文を見る]

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2020/6/25
やっと見つけた。この形式だ。この形式だけが、かろうじてまだ詩人であろうとする私に残されている。

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1945/8/15
彼らは謝ることもできたし、謝らずにいることもできた。
彼らは謝るならば正しさに関わらず好きな理由を選ぶことができ、その後はまた謝るきっかけになったことを含めてすべてを今までどおりに続けることができた。彼らはいかなる責任も取ることなく自らの責任を痛感し、一切を説明することなくこれからも丁寧に説明を続けていくことができた。
彼らはまた謝らないならばひたすらに他の者によって決定されたことに同意することができ、そのことそのものをずっと謝らずにいることもできた。
彼らはむしろ、謝らせることさえできた。彼らは彼らの代わりに、彼らがかつぎあげてきた者に耐え難きを耐えさせ、忍び難きを忍ばせることができ、しかもついにはその者に彼らの責任を取らせることもなくその後何十年も生きながらえさせることまでできたのだった。

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2016/10/19

このごろ、政治や社会について憂う思いはどんどん増えていくにもかかわらず、語る気力はどんどん減っていく。何しろ語ってもむだだという気になってしまう。それはいまの政治状況のせいだ。議会で多数を占めさえすれば、何を言い、何をやってもいいという空気が蔓延している。
中谷元防衛相いわく「手榴弾も核兵器も武器ではなく弾薬である」
稲田朋美現防衛相いわく「南スーダンで市民数百人と中国軍兵士が殺害された事件は戦闘行為ではなく衝突である」
高市早苗総務相いわく「白紙領収証は法的に問題ない」
安倍晋三首相いわく「自民党は結党以来強行採決を…[全文を見る]

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2020/6/22
米国系企業ではBLM運動を受けて、白人の経営幹部が、6月19日(奴隷解放記念日)を祝うメッセージや人種差別への抗議を支持する宣言を、米国拠点ばかりでなく世界中の現地法人にも送ったり、社内の人種差別と是正策について話し合うため社員なら誰でも参加できるオンライン会議を設けたりしている。最近そういうものをいくつも訳したし、私の勤務先も例外ではない。
たとえ真の目的が人権尊重というよりむしろ従業員満足度の低下防止や企業のブランド評価の維持にあったとしても、それでも何かが変わるはずだ、変わってほしい、変われ、という予感と期待と願望が湧…[全文を見る]

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2019/11/18

No estamos todas. *

これほどまでに力強く簡潔に連帯と孤立を表現する言葉を、私は自分の「母語」である日本語の中にまだ見つけられていない。英訳でさえうまくそれを表現できない。We are not all here. 英語でそう書いたとたんに、語り手からジェンダーが欠落する。主語は一人称女性複数なのだ。つまりこれは彼女たちの発話である。

原語に比べるとはるかに歯切れが悪いが、せめて意味を正確に書き止めておくなら、ここにいる私たち女性はこれで全員ではない、と訳せる。そう彼女たちは語り、そして続ける。No estamos todas, nos falta María. ここにい…[全文を見る]

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2020/4/15
歴史修正主義者は、過去を改ざんすることにためらいなど感じない。果たしてそんな人々に占められた政府が、現在をも偽らないということがあるだろうか? 歴史を書き換える政府は、公文書、領収証、各種統計の数値と解釈、言葉の辞書的な意味にまで手を加えていく。そして「われわれはかつても今も、いかなる落ち度もない」と言い張る。だが、たとえ国民の大多数が政府のいうとおりに黒を白だと信じ込んでしまったとしても、現実には黒は黒のままである。そうした人々は、白を見ているのだと思い込みながら、黒に囲まれて愚かなまま死んでいく。国はこんなにも安全で幸福だと言われているのに、どうして自分たちが衰えて死んでいくのか理解できず、いや、ことによると自分たちが衰えて死んでいっていることそのものすら自覚できない。

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2020/4/1
メモ

1. 経済における新型コロナショックの流れ

1.1 供給ショック
・すでに起きた。
・国際的なサプライチェーンが混乱し、中間財や最終財が不足。例えば、自動車メーカーが中国などから部品を調達できなくなったので、国内大手の組立工場が操業停止。同じことがほかの業界でも幅広く起きている。

1.2 需要ショック
・今起きている。
・例えば組立工場はひとつ部品を調達できないだけで製造ライン全体を停止する。このため国内の中小企業から供給されていて在庫もまだ豊富にある部品への需要までもが急減する(中間財の需要減)。
・一般家庭ははじめ必需品を買…[全文を見る]

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2020/4/27

fishmansの音楽がなぜかふたたび肌に合うようになった。私が今抱えている孤独と諦念に、ぴったりと。ぼうっとして、楽になる。

妻子は3月なかばより、地方の山奥にある妻の実家へ疎開している。
私だけが東京に残って在宅勤務を続けている。リモートワークなのであれば、別に東京にとどまる必要はない? 確かにそうだが、まず、私は無症状の感染者でないという確証が当時なかった。なぜなら私は在宅勤務への移行前、外国人客がたくさん利用している路線を通勤に使っていたからだ。ここで思い出されるのはイタリア北部の事例だ。都市閉鎖の直前にたくさんの若者…[全文を見る]

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2020/1/18
最終出社まで1週間。今日も仕事の引き継ぎのために後任の翻訳者の訳文を校正していた。翻訳対象は、ジェンダーフルイディティを擁護するファッションブランドが新しいメンズコレクションを発表したことに関する記事。当然、コレクションのテーマはマスキュリニティを多元化すること。メンズウェアをまとってランウェイを闊歩するモデルたちの中に、男性ばかりでなく女性も、どっちかわからない人もいるうえに、ときどきこれはどう見てもウィメンズだよねっていうウェアも登場する。これはフェミニズムの視点に立つことが必須だなと思って後任者の訳文を見ると、パ…[全文を見る]

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2019/12/26

父親になる前は、フェミニズムは私にとって選択肢だった。誰よりもまず、パートナーとともに歩む自分自身のために選択したほうがよい正義だった。逆に言えば「降りる」こともできる何かだった。

だが父親になると、フェミニズムが指摘するさまざまな問題は圧倒的現実として本当に自分自身の視界の至るところに現象しており、その敵は私自身の個人的内面から、家庭、職場、社会、市場、国家、世界までのすべてのレベルをどこにも逃げ場なく支配していることがますます明らかになった。とくに家事、出産、育児のことを考えると、そうした無賃労働を女性に押し付…[全文を見る]

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2019/11/15
最近、仕事と家庭以外では言葉を失いつつある。
いまの政治、社会、文化にはひたすらに暗い気持ちしか抱いていない。何か言おうとしてはやめる。FBにも書き込みかけては消している。ドアを後ろ手に閉めて、個人的な生活と精神を守ることだけで必死になっている。
転職活動をしている。翻訳会社1つで3次選考へ、もう1つで2次選考へ進んでいる。本音をいうとできればベンダーではなくてメーカーの社内翻訳者になりたいが、それには足りないものがあるらしく、実際メーカー2社で落とされた。たぶん1社では若さまたは起業家精神が、もう1社では英語のスピーキング能…[全文を見る]

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2019/7/1
『君の名は。』は震災文学批判において絶対に看過できない作品だ。私は遅ればせながらゆうべ初めて観て、そのように強く認識した。本作においては、ある一個の地域共同体の破滅を回避する最終手段として、政治の力が登場する。ところがその最終手段を握る政治家を動かしたものは、政治的なものではまったくない。主人公2人は政治家の娘の身体で一度ずつ説得を試みるが、一度目は言葉でその政治家を動かせず暴力に訴えかけてしまう。このとき政治家は自らに語りかける相手の精神が娘本人ではないことを察知し、「誰だ」と問うている。二度目は言葉で政治家を動かし…[全文を見る]