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なんと愚かしい見出しだ、「残酷な新時代」とは。
ありきたりなノスタルジーや過去を美化するだけの世の中は、昔から残酷だ。

(BBC『ABC殺人事件』)

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エリートや政治家の中には「高齢者には死ぬ権利がある」とか「障害者やLGBT(性的少数者)には生産性がない」と口にする者がいます。相模原市の知的障害者福祉施設で起きた入所者殺傷事件で逮捕された元職員もちゃんと働けなかった“だめ人間”です。元職員は自分のだめな部分を払拭するため、エリートたちの意思を過度に代行しました。周りに認められたいと言う奴隷根性ですね。この「使えないやつは処分してやろう」という発想はファシズムの始まりだと思います。
(栗原康、東京新聞2019年3月30日朝刊22面インタビュー「あの人に迫る」)

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>「面倒」はできる証拠
> 先日聞いた、数学の先生のある言葉が深く心に残っている。それは「面倒くさいと思うということはできるということ」だ。
> 数学のテストで複雑な計算問題が出た時、面倒くさいと思うことがあるかもしれないが、それは計算方法を知っているために時間がかかると思うからであって、頑張れば解ける、という意味だ。先生は「全く解き方が分からない問題は面倒くとも思わない」とも言った。
(東京新聞2018年12月21日朝刊五面、中学生の投稿)

「不可能なことは面倒くさいとは思わない」という話がこのあと出てくる。
面倒と不可能の線引きをどこでするか、が難しくなってくるのよね…… 「頑張れば」の範囲をどこまでにするか、不可能と見積もれてそれを言うことができるか。

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前日の残りの鶏の唐揚げを野菜と煮込んで味噌汁にしてもよいのです。こうした味噌汁は毎回違う味になります。再現性はありませんし、あまりおいしくならないこともありますが、たまにびっくりするほどおいしくできることもあります。そのうち、おいしいとかまずいとかは大きな問題ではないことがわかります。
(p.57『一汁一菜でよいという提案』)

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海も山も「見なかった」から「空の民」は「勝った」のだ。つまり見たって判らん程に見ない事がそのバカさが彼らの「才能」だったのだから。
(中略)
 古代、そう身体感覚なしには生きられない時代、海山の脅威の中で、けしてそのように考えないとしたらやはりそれは「能力」だ。でもそれはカギカッコ取ると、嫌な能力ってやつ。また山が低かったから、一五二、だから怖くなかったのでは。権力とは何か自分に甘いこと。
 そして自分に甘いというこの感覚が、筆者的には国家の起源みたいに思えるのだ。国家とは何か、空、民、上、無痛、「無欲」、「空白」、「ゼロ」、「リセット」。ああ、国家とは何か。ゼロにする事だ。例えば各部族の、歴史、特異性、いや何よりもロジックや抽象化の過程さえも、ゼロにして……。

(『人の道御三神といろはにブロガーズ』笙野頼子)

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 ここでは国策の失敗や権力者の不始末にも責任はない。なんと言ったって別に彼らは何の責任もない対抗勢力という設定で生きているのだから。例えば罪あって罰のない世界のように、彼らは反権力のまま権力を握り、何も決めず、何も引き受けず、決める時は自分達だけでこそこそ決め、引き受ける時は引き受けるポーズだけをしてみせてただ利権を分ける。そして彼らがするのはいつもマチズモの批判、盟友は少女だけ。(中略)
 (中略)三権分立とか表現の自由とかも全部弾圧し終わった後だから誰も口を出せない。というよりここの独裁者と対立、矛盾したものは独裁者に吸収、併合…[全文を見る]

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マリ それによって多くの悲劇を生んだし、複雑なアイデンティティがあるのですが、一方で文化は多様で豊かになりました。古くはフェニキア、ギリシア、北アフリカのカルタゴ、古代ローマ、その後はアラブ、ノルマン、フランス、スペインと、時代ごとに支配する国が代わり、それぞれが自国の文化を持ち込んだ結果、それがシチリアで堆積しています。
とり 実は、僕もシチリアにちょっと縁があるんです。というのは、初めてイタリアを訪れたのが、シチリア東部の都市・カターニアだったのです。当地で開催されたマンガフェスティバルに呼ばれたわけですが、本当は吾妻ひでおさんが行くはずだった。でも当時の吾妻さんは療養中(笑)であらせられたので私が代役で。
(『プリニウス1』)

多様な文化の堆積の結果、そんなメンツを呼ぶディープなマンガフェスをやる地になったわけですな。

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×愛の賞品をあつかう税関
○愛の商品をあつかう税関

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レンザが王子のあいさつに応え、かすかにほほえみかえしますと、彼は勇気をふるい起こし、窓の下に近づいて言いました。
「さらば、自然のあらゆる恵みのプロトコル、天の贈り物の総目録、さらば、美の証書の全体要覧」
 レンザは、この絶賛の言葉を聞くと顔を赤らめ、この恥じらいが彼女の美しさをいっそう引き立てました。これがチェチオの炎に新しい燃料を加え、その傷口に熱湯を注ぐことになりました。求愛合戦に負けてなるものかとばかり、レンザも応じました。
「ようこそ、優美の薬味を備えた薬局、おお、美徳の宝物庫、おお、愛の賞品をあつかう税関」

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 王子は、この自然の比類なき宝石箱、天が最高額の預金をした銀行、愛の最強の兵器庫を見ると、頭がくらくらするのを感じました。そして、娘の輝くような丸い顔から目の光が放たれ、彼の心の火口に触れた時、王子はおのが希望の家を建てるための煉瓦を焼く溶鉱炉となったのです。
(中略)
「どこの牧場から、この美しい花ははえたのだ。どこの空から、この恵みの露はおりたのだ。いったいどこの鉱山から、この目にもあざやかな宝石は掘りだされたのだ。おお、幸せの森よ、幸運の林よ。そこに愛の饗宴の明かりに照らされた、光輝が住まうとは。おお、森よ林よ、お前が作るのは、ほうきの柄でも、くまでの横棒でも、何かの容器のふたでもなく、美の寺院の扉、美の女神の神殿の梁、それに愛の矢がらのみだったとは」
(『ペンタメローネ』2日目第7話/鳩)

イタリア人強烈。冒頭、彦摩呂か(笑)

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これはよく知られた事実であるが、人を支配したがる人は、人を支配したがっているというその事実によって、人を支配するのにふさわしくない人である。【宇宙の果てのレストラン】

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(喉頭がんと告知されて)
>主治医から「通院して放射線治療で完治します」と言われ、七月二十一日病名を公表、スポーツ紙にでかでかと私の記事が載った。あの時思ったな、がんはスポーツなのかしらんと。
(林家木久扇「この道」(東京新聞2016年6月22日夕刊))

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「ファシズム」とは大衆運動や個人の行動がコラージュのように積み重なったもの。独裁者の言葉に突き動かされるのではなく、そんたくや自己規制、自粛といった日本人の“得意”な振る舞いによって静かに広がっていくということだ。
ファシズムと聞くと全体主義、ムソリーニ独裁やヒトラーのナチスが浮かぶ。「そういう、銃剣持ってざくざく行進というんじゃない。ファシズムはむしろ普通の職場、ルーティンワーク(日々の作業)の中にある。誰に指示されたわけでもないのに、自分の考えのない人びとが、どこからか文句が来るのが嫌だと、個人の表現や動きをしばりにかかるんです」
(辺見庸)

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「何も遠っ走りすることはねえや。あそこにサツが居るじゃねえか。あいつに言ったらいいや」
「いや、いかん。絶対にいかん」男はひどく狼狽した。
「こういうことはちゃんとした身分の、捜査課長か何かに報告すべきもんだ。あのへんのマッポはだめだ。どんなカン違いするかわかったもんじゃねえ」
「マッポ?」伏見は珍奇な単語に興味を感じた。「マッポって何だい」
「いいあんちゃんが知らねえのかい」男はちょっと軽蔑的に言った。「マッポはマッポさ、間抜けなポリってことだよ」
「ああ、なるほど。間抜けのマにポリのポか。知らなかったな」
「そうかい。千葉じゃ常識だがね。じゃ、アバヨ」
(天藤真『遠きに目ありて』)

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講演会で「敵を撃墜すると気持ちがいいでしょう」と聞かれることがあるそうです。原田さんはこう答えています。
「とんでもない。まず落とされないで助かったとホッとする安堵感。その次に技術が彼よりも上だったという優越感。このふたつが頭をさっとかすめる。そのあと相手も死にたくなかった、彼の家族も泣くだろう。そう考えれば、気持ちがいいはずがない」
「接近戦で相手のパイロットが『もうやめてくれ』という顔をする。身ぶりまで見える。でも、撃たなければ次には自分が撃たれるから撃つしかない。罪も憎しみもない同じ人間にとどめを刺すのが戦争なんです」
(東京新聞2015.8.14社説「元ゼロ戦乗りの反戦論」)

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開戦前の一九四一年秋、空母「蒼龍」への乗艦を命じられ、大分県の航空機でゼロ戦と出会いました。厳しい訓練を経て出港。戦艦、空母、巡洋艦などが集結した択捉島の単冠湾で「目標は真珠湾」と知らされました。原田さんの役割は艦隊の哨戒飛行でした。
攻撃隊が戻り、「軍港が火の海になりました」との報告があり、艦上は「バンザイ、バンザイ」と戦争に勝ったよう。電信員が原田さんに近づいてきました。ゼロ戦一機がはぐれてしまったのです。
「攻撃前、位置がわからなくなったら、誘導電波を艦隊に要求しろ、その電波にのって帰れるという話でした。電信員は『電波を要…[全文を見る]

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「全盲の」音楽家に感動する心の裏には、そんな人間に大したことはできない、という無意識の差別感がある。そしてギョーカイには、障害でもなんでも儲けのタネに利用する風潮がある。(長谷川)きよしがマスコミに背を向けたのには、それもあったに違いない。
 一作曲家の代作がバレた。代作事件にしてはえらい騒ぎだ。大手マスコミが軒並み謝っている。これまで代作に気づかず、持て囃したことを反省すると。的を外すな。よく考えろ。ただ作品を持て囃したのではあるまい。
 「全聾の」のレッテルで我々の差別感を助長し、営業に資したことをこそ、この際、深く反省し改めてほしいものだ。

中山千夏(東京新聞2014年2月8日夕刊「紙つぶて」)

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×人世に
○人生に

×コウレイシャノ
○高齢者の

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【取り違え事件と文化資本】
所得の格差はいつの時代にもあるもので、それが取り違えの悲劇を深刻にしてはいる。しかしこの事件では、金銭としての所得以上に家庭環境が二人の人世に影響してしまっている。ここで言う家庭環境とは「教育熱心」などで、社会学者のP.ブルデューならば「文化資本」と呼ぶであろうような、所有者に社会的地位を与える文化的教養である。
所得格差だけであれば、所得再分配である程度はカバーできる。生活保護もその一環である。けれども文化資本となると、再分配は難しい。(中略)
文化資本の欠如が人生に深い影を落とす例としては、児童養護施…[全文を見る]