・最後の舞台が香港じゃないということが、やっぱりどうもうまく飲み込めなかった。
・アジア映画に白人の人が出てくると、「西洋人」の記号然としていて、演出が甘くなるので映画のテンションが緩むという問題があって、韓国映画がその問題からいち早く脱却しつつある状況の中でこの『完結』を見ると、「あれっ、なんか後退してない?」という風に思えてしまってつらかった。
・テーブルが壊れるシーンが良かった。あのくらいの地震で落ちるシャンデリアはいけないと思う。
ブログには「なんかよくわからなかった」ということだけ書きました。ヒロインがアンジュルムの佐々木莉佳子さんに似ているので、ハロプロファンは機会があったら見てください。
https://poolame.hatenablog.com/entry/2020/07/15/181402
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映画/三行コメント/イップ・マン 完結のことを語る
映画/三行コメントのことを語る
アップリンクの 60本見放題というサーヴィスで『二重生活』(ロウ・イエ)を拝見しました。
・冒頭の交通事故とはかけ離れた、幸せな夫婦の暮らしがゆら〜っとその事故にひきつけられていって、なんとかそこから逃れようとあがくのだけど、またぐ〜っとひきつけられる、その行ったり来たりがこわい。
・刑事と、探偵役となる被害者の元彼が出てくると、ほんとにほっとした。主人公たちが逃げられないところまでからまってからまっているだけに、シンプルな動機ですいすい動くふつうのおじさんたちにほっとしました。
・エンドクレジットが短い映画=おもしろい映画。おすすめです!
映画/三行コメント/ジョン・F・ドノヴァンの死と生のことを語る
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」、私も見ました。
・そういえば、「今夜は満月よ。きっといいことがあるわ」とお母さんが言ったらドビュッシーの『月の光』の最初の一音がした……ような気がしたのですが、あれは一体何だったのだろう。
・『ローリング・イン・ザ・ディープ』→『スタンド・バイ・ミー』→『ビタースウィート・シンフォニー』の展開に監督の肝の太さを感じました。
・お母さんは困った人だけど、お兄ちゃんは優しいし、リズだってわかってくれる。バーバラも支えてくれてた。優しくて弱いジョンがいるのは決して地獄ではなかったけど、ジョンは「無理」「僕にはできない」って思ってた。その感じと、映像や音楽のちょっとふわっとしたところが合っていて、おもしろかったです。
映画/三行コメント/パラサイト 半地下の家族のことを語る
・これはこれで『借りぐらしのアリエッティ』。不要かつ過分な贈り物、返礼しようのない贈り物を受け取ってしまうところから始まる地獄巡り。
・坂の上と下、地上の生活と地下の生活、雨で洗い流せないどころかあらわになる汚物、隠しようのない匂いにまとわりつかれる土地、印象的な顔と顔と顔。
・見所満載な中で今すごく脳裏にこびりついているのは、「あの子はいい子だよ」というお母さんの声と実際ほんとに強烈にいい子だってことを証明するあのシーン。あのあとあの子、どうしただろう。
映画/三行コメント/ブラック・クランズマンのことを語る
・新米の黒人刑事が同僚と組んで KKK に潜入捜査をするのだけど、この二人が KKK をなめているというか、まさか彼らが政治的に力を持つようなことなんてないでしょうと発言して白人の上司から「甘いぞ! 目を覚ませ!」と怒鳴られるシーンがあって、そこをきっかけに目を覚ます〜というわけでもないのですが、そんなこんなをずっと主人公たちが考えているのがよかったです。
・主人公たちはポップカルチャーが好きで、映画やスポーツの話ですぐに盛り上がってしまうのですが、そうしたことから得たものが、根っこのところでの人間や言葉に対する信頼あるいはあきらめの悪さ…[全文を見る]
映画/三行コメント/男はつらいよ お帰り 寅さんのことを語る
・諏訪満男を真ん中に置いて、言葉遣いの自然さに階梯のある、不思議な言語空間。
・満男の両親達や柴又の人びとのごくごく自然に見える(が、きちっとコントロールされた演劇的表現ではある)言葉と、泉や満男の娘、担当編集者たちが口にする、いかにも書き言葉然とした不思議な言葉遣いのちがいがおもしろかった。
・満男の娘や担当編集者が彼に対してとても献身的なのですが、満男が彼女たちの労働を透明なものとして受け取っているわけではなく、彼もまた彼女たちに対してとても献身的にふるまっているのが、興味深かったです。泉やその母に対しても彼はそうだし、「世話をする」とか「世話がやける」といった言葉は出てこないので、よく似ているようでいて、その言葉から連想されることとはちょっと違う関係性をこの映画は考えているのかもしれません。
映画/三行コメント/2人のローマ教皇のことを語る
・選択肢がひとつ、またひとつと消えて、道がひとつとわかる瞬間、人によってはそれを「神の声」と感じるのかなと思いました。それなら私も聞いたことがあるような気がしました。私の場合は神ではなくて言葉なのですが。
・始終言葉が行きかっているのに、とても静かだと思いました。それは、「言外の言葉」を忖度し合うような不潔な世界ではなく、口にした言葉、文字にした言葉が神聖で、発した以上は次に進まなければいけない、そのようにドラマが推移していくからだと思いました。
・サッカー好きの人にもおすすめです。
映画/三行コメント/マリッジ・ストーリーのことを語る
・チャーリー(アダム・ドライバー)とニコール(スカーレット・ヨハンソン)が離婚協議に着手するところから始まって、色々決着してそして……というところで終わるのですが、途中でひたすら2人が気の毒で気の毒で「どうにかならないのかーーーー!」とじたばたするくだりがありました。ふ〜。
・ひとんちで泣きながら鼻をかみ、紅茶を「おいしい」といい、「クッキーもおいしい」といい結局泣いているニコール、あれもこれもうまく行かなくて終始半泣き&仏頂面のチャーリー、なのに義母&義理の姉にとんでもなく好かれていてハグ攻撃にあってしまうチャーリー、弁護士の流…[全文を見る]
映画/三行コメント/ドクター・スリープのことを語る
- 死にゆく人たちを優しく描いていて、すてきでした。
- ほんとうのことを言ったら自分は受け容れてもらえないだろうと思いながら生きてきたダニーと、自分をまげずに済む方法を探っているアブラの友情というか、教えたり教えられたり、助けたり助けられたりといったことの周辺にあることがきちきちっとしていつつ穏やかですてきでした。
- 死や霊の周辺にありながら、意外な銃撃戦や肉弾戦などもあり、びっくりすることもありましたが、終盤は穏やかに緊張が解放されていきました。
映画/三行コメント/ゾンビランドダブルタップのことを語る
- 冒頭、ジェシー・アイゼンバーグのうわずった声を聞いて「久しぶり!」と懐かしく、ウディ・ハレルソンの顔を見ただけでおもしろく、そしてエマ・ストーンが何か言う度にその美声に驚くの。
- のんびりしてました。
- コネタの連続に「今私は確実に台詞の意味がわかっていない」ことが多々あったのですが、それでものんびりできたのでよかったです。
映画/三行コメント/ジョーカーのことを語る
やっとこさ『ジョーカー』を拝見しましたわ。
・階段映画、音楽映画。アーサーが大気のなかに音楽を探そうとするのが切ない。
・不思議と匂いが立たない。悪臭立ちこめるゴッサム・シティ的な台詞はあるんだけど、映画を見ている間中鼻がきかない人みたいになった。
・話はすごく素朴だと思う。雑音になるような台詞や音楽がなくて、結末までまっすぐ進む。こういう映画なのに「あのときああしていれば」と考え込んでしまうポイントがない。銃の経緯だけがちょっと不思議。
映画/三行コメント/ジョンウィック3パラべラムのことを語る
・そんなわけでこの組織では犬を飼うのが禁止になって 100 年後、「犬に近づくと不幸になる」という伝承が生まれていたのだが、犬好きにはそれが耐えられず……というお話の入り口にいる感じがすごい。
・『フルタイム・キラー』でのアンディ・ラウの日本語は全然聞き取れなかったわたくしが、あの鮨職人の日本語は聞き取れた。自分の成長を感じられてうれしかったです。ジェイソン・ステイサムの「いや、いや、骨だった、ごめん……」にきたえられたのです。
・バレエを見ながら顔がかくっかくっと動いていたあのおばさまは本気でバレエが好き。知ってる、あの動き。よく見るもん。本物よ。この映画はところどころ、予想もつかないところでほんとうの真実が。
映画/三行コメント/イエスタデイのことを語る
・ミュージシャンとしてやっていく夢を諦めきれない主人公が突如放り込まれた「ビートルズのない世界」で、どうするどうなるという中で、かくっかくっと予想通りにならないことが続いて、主人公が「追い込まれた」だけでもなければ「自力でたどりついた」だけでもないが、確かに彼と彼女のあきらめの悪さがなければたどり着けなかったであろう結論に至れて、よかったなあと思いました。
・バイト先の雇い主が主人公に皮肉を言いつつも「フルタイムで働け」と言ってきたり、交通事故にあった主人公を見舞う親友が「その顔、はっきり言って、笑える」と言いつつもちまちま病院…[全文を見る]
映画/三行コメントのことを語る
『スノー・ロワイヤル』
・「なめて怒らせた相手が強かった」系統の決定版で、びっくりしてるうちに終わるけど、リーアム・ニーソンは深刻に真剣です。
・三人お父さんが出てきて三者三様大騒ぎで、そこに元彼から情報を引き出すおまわりさんとか、2019 年兄大賞候補者とか、自由にうろちょろするお子様とか、うじゃうじゃ見所があるのに、ちらかっていなくて、ずっとおもしろい。
・パンフレットの表紙があまりにかっこいいので買ってしまいました。
映画/三行コメントのことを語る
『ザ・フォーリナー/復讐者』
・「なめて怒らせた相手が強かった」系統の最新形態で、ジャッキー・チェンがほんと弱そうだし、悲しそうだし、倒れちゃいそうだし、結構ジャッキーだってことを忘れて見ました。
・イギリス人版田中要次が登場。さりげなく、親切な台詞を言ってくれて、「なるほど、このひとに前科があるのだな、ふむふむ」などと落ち着くことができました。
・全編深刻で真剣で、涙に濡れてぼろぼろになっているジャッキーなんだけど、要所要所で「明日からマネしたい体作り」を見せてくれたり、身の軽いところも見せてくれたりします。それが全体のなかで浮いていなくて、久々にいいジャッキーでした。
映画/三行コメントのことを語る
『トリプル・スレット』
・きらきらした顔面群の中で見ると、タイガー・チェンの薄めな顔の存在感が貴重で、深紅の薔薇やダリアが咲き乱れるなかで咲く桔梗のようでした。
・命をねらわれる令嬢の走りっぷり、覚悟の決まり方などがすがすがしくすてきでした。
・とにかくきれい。人間は回転する動物なのですね。おすすめです。
映画/三行コメントのことを語る
『感染家族』
・はげしく、おすすめです。
・ロマンチックラブコメディなので、秋のお出かけにふさわしいと思います。
・まっすぐな農道をよろよろ走るゾンビ、ア・ゾンビ・ミーツ・ア・ガール、すぐごまかす弟、すぐ何かのせいにする兄、そんな兄弟がしかし特筆するほどものすごく仲悪いわけでもなく適当に仲がよいリアルさ、秋のかわいた空気の中を駆ける固有名をもつゾンビのみなさん、そして、ストロングで無口な兄嫁。
映画/三行コメント/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのことを語る
・後悔する、後悔しながら振り返る、きっちり思い出そうとして失敗する、だがまた振り返るという繰り返しの果てにできた映画。
・みんな、顔が華やかで見応え満載。
・スクリーン中央から肩越しに吹く風、二人組の背中、脚、膝から下はゴミため、汚れた足の裏。そこからもう一度顔にもどる。そのときの顔と、見てる私の関係の複雑さ。
では、こころおきなく、パンフレットを拝読しますわ。楽しかったわ〜。
映画/三行コメント/ワイルド・スピード/スーパーコンボのことを語る
・途中で「あれっ、『ワイルド・スピード』って何だっけ?」と完全に脈絡を見失ったのですが、スピンオフだったのですね。だから突然これだけ見てもいいわけなんですね。
・カーチェイスシーンは視点の低い車バージョンと高いバージョンがあって、従って車でくぐるバージョンと車で飛ぶバージョンがあって、とっても楽しかったです。
・ずっと見るだけでつい笑ってしまうびっくり映像が展開しているのに、終盤 30 分くらいはさらにずっとびっくりしていました。よくこんなこと大人が考えて企画が通るものだなあと、勇気がわきました。
邦題はネタバレ……かナ
映画/三行コメント/ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスのことを語る
・会議シーンはどれもおもしろかったのだけど、特に予算をぐいぐい取りに行く姿勢にわくわくしました。やりたいこととやっていることが一致していること、それを端的に表現すること、だったかな。週6日開けるとか、そういう話をすると政治家は動いてくれる、そういう話をすれば政治家は拒否しないから、そういうメッセージを出す、みたいなことを皮肉じゃなくきちきちっと検討してておもしろかった。
・図書館自慢の「動く犬」カテゴリーに、「私のCD分類法は間違っていない」と自信を新たにしました。
・繰り返し登場する「公共」の文字、文字に収まらない、いろんな「公共」、三時間半の限られた時間が一週間のようにも半年のようにも感じられておもしろかった。
図書館に住みついている少年がリーアム・ニーソンを助ける「誘拐の掟」、今見たらまたおもしろそう。こちらも合わせて、おすすめです。